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読書メモ26

126.とんこつQ & A不思議で不気味で不自然な作品たち 人間らしさから感じる、怖さと切なさ 自分の好きな今村夏子さんの世界観を存分に感じられる作品集でした。 単行本のタイトルにもなっている「とんこつQ&A」では、明るい雰囲気であるのに不気味というか、怪しい宗教や陰謀論をまっすぐ信じてる人たちを見ているような感覚になりました。「あひる」を読んだときに感じた、ゾッと感があって大満足。 自分が思う今村夏子ワールド全開でした。 「嘘の道」は、人間らしさを感じる作品でした。

    • 読書メモ25

      ことしもよろしくおねがいします。 2024年は「最近読んだ本でおもしろいのあった?」という質問に対して、スッと答えられるようにもう少し深く、じっくりと読めるようになりたいです。 いままでよりも少しだけ自分が感じたことを記せるようにしたいです。 121.むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました 日本文化から読み解く幸せのカタチ社会が求める上昇志向、成長志向に疲れてませんか?ありのままを良しとする、日本の文化をヒントにしよう 今回から本の帯をイメージして小見出しを

      • 読書メモ24

        もう年の瀬ですね。 116.ふつう深澤直人がふつうをテーマに綴ったエッセイ集 多様性の時代において、マジョリティなものを普通と定義して話を進めることはあまり好まれない。でも、人間の生活に溶け込んだ、普通の造形、普通のデザインについては改めて考えるのは大切な気がした。 人の暮らしに馴染む道具をデザインしている人は、生活が丁寧というか、じっくりと暮らしてて、落ち着いた視点を持っているような感じがした。 秋岡芳夫さんや宮城壮太郎さんの本を読んだ時も同じことを思った。 インハ

        • 読書メモ23

          111.哲学的な何か、あと科学とか前読んだ「史上最強の哲学入門」の著者、飲茶さんの本。 「史上最強の哲学入門」がとてもわかりやすく、読みやすくて気に入ったので、別の本を読んでみた。 この本読むまではなんとなく、哲学は答えのないものに立ち向かってるイメージで、科学は実験や理論に基づいて着実に真理に近づいていくイメージだったけど、実際はそんなことないみたい。 科学も原理的に割と限界で、実験結果をどう“解釈”するかってフェーズに来てて、 その解釈を考えるのってまさに哲学、、、って

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        • 読書感想文
          36本
        • お笑い
          0本
        • 中日ドラゴンズ
          0本
        • 仕事について(後ろ向き)
          0本
        • 仕事について(前向き)
          0本

        記事

          読書メモ22

          106.CAPCOM e-sports「ストリートファイターリーグ」からみるeスポーツの未来最近スト6がアツいので、読み始めた本 CAPCOMの内部のeスポーツ担当者の方が書いているので、どういうビジネス戦略で結構赤裸々に書かれていて面白い。 ストリートファイターの歴史みたいなパートでは結構ベタ褒めしてて、めっちゃ自画自賛感あった笑 加えて、ストリートファイターリーグのスポンサー企業へのインタビューも収録されていて、それぞれの企業がどういう思いで参入したか結構それぞれで面白

          読書メモ21

          101.ハンチバック市川沙央さんの芥川賞受賞作 audible版を視聴 主人公は作者と同じ先天性ミオパチーという筋肉の病気を患っていて、その視点から見る世界のリアリティが印象的な作品だった。 印象に残ったのは何気ない一文で ちょうどaudibleで聴いていて、やっぱ文字ので読んだ方がいいな、と思っていたところで 本のページを捲るのも誰かの補助が必要な人もいることを再認識した。 audibleとかに関しては、いろんな選択肢があって発展することは良いことだと思う。けど何か

          読書メモ20

          96.挑戦 常識のブレーキを外せ大好きな藤井聡太7冠とノーベル賞受賞の山中伸弥教授の対談本 お二人はこの対談が初対面ではなく、これまで何度も会う機会があったようで、仲が良い感じが伝わってきて嬉しかった。 特に、山中教授から仲が良いからこその素人質問がよかった(電車好きの藤井さんに対して「乗った電車の駅名とかはすべて覚えているんですか?」など) お互い別の分野でトップの活躍をしている中での心構えや人工知能との付き合い方などが主なテーマになっていて、お二方ともしっかり自分を

          読書メモ19

          91.#真相をお話しします本屋で人気ランキングに入ってるのをよく見て面白そうだったので読んだ。 5つの短編ミステリーが収録された1冊 短編だけあって展開も早いし、内容もわかりやすくて、読みやすい。普段あまり本を読まない人にもおすすめできる。 てっきり1冊丸ごと一つの話だと思ってたので、物足りない感じがあったけど、サクッと読めちゃうあたり人気な理由がわかる感じ。 1作品目と5作品目が良かったな。 92.奇跡のフォントサブタイトルを「教科書が読めない子どもを知ってUDデジ

