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「地域に根ざす社会科教育」から社会科教育の現在地を考える(9)

おはようございます!
毎週ご高覧いただきありがとうございます!

「地域に根ざす社会科教育」から社会科教育80年を考える とタイトルを設定しましたが、連載を終えるにあたって「社会科教育80年」については考えられていません

今更ながらなのですが、タイトルを「「地域に根ざす社会科教育」から社会科教育の現在地を考える」に修正したいと思います

今後の課題として、本論文で提起した「地域」の視点を、教育実践に活かし、その実証、一般化、更なる理論化をはかるとともに、つねに「地域に学ぶ」主体として、「地域に根ざす社会科教育」創造の一翼を担っていくことを挙げておきたい。」

と、私は「卒業論文」の文末に、これから始まる社会科教師人生の決意を記しました

私は、教員人生を始めるにあたり、

「地域」を社会科教材構成の視点とすることで、子どもの科学的な社会認識育成がはかられるとともに、子どもの人格形成に限りない可能性を与える、と仮説を立てたわけです

地域社会史論」では、

「地域」は、「ここに、生き、住み、働き、学び、闘う」民衆の連帯と自治を内実とするものであり、世界・日本・地域を基本的に一貫する階級的・体制的矛盾の貫徹する場であり、これらの矛盾は、地域に複雑に関連しながら存在するものと捉えられています

それ故に、「地域」は科学的社会認識育成の契機の場であり、その地域社会の矛盾を通じて、地域民衆は人民的に成長する契機を得民主主義の推進主体として成長し、地域社会を創造し、歴史を動かしていくのです

「地域社会史論」における「民衆の人民的成長の過程」の理論を重視し、子どもの人格形成と「地域」の可能性を考察し、子どもの人格形成をはぐくむ視点としての「地域」の概念規定・理論化を試みたつもりです

この実践的な人格形成を通して、子どもたちは、地域の創造主体、延いては、日本の創造主体 ― 主権者 ― へと成長していく、と、教職37年間を終えた現在に至るまで確信しています

今回の前段、最終回 第九回目(9)の内容です

第3節 子どもの人格形成をはぐくむ「地域」の視点の考察
  (1)「地域社会論」の成果と課題に学ぶ「地域」の視点
  (2)子どもの人格形成をはぐくむ視点としての「地域」の提起
おわりに


第3節 子どもの人格形成をはぐくむ「地域」の視点の考察

(1)「地域社会史論」の成果と課題に学ぶ「地域」の視点
 第1節(2)の分析と第2節の考察を踏まえて、社会科教材構成の視点としての「地域」を考察する。
 ア)なぜ「地域」を視点とするのか。
  「地域(地域社会)」は、階級的・体制的矛盾貫徹の場であり、それらの矛盾は、世界・日本・地域と基本的に一貫し、複雑な関連をもって地域に存在する。が、ひとつの事実を丹念に見ていくと、その事実の背後にあるみえない事象が法則的にみえてくる、という契機を内在する。
  「地域(地域社会)」における矛盾の貫徹過程に、地域民衆の人民的成長の契機があり、また、実際に、人民的成長を遂げていく。さらに、地域人民は、民主主義という普遍的価値の推進主体にまで成長する。このような民衆の人民的成長によって「地域(地域社会)」がつねに創造され、歴史を動かしていく。
  上述の「地域」に内在する性格は、既にみたように、子どもの科学的社会認識育成、主体形成、延いては人格形成を促す要因となる。ここに、「地域」を視点に据える意義がある。
 イ)「地域」の視点を教材・授業にいかに活かすのか
  これは、第1節(2)で「地域社会史論」の課題としてふれた点だが、まず、子どもの側に立って、子どもの生活現実に根ざした教材を提示すべきである。すなわち、大人でもみえにくい今日の複雑多様化した社会の課題を子どもに、子どもなりに主体的に、かつ科学的に追究させるのであるから、細やかな教育的配慮が要求される。子どもにも気付きやすい生活環境の変化、あるいは、子どもがひとごとにしてしまわないような、その時代を自分たちの地域のために精一杯生き抜いた人間の姿、などを教材化していく必要があろう。
  また、一時間一時間の授業も、子どもの「人民的成長の過程」の一環として捉え、子どもの全面発達・人格形成の助長に、教師は寄与していかねばならない。

