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こたつとお風呂

こたつ1つでなんか、到底過ごせないはずの町で、
こたつ1つで暮らしていたともだちがいた。

お母さんは、いつも働いていて、
その子は、おともだちにベタベタしすぎて、
ときどき嫌がられていたんだ。

でもわたしは、その子と数名で交換日記をしたり、
それなりに楽しい日々を過ごしていた。

ある時、その子は、とっても嬉しそうに、
わたしに教えてくれた。

「お家に、お風呂が入ったの!」

少し経って、その子の家に遊びにいったとき、
部屋の真ん中に、ユニットバスが
そのまま、ドンと置かれていた。

わたしは少しびっくりしたけれど、
ともだちが嬉しそうに見せてくれたお風呂を、
一緒に喜んだ。

なにも知らなかった子どもの頃、
なんだってまっすぐに受け止めた子どもの頃。

今なら、いろいろ思うところはある。
でも、あの頃は、ただただ、まっすぐに、
いろんなことを受け入れていたんだ。

そんな頃のわたしが、今のわたしをつくっている。

そんな時代のわたしを、今のわたしが振り返る。

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