【400字の独りごと】 嘲笑をかう
嘲笑をかう
ことばが、からだの中に溜まり、澱んで、不安定になる。
吐き出してしまいたいものと、秘めておかなければならないものがごちゃ混ぜになって、うまく息ができない。
ペンを持つ手は震えている。この指先は、いま、何を書こうとしているのだろう。どんな汚い言葉を書き殴ろうとしているのだろう。
箍(たが)が外れてしまわないよう、何度も深呼吸する。
閉じたまぶたに、髪をかきむしり大声でわめく自分の姿が映る。しかし、狂気をとりかこむ世界はあまりにも穏やかで、あたたかく、闇