          読書メモ18

          86.母という呪縛 娘という牢獄友人がやっているラジオで紹介されていた本を読んだ。友人の感想を聞いてから読む本は新鮮。 母からの支配の下、医学部合格へ向けて9年も浪人した女性が、母を殺害してしまった事件の経緯を取材をもとに書かれた本 母親は亡くなっているので娘視点が主であるけど、ラジオで友人も言っていた通り、母親は母親で苦しんでいたことが伝わってきた。 この本を読んだ後、人間関係のことについて考えていたけれど、やっぱり家族という関係はかなり特殊だなと。自分では選べないし

          読書メモ17

          81.不便益のススメ 必ずしも、不便=わるいもの 便利=良いもの ではない発想の本 どこでもドアはあったら便利そうだけど、どこでもドアを使った旅行より乗り物を乗り継いだり自分の足で行った旅行の方がオモロいんじゃない?的なこと チート使ってゲームで無双してもすぐ飽きちゃうでしょ。という発想は、便利にするために大切なことを見失わないようにするために重要なことなのかも。 著者は京都大学の川上教授で、人工知能や進化論的計算手法をシステムデザインに応用してきたが、京都大学共生システム

          読書メモ16

          76.差別はたいてい悪意のない人がする:見えない排除に気づくための10章表題の通り、悪意のない差別が生む見えない排除について書かれている。 差別は差別主義者だけの行為ではなくて、自分自身は差別していない、と思ってるような人も気づかずに加担していることが多いのがわかる。 差別について考えないこと、気にしないことが誰かを排除してしまっている。 中でも今まで自分に無かった観点が、「人は自分の持っている特権には気づけない」ということ 例えば自分は駅から自宅までの徒歩10分程度の

          読書メモ15

          71.瞬間を生きる棋士の羽生善治さんの言葉とその頃の写真をまとめた本 若い頃から貫禄ある様子もそうだけど、一言一言が大局観で捉えているような感じがしてすごかった。 コメントで面白いと思ったのが、「将棋は自分が不利になる場面について考え続ける」みたいなやつで、確かに対局中は「そうなったらいいな」の希望的な予測は一切不要でどういう状態になったら良くないか、相手がどう指したら自分は苦しいか、を常に考えているのって大変だな。と。 もちろんポジティブな考え方で過ごすのは素晴らしいけど

          読書メモ14

          66.旅ドロップ江國香織さんの旅にまつわる短編エッセイ集 中でも、海外のラジオを部屋で流すとそこが海外になる話が新しい気づきだと感じて面白かった。 考えてみれば、人は情報の8割以上を視覚から得ているはずなのに残りの2割に満たない聴覚からの情報が雰囲気作りには大切なの面白いよな 例えば、音楽を聴きながらいつもの通勤路を歩くと見てる情景はいつもと一緒のはずなのにまるでMVを見ているような感覚になる。 最近は映画スラムダンクの曲を聴いて出勤することで難敵に立ち向かう俺カッケ

          読書メモ13

          61.スイート・マイホーム神津凛子さんのミステリーホラー作品 年末年始の帰省で妹にオススメされて読み始めた。 ずっと不気味で、みんな怪しくて、なんだか圧迫感がある感じ。 登場するマイホームの暖房の構造だったり、主人公の実家の押入れだったり、暗くて狭いところの描写と、主人公の閉所恐怖症の心情描写がどきどきした。 (ホラー的に良い意味で)モヤモヤが残るようなスッキリしない終わり方でよかった。 62.コーヒーの世界史コーヒーの知識を増やせばもっとコーヒーが美味しくなるかも、

          読書メモ12

          56.ジェイソン流 お金の増やし方厚切りジェイソンの投資方法の本 ちゃんとお金について学んで堅実に資産を増やしましょうってことが書いてある。 ジェイソンさんは仕事では攻め攻めで色んなチャレンジして結果出して、お金に対してはめっちゃ保守的。保守的だからこそ、しっかり勉強して投資して堅実に増やしてる。 お金はあれば、それだけ可能性が広がるし、不安も少なくなるから、投資って大事だと思った。 もっと友達とお金の話とかをして情報共有するべきなんだろうけど、お金の話って胡散臭さがあっ

          読書メモ11

          表紙は京都の紅葉の始まり🍁 51.荒木飛呂彦の漫画術ジョジョの奇妙な冒険の作者である荒木飛呂彦が漫画の書き方を解説する本 世界観やキャラクターの作り方や読者がもっと読みたくなるテクニックなど思ってたよりも具体的なことが書いてあった。 自分の仕事をここまで丁寧に細かく言語化できるのは本当にすごい。 参考にしたいのが、荒木流のアイデアノートで ・自分が良いと思ったこと ・自分とは違う意見や疑問に思うこと、理解できない人 ・怖い出来事や笑える出来事、トラウマになりそうなこと