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仏発エンジニア養成機関「42 Tokyo」のカリキュラムに入っているゲーミフィケーションとは? ~日本ゲーミフィケーション見聞録vol9

6月22日 東京六本木に、仏発エンジニア養成機関「42 Tokyo」(フォーティートゥー トウキョウ)が開校した。先生はおらず学生同士が学びあう環境で「問題解決力」を育成する、コロナ禍でオンラインにも対応した。
https://42tokyo.jp/

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その革新的な教育カリキュラムと、生徒らのやる気を高めるゲーミフィケーションの仕掛けについて、長谷川文二郎氏(一般社団法人42 Tokyo 事務局長)にインタビューしました。
本協会の原、田中も参加。

エンジニアにとって一番重要な「問題解決力」を育成

「42 Tokyo」は、学費無料・24時間365日オープンのエンジニア養成機関で、その運営は寄付によって賄われている。第1期生として、1ヶ月にわたる入学試験を経て選ばれた、187人が入学した。

「42」は、フランスの実業家が2013年に設立。2016年にはシリコンバレー校を設立し、Tokyoは16ヶ国目。長谷川氏は、フランス校で入学試験を経て半年間学んだあと、東京校の設立させた。

その教育カリキュラムは、プロのエンジニアにとって一番重要な「問題解決力」を育成させることを目的としている。従来型の先生のいる授業や講義の学習型ではなく、課題に対して自分で調べ、他の生徒に聞き、考えることを繰り返す。

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カリキュラムに用いられているゲーミフィケーション

長谷川氏が初めに見せてくれた「カリキュラムマップ」は、人気RPG『ファイナルファンタジー』に登場するスフィア盤の様でした。全体マップの中で自分のいる位置が分かる。課題を達成することでクリアポイントが広がっていくことにより、生徒のやる気を高める。ゲーミフィケーション6要素の<成長の可視化><達成可能な目標設定><能動的な参加>が盛り込まれていた。

報酬系として、カリキュラム内の「コイン」があります。コインは、トロフィーを集めたり、コンテストで優秀な成績を収めたりすると貰えます。このコインで、実際に着れるオリジナルパーカー、勉強会チケットやカスタマイズドタイトル等を購入できます。
もっと細かく説明すると、「レビューコイン」は、課題をクリアするためのレビューに必要になります。これは、他生徒のレビューをすると稼ぐことができます。これによって、生徒同士が学びあう「ピア・ラーニング」方式を実現する。人に説明する力や、知らなかった知識や思考を身に付けることができる。
「トロフィー」は、カリキュラムが期待する行動に対して生徒に与えられ、<成長の可視化><称賛の演出>を盛り込んでいる。トロフィーの中に、コインが付与されるものもあり、トロフィーを集めていくとコインが稼げます。

全体で言うと「42カリキュラム」の、「問題解決力」を身に付けるという目標自体が、ゲームともいえる。生徒は、自己の掲げたゴールを目指して、課題をクリアしていく。情報を集め、仲間と協力し、自分で攻略法を考える。これは、ロールプレイングゲームの主人公(勇者)の行動と同じである。<能動的な参加>により、ゴールに向かわせることが大切である。

まとめると、「42カリキュラム」の様々な所にゲーミフィケーション6要素を見いだせる。
<能動的な参加> カリキュラムマップ、コイン、トロフィー、問題解決力を身に付ける
<達成可能な目標設定> カリキュラムマップ、レビューでコイン
<称賛の演出> トロフィー
<即時フィードバック> デジタルなので様々な結果がすぐに反映される
<成長の可視化> カリキュラムマップ、トロフィー
<独自性の尊重> プログラムは自流でも良い(ただし他人に説明できる必要がある)、カリキュラムマップ

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おまけですが、お金がない中クラウドファンディングを使って四国遍路に行ったり、フランスの42に留学したり、「42 Tokyo」を立ち上げたりと、長谷川氏の人生自体がPRGの主人公の様なゲーミフィケーションだと思った。

今後、「42 Tokyo」のエンジニア養成カリキュラムがどのような人材を育成していくのか、用いられているゲーミフィケーションがどのような効果を生むのかに、本協会は注目していきます。
(おわり)

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執筆:岸本 好弘(日本ゲーミフィケーション協会 代表賢者Lv98)
https://jgamifa.jp/

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