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自分の安心を積極的につくりだすために。月経困難症と付き合っている内藤千裕さんのお話。

みなさんこんにちは。ジブン研究編集部です。自分の身体の不調によって、普段できていたことができなくなることって誰しもあると思います。不調は自然なことだから仕方ないと思いつつも、自己管理ができていないからではないか、と自分を責めてしまうことも。定期的にくる不調と、どう付き合っていくのが良いのでしょうか。
日常生活の中で感じる違和感や疑問についてオープンに語り合える場を、当事者との対談形式で実施するオンラインイベント「Original Life Talk」。今回は月経困難症と付き合いながらお仕事をされている内藤千裕(ないとう ちひろ)さんに、お話を伺います。
月経困難症とは、月経の開始に伴い下腹部・腰痛などの疼痛とともに頭痛、悪心、嘔吐などの症状を伴い、月経終了後に症状が消失または軽減するものをいいます。 何らかの原因となる病気があることで起こる器質性月経困難症と、原因となる病気がない機能性月経困難症があります。
イベントに先立ち、月経困難症との付き合い方について、話をお聞きしました。第10回「月経困難症ー自分の安心を積極的につくりだすためにー」どうぞ、お付き合いください。

はじめに

初めまして。内藤千裕(ないとう ちひろ)です。
私は普段、株式会社アスノオトにて「さとのば大学」の運営や広報をしたり、個人でもイベントの企画やデザインの仕事をしたりしています。

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月経がしんどいと思った日

Q.千裕さん、どうぞよろしくお願いします。早速ですが質問をしていきたいと思います。月経が一番辛かった時期はいつ頃でしたか?

「高校3年生の頃から、腹痛が一番辛かったです。特に朝は起き上がれないくらい酷くて。腰痛、頭痛、気持ちの落ち込み、だるさなども相まって学校に行けない日もありました。
親が家で仕事をしていたので、月経困難症の症状により学校を休みたいと言っても、「生理でそんなに体調が悪い期間が長引くわけがない」「さぼりたいだけなんじゃない?」と、理解してもらえないこともありました。
受験の時期に月経困難症が原因で勉強ができないのはつらいので、その頃から病院にも行き始めて、ピルを処方してもらうようになりました。受験に合わせて生理が来ないように調整したり。ピルについて知識がなかったので親に心配されたこともありましたが、鎮痛剤も効かなくなっていましたし、月経困難症の改善になるとお医者さんに勧められたので、飲み始めることにしました。」


他者との関係性について


Q.月経によって、他者との関係性の中で大変だったことはどんなことでしたか?

「説明することが難しかったです。月経中、朝が特にしんどくて、夕方頃には元気になるので、学校もサボっていると思われたり。気持ちも落ち込みやすくなって、異常なネガティブ思考になります。例えば、飲み物をこぼしただけでも悲しくて泣いてしまったり普段なら気にならない家族の言動にいちいちイライラしてしまったり。
こんなに辛いのになぜわかってくれないんだって相手に期待して落ち込んでしまったり。


思考能力も低下するので、イライラや落ち込みなどの症状が月経困難症によるものだということが、自分でもなかなか判断できないんです。自分自身でコントロールが難しい精神的な不調を他の人に説明して、しんどさを理解してもらうのは、ほんとうに難しいと感じていました。

Q.理解してもらうって難しいことですよね。そこからどうやって周囲の人への理解に繋げたんですか?

「月経困難症などによる体調やこころの浮き沈みがあり、その状態で社会人になれるのか不安だったこともあって、月経に限らず、人の弱さに対して理解のある会社を選びました。人間って、生きていると波があるし、ずっと一定ではいられないよね、という価値観を持っている上司や同僚に囲まれていたことは、すごく恵まれていたと思います。グーグルカレンダーに月経の日の予定を入れて、調子が悪くなりそうな日程はあらかじめ一緒に働いているメンバーに共有しています。男性もいる会社ですが、わかるから有り難いって言われたこともありました。調子が悪いとき、あたたかい声かけもしてくれて、本当に助けられています。」

「月経です」と言いづらい時

Q.周囲の適切な声かけって確かに大事ですね。それは、最初から他者に話せたんですか?

「いや、実は今でも結構言いづらさはあります。風邪だったら言えるのに、月経やこころの不調は、なぜか言いづらいですよね。月経でも、うまく付き合っている人や、気持ちが落ちていても普通に仕事に行けている人もいると思うのですが、症状の重さは本当に人それぞれです。症状が軽い人もいれば重い人もいます。経験したことがないとわからないのは当たり前だと思うのですが、まずは聞いてもらえたら嬉しいなって思いますね。」

Q.その言いづらさがある中で、今はどうやって他者とコミュニケーションを取っていますか?

「最近職場で、月経中の連絡方法を決めました。連絡すらしんどくて取れない時もあるので、簡単に今月経であることを伝えるキーワードを決めたり、月経中は朝が特にしんどいので、朝に仕事ができなくても午後からできることもある、ということを、他の女性社員の人と一緒に、男性の上司に伝えたりしました。」

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月経中の自分の安心のつくり方

Q.月経中のしんどさを事前に他者に共有しておくことの大切さが伝わってきました。他には月経中に自分が安心して過ごせる為にしている工夫とかありますか?

「落ち込んだときやることリスト、聴く音楽リスト、連絡するリスト、を事前に決めておくようにしています。月経中にはそんなことを考える余裕はないので(笑)、楽しくなることを事前に用意しておきます。あとは、月経に関するグッズや月経用品を多様に知っておいて、必要な時に使えるようにしたり。あとは、今までできていたことができなくなった、そんな自分もまず自分で受け入れることですかね。知識も含め、正しく理解すること。
月経って、女性だと一生付き合わないといけないものなので、治療する、心地よく対処する方法を自分で作っておくことは本当に大事だと思います。それこそ、会社での過ごし方とか、この人にだったら話せるという安心な場所をつくっておく、とか。その時になって対処をするのではなくて、あらかじめ考えて、自分の文化をつくっておくことが、自分を救ってくれているな、と思います。」


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最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
実際に月経で苦しんでいる方、月経困難症について知ってみたい方など、少しでも興味を持った方がいらっしゃったらぜひイベントにご参加ください。
当日は、千裕さんへの質問タイムや参加者同士の対話の時間もご用意しております。
イベント詳細は、以下のイベントページから、申し込みは以下のグーグルフォームからお願いいたします!

みなさまにお会いできることを楽しみにしております。

▼イベントページ▼

▼申し込みフォーム▼

https://forms.gle/XvoSCzuRG3G81F8R6


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