(2)子どもの人格形成をはぐくむ視点としての「地域」の提起
 子どもの人格形成と「地域」の可能性をみてきたが、小論の考察の結論として、「地域」を社会科教材構成の視点とすることは、子どもの人格形成に限りない可能性を与える、ということを提起したい。
 既にみたように、「地域」は、「ここに、生き、住み、働き、学び、闘う」民衆の連帯と自治を内実とするものであった。また、世界・日本・地域を基本的に一貫する階級的・体制的矛盾の貫徹する場でもあった。それ故に、科学的社会認識育成の契機の場であり、それを通して「民衆の人民的成長」が達成される場であった。「地域」が、「民衆の人民的成長の過程」を内在していることは、「地域」を視点として教育内容を構成(64)させた際、学習の過程(科学的社会認識育成の過程)において、人格形成の契機をみ、それに限りない可能性を与えることを意味する。そして、この人格形成を通して、子どもたちは、地域の創造主体、延いては、日本の創造主体 ― 主権者 ― へと成長していくのである。


おわりに

 本論文では、「地域に根ざす社会科教育」の本質を、愛媛近代史文庫の「地域社会史論」に求めて、その「地域」の視点を考察してきた。その理由は、本論文に貫く私の問題意識 ― 教育における子どもの人格形成 ― と、第Ⅱ・Ⅲ章における「地域」の考察、第Ⅳ章第1節で詳細にみた「地域社会史論」そのものの内容を考え合わせてもらえば自ずから明らかになると思う。「地域社会史論」は、広義の意味での「地域に根ざす教育」を追究しているため、教材論までおろす際に飛躍がないように、鈴木・安井両実践の分析・検討をふまえて、「地域」の視点を考察することにした。そして、「地域社会史論」における「民衆の人民的成長の過程」の理論を重視して、子どもの人格形成と「地域」の可能性を考察し、子どもの人格形成をはぐくむ視点としての「地域」の概念規定・理論化を試みたつもりである。
 なお、今後の課題として、本論文で提起した「地域」の視点を、教育実践に活かし、その実証、一般化、更なる理論化をはかるとともに、つねに「地域に学ぶ」主体として、「地域に根ざす社会科教育」創造の一翼を担っていくことを挙げておきたい。
 最後に、本論文の作成にあたり、貴重な時間を割いてご指導いただいた、神戸大学教育学部 大原久和先生、「地域社会史論」に関する文献収集に多大な協力をいただいた、元愛媛大学教授・近代史文庫会長・愛媛県歴教協委員長 篠崎勝先生はじめ近代史文庫の諸先生方に心から御礼申しあげます。


<註> 

(64) この際、社会科教育としての社会科の全体像のなかでの位置づけ、この教科で子どもたちにどのような力をつけるのか、ということが厳しく吟味されなければならない。


1980年代の教育荒廃、学校の「荒れ」は、低学力、落ちこぼれ、自殺、校内暴力、家庭内暴力、非行そしていじめの激化のみならず、おしゃべり「症候群(シンドローム)」も、深刻な問題を教員に投げかけていました

教科研(教育科学研究会)は、雑誌『教育』1985.9 No.457 号で、『おしゃべり「症候群」』の「特集」を組みました

東京大学教授の 汐見 稔幸 氏は、巻頭論文「意味の充満した必然をこそ」で、

さしあたり考えられることは、おしゃべりをしたくなる授業というのは、生徒がいわば授業の主人公として登場していない授業、教師の言葉によって、自らが思考の過程におもわず入り込むようになっていない授業ということであるから、この点で思い切った発想の転換をすることだろう。つまり、授業というのを、教師が知っている真理・真実を何とか生徒に言葉で伝達する場と考える発想をやめて、生徒に思わず身を乗り出したくなるような問いを出し、その解決を生徒一人ひとりにけん命に考えさせる場という発想に切り変えるということだ。

ポイントは、授業を言葉と言葉のぶつかり合いによるきびしい対話的空間へと組織する工夫をしない限り、生徒が主体的に考え、参加する授業にはならないし、おしゃべりという形で抵抗することをやめないだろうということだ。

現象の世界を素材にして、そこに問いを発見する。それをそのまま授業にもち込む。しかし、そのとき、その現象を動かしているより背後の論理を発見させるよう導かない限り、現象の分析学でなく、分析術で終わってしまう。今日の生徒たちの認識に根本的に欠けているのはこの点のように思う。

