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読書メモ23

111.哲学的な何か、あと科学とか

前読んだ「史上最強の哲学入門」の著者、飲茶さんの本。
「史上最強の哲学入門」がとてもわかりやすく、読みやすくて気に入ったので、別の本を読んでみた。

この本読むまではなんとなく、哲学は答えのないものに立ち向かってるイメージで、科学は実験や理論に基づいて着実に真理に近づいていくイメージだったけど、実際はそんなことないみたい。
科学も原理的に割と限界で、実験結果をどう“解釈”するかってフェーズに来てて、
その解釈を考えるのってまさに哲学、、、って感じですごく面白かった。

あと、「シュレディンガーの猫」ってなんとなく聞いたことあったけど、あれ量子力学の話だったんだ。
てっきり扉開けるまで猫が死んでるか生きてるか確定しない、的な話だと思ってたけど違うみたい。
しかも、シュレディンガー方程式ってのが量子力学の基礎方程式らしいね。
シュレディンガーの猫の話で、バズっただけだと思ってました。シュレディンガーさんすみません。

112.怖ガラセ屋サン

澤村伊智さんのホラー短編集
いろんな角度からの恐怖が描かれていて面白い

この作品に限らず、澤村さんのホラーの面白さって「恐怖とはなんなのか」ということを深く哲学しているのが伝わってきて面白い。

知らないから、怖い。知っているから、怖い。
幽霊などの怪異が怖い。結局生身の人間が怖い。
スピリチュアルな世界にハマっていくのが怖い。
恐怖にはいろんな種類があるけど、種類問わずいろんな恐怖を物語として伝えてくる。

全7話どれも面白かった。
澤村伊智さんは怖ガラセ屋サン。

113.ばくうどの夢

またまた、澤村伊智さんのホラー長編小説。
比嘉姉妹シリーズの中で1番好きかも。
「夢」がテーマの怪異の物語。
悪夢ではなくて良い夢や、こうあったらいいなと現実世界で想う夢などの切り口が面白い。
話の構成も大胆で、夢がテーマであることが活かされてて新鮮だった(自分が知らないだけで王道の構成なのかもしれない)

あと、怪異以外の描写にリアリティがあって怖さが倍増した。都会へ移ったものの上手くいかない人から地元で平凡だけど幸せに暮らしてる人に向けられた感情だったり、ある凶悪事件の犯人に対するネット上の意見のイヤな部分だったり、現実の出来事をしっかり取材して丁寧に書かれてる感じがして怖かった。

読みながら昼寝落ちして、ちゃんとそれらしい悪夢見て普通に怖かった。

114.哲学的な何か、あと数学とか

ちゃんと飲茶さんの本にハマって、読んだ本
先日読んだ「哲学的な何か、あと科学とか」の数学バージョン

数多の天才数学者たちが挑んできたものの、350年間証明されてこなかったフェルマーの最終定理を題材にしている。

フェルマーの最終定理の証明の過程の話はめちゃくちゃドラマチックで激アツ。
最後にワイルズが証明するときには、いろんな過去の偉人たちがワイルズに力を貸しているような、ヒロアカみたいな展開。
この本の方が文章が優しいのでサクッと知りたい方にはおすすめ。(しっかり知りたい方は新潮文庫の「フェルマーの最終定理」がおすすめ)

本を通して1番感じたことは、人生を賭けて何かに取り組むことができるのって本当にすごいことだということ。
ややこしいけど、数学には数学的に証明できない問題があることが数学的に証明されてる。そんな答えの無いかもしれない問題に人生を賭けれる、ある事柄にそれだけ熱中できるって羨ましい。

「幸せとは何か」みたいな問いにも答えはないけど、自分なりの答えを見つけて納得できたとすれば他者から何か言われる事はないけど、数学は他の数学者も納得する必要があるし、正しくないといけないから厳しすぎる世界。いやーマッチョすぎる。

最新の数学の研究って普通に暮らしてても何も恩恵を感じないけど、いつかの未来のタイムマシンとかの発明に大きく寄与するかもだしロマンでいっぱい。
数学への感じ方が少し変わった一冊でした。

115.アウターQ 弱小WEBマガジンの事件簿

澤村伊智さんのミステリー短編連作集
ホラーじゃない作品も面白い

アウターQというWEBマガジンのライターの主人公が様々な事件と遭遇して記事にしていく中で最後いろいろ繋がってクライマックス!という王道な構成の短編集

ホラー味のある展開もあって作者の色が出ててすごく引き込まれた。感が鈍いだけかもだけど伏線を伏線と気付けなくて最後結構びっくりして、読み終わりの満足感も高かった!


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