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人類の75%が苦しむ心の危機「人生迷子」

自分の人生がこのままでいいのか迷いがある
友人や知り合いと比べては、何かしなくちゃという焦りばかりある
あんなにやりたかった仕事についたのに、やりがいを感じない
転職したはいいものの、環境の変化に心がついていっていない
子どもが生まれ生活が変わったが、心の整理がついていない

そうした悩みが、
無視できないほど
心の中で大きくなっていませんか?

そうした状態にあるのなら、

もしかしたらあなたは、
「人生迷子」かもしれません。


人生迷子とは?


人生迷子
とは、

「この先の人生どう生きたらいいかわからない」

「どんな人生を歩みたいのかわからない」

「どんな自分でありたいのかわからない」

といったように
人生の大きな方向性を見失っている状態
のことです。

「そんなものなくても、毎日が楽しければいいじゃん!」
という剛気な方もいらっしゃいますが、

多くの人にとって、
自分が進みたい道が見えないままでいることは、
日を重ねるほどに辛くなってくる
ものです。


どんな人がなるの?


では、
この人生迷子は、
どのような人がなるのでしょうか

実は、
特に人生の方向性を見失い、
思い悩みやすい年代
があります。

それが、以下の2つです。


(1) 社会に出て数年経ち、今後の人生に不安を覚える20代半ば〜30代

(2) 人生の節目を迎え、セカンドライフに迷いがある40代半ば〜50代


現代は、かなりライフスタイルが多様化し、
ライフイベントが訪れる年齢も多様ですが、
この時期に人生に悩みやすいとされています。

もしかしたら、
この記事を読まれているあなたも
この年齢に当てはまるのではないしょうか。


それぞれの時期には、
名前がつけられています。

20代後半〜30代前半に陥りやすい
心の危機のことを、人生の4分の1ということで、
クォーター・ライフ・クライシスと呼びます。

この時期は、
多くの人にとって、就職してから数年経ち、
社会のことも色々見えてくる時期
です。

そうした中で、
「自分はどんな人生を歩んでいきたいのか」
「本当にこのままでいいのか」
という

漠然とした不安や焦りが生まれてくるのです。

また、昇進や転職、結婚、出産など
ライフイベントが多くある時期でもあります。

環境の変化に心がついていかなかったり、
自分の価値観と現状とのギャップを
強く感じたりします

さらに、
現代の環境がこの悩みに拍車をかけます。

成功している昔の友人や知り合いの情報が
SNSを通じて飛び込んできます。

それと自分を比べてしまい、
ますます焦りや不安を強く感じる
のです。

実は、私はまさに
クォーター・ライフ・クライシスで
「人生迷子」になっていました

高校の教員として数年勤めた頃、
第一子が誕生しました。

私にとって子どもの誕生は、
とても大きな出来事となり、
教員を続けることに疑問を抱くようになりました。

まさに
「人生このままでいいのか」
迷い悩んでいたのです。

その後、
勤務校が変わったり、転職したりという変動の中
適応障害となり精神的にしんどい日々を過ごすことに。

より深く、「人生迷子」になったのです。

幸い、人生の方向性をもう一度
定めたことで立ち直ることができましたが、
非常にきつい時期でした。


もう一つの
40代後半〜50代に陥りやすい
心の危機のことを人生の半分ということで、
ミッド・ライフ・クライシスと呼びます。

この時期は、
社会の中で一定の地位を得たり、
子育てがひと段落したりする時期
です。

その中で、
「自分の人生は一生このままでよいのか」
「第二の人生をどう歩んでいこうか」

そうした迷いや焦りが生まれてきます。

ライフイベントでも、
要職に就いたり、子どもが独り立ちしたり、
親の介護が必要になったりと、
環境の変化が多い時期
です。

そうした中で、
改めて人生について考え直し、
思い悩む
人が出てくるのです。


特別な人がなるの?


とはいえ、周りの人を見ても
皆そんなに苦しんでいるようには
見えません。

みんな人生を楽しそうに
生きているように見えます。

人生に悩んでいるのは、
自分だけ
のように思えてきます。

人生迷子とは、
一部のとてもネガティブな人だけに訪れる
特殊な現象なのでしょうか?

実は、違います。


アメリカのLinkedinの調査*1は、
25歳から33歳の75%が、
クォーター・ライフ・クライシスを経験している

と報告しています。

また、
心理学者ダニエル・レヴィンソン*2によれば、
ミッド・ライフ・クライシスを経験する
40代〜50代は、80%
とのことです。

程度の差はあれど、
大半の人は、この時期に人生に悩む可能性がある
ということです。

自分がそうとは思わない方は、
とてもラッキーか
自覚がないだけ、かもしれません。


何が問題なの?


では、
人生の方向性がわからないことの
何が問題なのでしょうか。

とりあえず目の前の仕事をこなしていれば、
その日1日が楽しければ、
それでいいのではないでしょうか?


確かにそういう考えもあります。

もし本当に、ただ目の前だけが楽しければ、
将来がどうなろうが構わないと、
心から思うのなら、それでよいのです。


でも、
私の経験上、そのような言葉は、
投げやりや自暴自棄から発せられます。

心の奥では、ほとんどの人が
自分の人生の目的や、人生の意味を
求めています。


では、
人生の目的、人生の大きな方向性は、
ほんとうに重要なのでしょうか?