生徒たちの日常意識のなかに、意味の充満した世界をつくり出さない限り、そしてその意味の背後に、より高次なイギーの世界を発見させていかない限り、日常のおしゃべりのなかで、充実した
沈黙の大切さを味わわせることが不可能だと考えるからだ。

授業という場で、日常現象→問い→主体的解決→より深い世界への参加、という体験をなんとか日常化させない限りおしゃべりの質が変わらないだろうということだ。

汐見先生の当時の教育論は、今日の「保育」は固より、後期中等教育に通ずるものが多くあります

現行「学習指導要領」の要点は、後期中等教育における観点別学習状況の評価、探究的な学び(活動)とカリキュラムマネジメントです

「総合的な探究の時間」では、各教科・科目等で身に付けた資質・能力が存分に活用・発揮されることで、学習活動は深まりを見せ、大きな成果を上げます。そのためにも、教科・科目等横断的な「総合的な探究の時間」を教育課程の中核に位置付け、各教科・科目等との関わりを意識しながら、学校の教育活動全体で資質・能力を育成するカリキュラムマネジメントが求められています

私は校長として、学校全体(全教科科目、教科外教育活動の総て)で、「グラデーションポリシー(ディプロマポリシー)」の共有と実践に取組むことでその実現に努めてきました

さらに、「探究的な学び」を教科・科目で実践すべく「パフォーマンス課題」の研究・開発・実践にも、志ある先生方とChallengeしてきました(note既投稿の拙論をご参照ください)

「パフォーマンス課題」を開発する際には、まず、単元における「本質的な問い」と「永続的理解」を明確的にすることが求められます

「本質的な問い」とは、

・その教科の中核に位置するような「原理や一般化」を看破することを促すような問い
・学問の中核に位置する問いであると同時に、生活との関連から学習の意義が見えてくるような問い
・通常、一問一答では答えられないような問い
・論争的で探究を触発するような問い

です

カリキュラムにおいては、単元を超えて繰り返し問われるような包括的な「本質的な問い」と、単元全体を貫く「本質的な問い」が、入れ子状に存在していると考えられます

「本質的な問い」を問うことで、個々の知識やスキルが関連付けられ総合されて「永続的理解」へと至ることができるのです

「永続的理解」とは、

数年たって詳細を忘れた後でも身に付けておいてほしいような、重要な理解です
「永続的理解」は、学問の中心にあり、新しい状況に転移可能なもので、教室の中だけでなく、生活場面など様々な状況において価値をもつような理解です

例えば、歴史の授業で学んだ出来事の詳細を忘れてしまっても、その出来事が現代社会にどのように影響を与えたかという理解が残ることが永続的理解の一例です

京都大学 西岡 加名恵先生(著, 編集)『高等学校 教科と探究の新しい学習評価』(学事出版 2020)及び
京都大学大学院教育学研究科E.FORUM HP「パフォーマンス評価(用語解説)」   より


京都大学の 石井 英真 先生は、『授業が変わる 学習評価深化論』(図書文化 2023)で、

新学習指導要領では「知識・技能」を使いこなして実社会のリアルな問題を解決していけるような、「生きて働く学力の育成」が強調されています
新学習指導要領は学校外の生活や社会で「生きて働く学力」を育てることを志向しており、そこから授業や評価の在り方を問い直そうとするものです

と述べられています

繋がっているなぁ」 と感じます

子どもたちを何とかしたい、この国の主権者たりうる科学的社会認識をそだてたい、等々

ちょうど40年前 私の学生時代に学んだことが、その本質的な部分で、37年間の教員人生の中核を貫いていて、今日の授業論、学習評価論を学ぶにつき、「先生、そうそう、それなんです!」と思わず何度も頷いてしまいます

私は、初任校で「地理」3単位×5学級を担当しました

専門に近い「日本史」を希望しましたが叶いませんでした(卒論は社会科教育なのですが、「歴史教育者協議会(歴教協)」神戸大学 学生支部の「歴教研(歴史・歴史教育研究会)」に所属し、院生の河合康 さん 大阪大学大学院人文学研究科教授(2024.3退官・現招へい教授)、4回生の市澤哲 さん 神戸大学大学院人文学研究科教授、奥村弘 さん 神戸大学大学院人文学研究科教授 から強い影響を受けて歴史学・歴史教育・国史学(特に近代史)の専門的知見を修得できるべくサークル活動・自主ゼミに励みました)

