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心裡留保・虚偽表示どう覚える?(民法)

民法の試験勉強で必ず出てくる
錯誤・詐欺・心裡留保・虚偽表示など
意思表示に関する問いについて

ごっちゃになってしまって中々覚えにくいので、
自分なりの理解の仕方、覚え方をまとめてみました。

心裡留保

イメージは、
心理留保=冗談です。

冗談で言ったことを相手が信じてしまって、
取引きや契約を行うことになったような場面になります。

例えば、
飲みの席で先輩Aが
A「この100万円のロレックスの腕時計、ゲームに勝った人に100円で売ってあげるわ」
と冗談で言ったセリフを間に受けた後輩Bがゲームに勝った後に
B「100円で売ってくれるって言ったじゃないですか!!」
と言い出した
みたいな状況が心裡留保の現場と言えます。

冗談で言った内容は有効?無効?
冗談だと知っていた(売る意思がないと分かっていた)
または
冗談だと知ることができた(売る意思がないと十分判断できる状況だった)
場合には無効です。

さっきの例だと、
先輩Aの発言は冗談だと分かるような場面なので
契約は無効と言えるかと思います。

第三者がいるケース
100円で売ってもらえると信じてしまったBが
勝手にその腕時計を友人Cに10万円で売る契約を結んでしまった場合、
この契約も無効になるのでしょうか?

結論、この契約は「有効」です。

よって先輩AはCに対して、
「そもそも売る話は冗談だったんで、そっちの話もナシで」
とは言えないのです。
(AはCへは対抗できない)

※CがAとBの状況を把握していた場合には無効です。

では上記の例の場合、
腕時計はどうなるのか??

A:Bへ売る話(冗談)は無効だが、腕時計はCが持つ権利あり
B:Aとの話は無効だが、Cへ腕時計を売る義務あり
C:腕時計を取得する権利あり

なので、
「腕時計はA→Cの所有となり、
同等の腕時計の購入費をAはBへ損害賠償請求をする」
とか、
「腕時計はAの所有のままとなり、
Bは同等の腕時計を自前で調達してCへ10万円で売る」
みたいな着地になるのかなと思います。

虚偽表示

イメージは、
虚偽表示=詐欺の共犯です。

例えば、
裁判所から不動産の差し押さえ命令を受けたAが、
その差し押さえを逃れるために、
(知人Bと口裏を合わせて)
不動産をBへ売却する契約を締結するようなことです。
(実質的な所有者はAのまま)

虚偽表示による契約は無効?有効?
虚偽表示による取引きは無効となります。

お互いが通謀しているのが虚偽表示なので、
相手方を保護する必要が無いからです。

というか、
実質的な効力は無いとお互いが認識している
見せかけの契約なので、
そもそも存在しない(無効)ということです。

第三者がいるケース
AとBの当事者間では当然に無効ですが、
Bに権利があると信じてしまった第三者Cが
不動産を購入してしまった場合、
この契約も無効になるのでしょうか?

結論、この契約は「有効」となります。

Aと共犯Bは、観念してCへ不動産を引き渡すしかありません。

※CがAとBの状況を把握していた場合には無効です。



錯誤・詐欺・強迫については
次の投稿で書いていきます🙋‍♂️

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