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【読書感想】百年の藍

今や岡山県は国産のデニムの町として有名ですが、この小説は、ジーンズの国産化に夢を馳せた人々の物語を100年にわたってたどる小説です。

ジーンズの国産化の物語と聞いてプロジェクトXのような話を想像したのですが、この小説はもっとスケールが大きく、関東大震災から太平洋戦争、戦後の復興からベトナム反戦運動に至るまで、ひとつの家族を主役にしながら日本の近現代史を体験するような小説です。「家族」と一言で言うより、家族のような強い紐帯でつながった、さまざまな人々、と言うべきでしょうか。

瀬戸内の空と海の青さと、そして、使えば使うほど味わいがでるジーンズの青さ。

読後には、いろいろな青の美しさが印象に残ると思います。


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