一旦、「地理」の授業ができる、となれば、多分、どの高校の社会科、地歴公民科でも、なかなか「日本史」の授業を持たせてもらえません
教員養成課程学部出身ではない先生方にとっては「地理」は荷が重い、できれば持ちたくない教科になっているようでした(多分、「系統地理」分野に苦手意識があると思われます)

教諭・首席(主幹教諭)26年間で、希望している「日本史」を持てたのは2年のみでした

地理教育に関しては、教員になってから地教研(地理教育研究会)に入会し、機関誌『地理教育』で学んでいきました


卒論で決意した、教材開発のための「地域の掘り起こし」も本格的にはできず、「地理」の授業では、教育内容を他人事とせず自分の問題として考えられるよう教材開発・自主編成をすることに努めました

教職を定年退職して1年と4か月が過ぎようとしています
家族の事情で再び教壇に立つことは現在叶いませんが、事情が緩和されれば、地元 兵庫県西播地域の高校に非常勤講師として復帰したいと願っています

現場に立っていないので現場の「生」の声、高校生の生活、学びの実態に触れることは叶いません
フレッシュな感性でタイムリーに教育に係る所感や意見、提言を毎週綴っていける環境に早く身を置きたいと願うばかりです

昨年9月より毎週 note に投稿して参りましたが、来週からはこれを努力目標とし、毎回小テーマや仮説を設定して思うところを綴っていきたいと存じます

何かのきっかけで、現場の生徒たちや先生方が幸せになっていくような議論が拡がればと願います

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします


参考文献


○ 社会科教育史

 日本民間教育研究団体連絡会編 『日本の社会科三十年』民衆社1077年

 歴教協編 『地域に根ざす歴史教育の創造』明治図書1979年

 小嶋昭道 『社会教育の歴史と理論』労働旬報社1983年

○ 社会科教育論

 松島栄一 「社会科をめぐる問題」(『歴史教育の歴史と社会科』青木書店1947年)

 高橋磌一 「社会科の壁を破るもの」(『新しい歴史教育への道』あゆみ出版1948年)

 梅根悟 『新教育と社会科』河出書房1948年

 高橋磌一 『新しい歴史教育への道』誠文堂新光社1949年

 上田薫 『社会科の理論と方法』岩崎書店1952年

 梅根悟 「戦前における社会科」(『現代教育学 社会科学と教育Ⅰ』岩波書店1961年)

 勝田守一 『戦後教育と社会科 勝田守一著作集第1巻』国土社1972年)

 佐藤伸雄 『戦後歴史教育論』青木書店1976年

 日本民間教育研究団体連絡会編 『社会科教育の本質と学力』労働旬報社1978年

 川合章 『社会科教育の理論』青木書店1979年

 遠山茂樹 『歴史学から歴史教育へ』岩崎書店1980年

 本多公栄 『社会科の学力像』明治図書1980年

 田中武雄 『戦後社会科の復権』岩崎書店1981年

 秋葉英則・臼井嘉一編 『社会科教育の理論と実際』国土社1981年

 臼井嘉一 『戦後歴史教育と社会科』岩崎書店1982年

 大槻健・臼井嘉一編 『小学校社会科の新展開』あゆみ出版1982年

 大槻健・臼井嘉一編 『中学校社会科の新展開』あゆみ出版1983年

 日本民間教育研究団体連絡会社会科研究委員会編 『社会科教育実践の歴史 中学・高校編』あゆみ出版1984年

 本多公栄 『社会科教育の理論と実践』岩崎書店1984年

 石井重雄 『地域に学ぶ社会科』岩崎書店1985年

 木全清博 『社会認識の発達と歴史教育』岩崎書店1985年

 文部省 『学習指導要領』昭和22年(1947年)度版

 民教協社会科研究部会編 『社会科教育に関する討論報告』1948年2月

 中央教育課程検討委員会 「教育課程改革試案」(『教育評論』1976年5・6号)

 文部省 『高等学校学習指導要領解説 社会科編』1079年

○ 教育全般

 『解説教育六法』三省堂1984年

 国民教育研究所編 『近代日本教育小史』草土文化1983年

 船山謙次 『戦後日本教育論争史』東洋館出版社1958年

 大田堯 『戦後日本教育史』岩波書店1978年

 堀尾輝久 『現代教育の思想と構造』岩波書店1971年

 堀尾輝久 『教育の自由と権利』青木書店1975年

 堀尾輝久 『現代日本の教育思想』青木書店1979年

 堀尾輝久・兼子仁 『教育と人権』岩波書店1977年

○「地域」概念・理論

 愛媛近代史文庫編 『愛媛資本主義社会史第一巻』近代史文庫1968年

 愛媛近代史文庫編 『愛媛資本主義社会史第二巻』近代史文庫1972年

 愛媛県歴教協編集・発行 『みんなでつづる地域社会史論』1973年

 『愛媛近代史研究』近代史文庫機関紙(1963年1月創刊)

