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心に起こる離岸流


離岸流(りがんりゅう)
ってご存知ですか?

海水浴シーズンになると
毎年ニュースで注意喚起されます。

海に起こる、
沖へと向かう強い流れのこと。
(下図参照)

出典「海の日のレジャーで知っておきたい 「離岸流」の特性と対処法


泳いでいるときに
この離岸流に入ってしまうと、

陸に向かって泳いでみても
どんどん沖に流されてしまいます。


もし自分が泳いでいるときに
これに捕まったら、と考えると

「あれ、何だか流されてる?」
「陸が遠い!深くなる!どうしよう!」

とパニックになるのも
想像ができます。


さて、なんで
このような海の話をしているのか。

この離岸流が、
人間の感情に近いなと、思ったからです。


波は岸に向かってきます。
波によって海水が運ばれてきます。

岸に着いて溜まった海水は、
沖へ戻ろうとします。

その沖へ戻ろうという水が
ある一点に集まり、
強い流れとなったものが離岸流です。

私たちの感情も、
波のように動いています。

時に小さく、時に大きく動きます。

そうした感情が、なくならずに蓄積していくと
ある瞬間、
強い怒りや悲しみとなって表れます。

蓄積されているほど
強い負のエネルギーを持って
私たちを飲み込みます。

ちょうど沖へと海水を逃す
離岸流のように、
心に溜まった鬱憤を噴出します。


そして、
この強い感情への対処法も、
離岸流への対処法と近い。

強い怒りや悲しみに対して、
「怒っちゃダメだ」「泣いちゃダメだ」
と対抗しても、かえって苦しくなります。

離岸流に逆らって泳いでも、
沖へと流されてしまうのと同様です。

ならば、
その感情がおさまるまで、
感情に身を任せてみましょうか。

それも一つの手段ですが、
沖に流されすぎる、
つまり、取り返すのに一苦労な事態に
辿り着いてしまうかもしれません。


離岸流に流されていると気づいたら、
流れに逆らって泳ぐのではなく
横に向かって泳ぐことです。

離岸流から抜け出せば、
「なんだ、強い流れがあったのか」
と冷静になれます。

強い感情が現れた時は、
その感情をなくそうとか
対抗しようと頑張るのではなく、
横にずれるのです。

具体的には、
深呼吸とか、目を瞑るとか
心じゃなくて身体に意識を向ける

あるいは、
別の部屋に行くとか
場所自体をずらしてもいい。

強い感情が起こったことは否定せず、
それと距離を置いて落ち着くのです。

波はいつまでも続きません。
穏やかになったら、
また動き出しましょう。

心の波に溺れないように
泳ぎ方を学んでいきましょう。

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