この重要性を示す
いくつかのデータがあります。

まず、
人生の目的が明確である人ほど、
抑うつや不安のレベルが低い
という
検証結果*3 があります。

これは99の論文について
改めて検証をした結果で、
信頼できるデータと言えるでしょう。

また、
「人生で大切にしたいこと」が
明確なほど、主観的な幸福度が高い

という日本の調査結果*4 もあります。

つまり、
人生の大きな方向性を見つけることは、

抑うつや不安などの精神的な不調を軽減し、
「自分が幸福だ」と感じやすくもなる
のです

逆にいえば、

人生の大きな方向性を見失ったままでいることは、

抑うつや不安などの精神的な不調へつながり、
自分は不幸であると感じやすくもなる
のです。

もしあなたが、現状に違和感を感じ、
人生に対して漠然とでも不安や焦りを
感じているなら、

いち早く「人生迷子」を抜け出すための
アクションを起こすことをおすすめ
します。


成功していても人生迷子になる


「人生迷子」の怖いところは、
世間的な「成功」とは無関係である
ということです。

もしかしたら、

会社を起業して億万長者になれば、
一発当てて人気者のスターになれば、
こんなに苦しまなくて済むのに!

そんな風に考えている方も
いるかもしれません。

しかし、
「人生迷子」の原因は、

自分の求める人生の方向性と、
現状とにギャップが大きい

ことにもあります。


90年代に活躍したロックスターとして
カート・コバーンという人がいます。
Nirvanaというバンドのボーカル・ギターです。

メジャーデビュー直後から
世界的ヒットとなるアルバムを発表し、
超スピードで、一躍スターになりました。

しかし、彼は、
「スターになりたくなかった」ロックスター
だったのです。

繊細で内向的な性格だったと言われる彼は、
端正なルックスと世界的ヒットから
「ロックスター」のイメージをつけられます。

そうした「スター」としての自分と
本来の自分との乖離に、
ひどく心を悩ませていたそうです。

最終的には薬物乱用の末、
ショットガンを使って自殺をしました。

彼が自殺したのが、27歳

クォーター・ライフ・クライシスにあたる時期です。

もし彼が、世間の作り上げた偶像を捨てて、
もっと自分の心に従って行動できていたら
もしかしたら違う人生があったかもしれません。

極端な例だと思いますか?

カートは確かに音楽の才能がありました。
見た目にも恵まれました。

でも、社会から求められる姿に引っ張られ
人生で大切なことがわからなくなるのは、
決して彼が特別だからではありません。

環境や心境次第で
私たちの誰にでも起こりうる
苦しみ
なのです。


時間が解決してくれる?


そうは言っても、
時間が解決してくれるんじゃない?

そうした側面もあるでしょう。
時間が経つにつれ、環境に慣れ、
悩みも薄れていくかもしれません。

しかし、
人生の方向性が見つからないままでは、
再び同じことを繰り返すのではないでしょうか?

「人生迷子」は、
「自分から自分へのSOS」であると、
私は思います。

「本当にこのままでいいの?」
「これがあなたの生きたい人生なの?」

そうした違和感と向き合わずにやり過ごしても、
また人生のどこかで同じ悩みが現れて、
また同じように悩んでしまうかもしれません。

繰り返しになりますが、

人生の大きな方向性が不明確だと
精神的な不調へつながりやすく、
不幸であると感じやすくもなります。

人生に迷うということは、
自分の人生を考え直すチャンスとも
言えるのです。


「人生迷子」なってしまったら、どうしたらいいの?

では、
どのようにして
人生の方向性を見つければよいのでしょうか

これにはいろんな方法があると思いますが、
大きく分けると2つの種類があります。

一つは、
「いろんな価値観に触れる」ことです。

旅に出てみたり、
新しいコミュニティに参加してみたり、
本を読んでみたり、映画を見てみたり、

そうして、いろんな価値観に触れる中で、
相対的に自分の歩みたい人生が
見えてくることがあります。

ただし、
「あれもいいな」「こんな人生もいいよね」
と、結局また迷子になってしまう可能性
否めません。


もう一つは、
「自分の価値観を深掘りする」ことです。

これは、むしろ自分との対話です。

「自分は人生で何を大切にしたいか」
「どういう人生に価値を感じるのか」

そうした問いを自分に投げかけ、
自分の根っこに答えを探していきます

私は、こういった人生の方向性、
人生で大切にしたいこと

テツガクと呼んでいます。

もし、テツガクが見つかったならば、
あなたは「人生迷子」を乗り越えて、
幸福な人生へと一歩を踏み出せます。


とはいえ、
日々忙しい中では、
何かきっかけがないと
こうしたことに時間はとれません。

時間を取ったとしても、
こうした心の根っこの部分は、
1人ではなかなか深掘れないものです。

私、かふぃは
人生迷子を1人でも減らす」ことを目的に
日々、情報発信をしています。

私自身の「人生迷子」の経験と、
哲学や心理学の知識を体系的なノウハウに
まとめたプログラム
も運営しております。

興味のある方は
↓の記事をお読みください!

私自身の「人生迷子」経験については、
↓の記事に書いております。

「人生迷子」を乗り越える方が、
1人でも増えていくことを
願っております。



参考
*1 LinkedIn Corporate Communications, 2017, New LinkedIn research shows 75 percent of 25-33 year olds have experienced quarter-life crises

*2 ダニエル・レヴィンソン(1992)『ライフサイクルの心理学』講談社学術文庫

*3 Boreham ID, Schutte NS. The relationship between purpose in life and depression and anxiety: A meta-analysis. J Clin Psychol. 2023 Dec;79(12):2736-2767. doi: 10.1002/jclp.23576. Epub 2023 Aug 12. PMID: 37572371.

*4 株式会社Awarefy,2021,メンタルウェルネス・アプリ「Awarefy」は、新たに「人生で大切にしたいこと」にフォーカスできる機能をリリース


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