 篠崎勝 「地域社会史論考綴(その1~その10)」(『愛媛近代史研究』29号1976年5月~42号1982年6月)

 篠崎勝 「戦後愛媛の動きと地域社会史論」(同上、47号1983年8月)

 篠崎勝 「地域社会史論のすすめ」(高橋磌一監修『歴史学入門』合同出版1981年)

 森谷宏幸・藤田尚充・谷口雅子 「歴史教育者協議会の歴史教育研究における<地域>の問題」(『福岡教育大学紀要Ⅱ 社会科編』1976年)

 森田俊男 『地域の理論 森田俊男教育論集第2巻』民衆社1976年

 森田俊男 『地域に根ざす国民教育 森田俊男教育論集第4巻』民衆社1976年

 森田俊男 『地域 ― 統治能力と人間性の形成』民衆社1979年

 上原専禄 「世界・日本の動向と国民教育 ― 地域における国民教育の研究をすすめるために ー」(国民教育研究所『年報』1963年)

 梅根悟 「地域・民族・国家・人類」(『教育を国民とともに』1967年度民研レポート)

 宮原誠一 「地域 ― その自然の意味」(同上)

 勝田守一 「人間の形成とその認識について ー 『地域』概念解明覚書 -」(同上)

 森田俊男 「地域―その歴史的考察」(『季刊国民教育』2・3号)

 剣持清一 「地域に根づく教育研究運動 ― 『全面発達論』ノート」(同上、12号)

○ 「地域」と社会科教育実践

 今井誉次郎 『農村社会科カリキュラムの実践』牧書店1950年

 無着成恭 『山びこ学校』青銅社1951年

 金沢嘉市 「歴史教育」(『岩波講座 教育第五巻』岩波書店1952年

 相川日出雄 『新しい歴史教育』国土社1954年

 市川真一 『地域の歴史研究と歴史教育』明治図書1970年

 加藤文三 『石間をわるしぶき』地歴社1973年

 安井俊夫 『子どもと学ぶ歴史の授業』地歴社1977年

 鈴木正気 『川口港から外港へ』草土文化1978年

 安井俊夫 『子どもが動く社会科』地歴社1982年

 鈴木正気 『学校探検から自動車工業まで』あゆみ出版1983年

 紺野紀子 『地域に根ざす平和教育』地歴社1983年

 松戸歴教協編 『主権者を育てる社会科教育』地歴社1983年

 安井俊夫 『学びあう歴史の授業』青木書店1985年

 桑原正雄 「郷土教育と地理教育」(『歴史地理教育』3号1954年10月)

 関根鎮彦 「郷土教育と地理教育」(同上3号)

 桑原正雄 「戦後の郷土教育(二)」(同上19号1956年7月)

 半沢光夫 「歴史教育と郷土学習」(同上21号1956年9~10号)

 福田和 「郷土教育の諸問題」(同上31号1958年1~2号)

 なかのすすむ 「“郷土教育について”私はこう考える」(同上31号1958年1~2号)

 木村博一 「社会科教育と郷土学習」(同上115号1965年12月)

 三好昌文 「地域社会の歴史教育」(同上115号1965年12月)

 古谷直康 「地域社会史の提起」(同上149号1968年11月)

 篠崎勝 「地域社会史論の理論と課題」(同上154号1969年4月)

 鶴田文史 「地域史研究方法論」(同上154号1969年4月)

 鶴田文史 「地域史研究方法論Ⅱ」(同上155号1969年5月)

 飛岡久 「人民の北海道史」(同上160号1969年10月)

 山下性太郎 「昭和初期香川の民間教育運動」(同上160号1969年10月)

 安井俊夫 「北総開拓農民の歴史」(同上160号1969年10月)

 佐藤誠郎 「山形県における地域人民のたたかいの歴史」(同上160号1969年10月)

 佐々木理 「堰と農民」(同上160号1969年10月)

 市川真一 「地域史研究と歴史学習」(同上160号1969年10月)

 岩本努 「地域史分科会の成果と課題」(同上160号1969年10月)

 寺沢茂 「東京をどう教えるか」(同上177号1971年1月)

 佐々木皓一 「地域社会史の観点」(同上177号1971年1月)

 川崎利夫 「地域分科会討論のまとめ」(同上177号1971年1月)

 大川武美 「月形村小作争議の掘りおこし」(同上193号1972年2月)

 代田毅 「副読本『わたしたちの東京』批判」(同上193号1972年2月)

 川合義博・三好敏明・高橋守 「室蘭市における独占支配と地域開発」(同上193号1972年2月)

 玉上陸郎 「住民運動と地域社会」(同上193号1972年2月)

 武藤清一 「地域分科会第1分散会討論のまとめ」(同上193号1972年2月)

 小池喜孝 「不屈の闘志井上伝蔵を追って」(同上193号1972年2月)

 鶴巻宏史 「ある農民の歴史」(同上193号1972年2月)

 榎森進 「地域史と市町村史」(同上193号1972年2月)

 印旛支部 「成田空港問題」(同上193号1972年2月)

 市川真一 「歴史教育の自主編成と地域の歴史」(同上193号1972年2月)

 小山務 「地域分科会第2分散会討論のまとめ」(同上193号1972年2月)

 島上皓 「地域分科会討論のまとめ(総括)」(同上193号1972年2月)

 安井俊夫 「松戸農民の歴史」(同上193号1972年2月)

 安井俊夫 「なぜ地域の歴史を掘りおこし実践するのか」(同上195号1972年4月)

 川崎利夫 「地域を原点として ー 安井報告をよんで」(同上201号1972年9月)

 日笠俊男 「安井報告をよんで」(同上201号1972年9月)

 鶴田文史 「地域史教育の方法と実践」(同上205号1972年11月)

 古谷直康 「柳田国男の『郷土論』」(同上205号1972年11月)

 滝山幹彦 「大分における地域史の教材化と文化財を守る運動について」(同上205号1972年11月)

 佐々木皓一 「『地域』分科会討論のまとめ」(同上205号1972年11月)

 石井重雄・小池喜孝・鈴木義治・中沢一朗・本多公栄 「民権運動と地域のほりおこし」(同上223号1974年4月)

 千葉県歴教協 「地域の掘りおこしをめぐって」(同上226号1974年7月)

 山下国幸 「同心円的拡大主義五つの誤り」(同上241号1975年9月)

 古谷直康 「『地域の掘りおこし』はどこまできているのか ー 『地域』分科会の歩みからの管見―」(同上266号1977年8月)

 歴教協神戸大学支部 「神戸事件掘りおこしの教材化研究」(同上266号1977年8月)

 小松良郎 「地域の掘りおこしと歴史教育」(同上301号1980年1月)

 玉川陸郎 「地域社会史論と近代史文庫会館建設運動」(同上301号1980年1月)

 大野一夫 「子どもがわかる授業と地域の掘りおこし ー 千葉県歴教協の活動を整理して」(同上301号1980年1月)

 半沢光夫 「父母(ママ)と歴史サークルをつくって十年目 ― 足(マ)で(マ)見つけた地域の歴史」(同上301号1980年1月)

 小池喜孝 「民衆史掘りおこし運動と北海道歴教協」(同上301号1980年1月)

 小池喜孝 「自由民権百年から民衆史運動へ」(同上326号1981年10月)

 安井俊夫 「スパルタクスの反乱」(同上348号1983年3月)

 藤岡信勝 「社会認識教育論ノート1~6」(同上350号1983年4月~356号1983年9月)

 一戸富士雄 「東北の大地をふまえて ー われわれの地域教育論」(同上364号1984年3月)

 篠崎勝 「“私の地域社会”をつかむ住民の地域社会史学運動 ― 愛媛近代史文庫の実践から ー」(同上364号1984年3月)

 石井重雄 「風布に学ぶ ー 困民党掘りおこし・その一端の報告 ―」(同上369号1984年7月)

 古谷直康 「“発見する日本史”の授業」(同上376号1984年12月)

 半沢光夫 「地域を掘る ー はじめて着任した学校で ー」(同上376号1984年12月)

 神戸大学教育学部 斎藤・土屋研究室編集・発行 『子育てと教育を地域に根ざして ー 府中小の教育実践に学ぶ ー』1984年

 神戸大学教育学部 土屋研究室編集・発行 『現代日本の教育と生活綴方 ― 恵那の生活綴方に学ぶ ー』1985年

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