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経済に関するメモ(15) 【行動経済学】

本メモは経済の基礎的な内容に関するメモです。


1. 認知 16項目

1-1. 行動経済学
…経済学の考えに心理学の知見を取り入れて人間の実際の意思決定行動を分析する


1-2. 経済学における人間
…ホモ・エコノミカス、合理的、感情はなくひたすら利益を追求する
→アノマリー、合理的に説明できない事象、例外
→行動経済学、人間を合理的な存在として考えるのではなく時に非合理的な存在として考える


1-3. 社会脳仮説
…集団の中でうまく振る舞えるよう人の脳を発達した


1-4. ダンバー数
…繋いでおける人間関係は 5人→15人→50人→150人


1-5. 実効性比
…繁殖の準備ができているオス・メスの比率
→男性の実効性比が高い、女性は出産がある
→女性をめぐる競争が生まれる、女性は男性の経済力で選り好みできる、
男性は勝者はたくさん子孫を残せて敗者は残せない
→レッキング、男性は自身の優秀さを見せびらかして女性の気を引こうとする、経済力など
→男性はリスク追求的、女性はリスク回避的


1-6. トリスヴァース・ウィラード仮説
…経済力のある家では男性に賭ける、経済力のない家では女性に賭ける


1-7. リバタリアン・パターナリズム
…人間が持つ選択の自由を制限することなく特定の選択肢に選択できるよう誘導する


1-8. ナッジ
…行動経済学を活用して人々をいい方向に導けるようつついて気づかせる


1-9. システム 1
…人間の直感に関わる認知機能、判断スピードが速い、感情的・無意識的


1-10. システム 2
…人間の論理に関わる認知機能、判断スピードが遅い、感情抑制的・意識的


1-11. 認知
…知覚→システム 1→システム 2→判断
→システム 1 の誤った直感的判断をシステム 2 で修正しきれない時に認知バイアスが生まれる

→インターネットの世界の影響で直感的・情緒的・感情的なシステム 1 に支配される
→言語・数字・ビジュアライズを自分で使えない
→プロジェクト能力は最低レベル、プロセスの定義がなく無秩序、優秀なメンバーに依存する


1-12. 認知バイアス
…勘違い、判断の偏り
→脳が作業を単純化させることで生じるバグ、ストレスを蓄積させる原因

→誰にでもある、太古の時代から生き延びるのに必要だった、自然淘汰される


1-13. 認知バイアスが働いている人の説得
❶問題意識・懸念を聞いてそれを尊重し共感する
…問題・懸念があれば聞きたいです、なるほど

❷自分が実現したいことの背後にある知識・経緯を共有する
…最近〜について本を読んで学んでて役立つ発見がたくさんあるんですよね

❸知識がどのように役に立つかを説明する
…〜のなかで〜という考えがあってその問題・懸念を払拭するのに役立つと思うんですよね

❹一緒に取り組むことを提案する
…一緒に〜の知識を使ってその問題・懸念を払拭してみたいです、〜の知識を一緒に学びましょう

❺プライドを尊重する
…その中でもあなたの経験・知識は非常に重要だと思います、あなたの経験・知識に〜の知識が加わればその問題・懸念を効果的にに払拭できると思います、それはあなたにしかない知識になると思います、もしよかったらそれも私に学ばせてください

→自分が実現したいこと・変革したいことに知識が伴ってないといけない、
知識がないと好き嫌いで判断しているだけ


1-14. 因果関係などない
…脳の錯覚、相関が強いと勝手に因果関係があると解釈する
→科学が証明できることは相関関係だけ、A が変化すると B も変化する
→統計は相関の強さを扱うツール、因果を証明するツールではない


1-15. バイアスの盲点
…自分がバイアスにかかっていることを認識できない
→メタ認知が必要


1-16. メタ認知
…自分の認知活動を客観的に捉える


2. 自己認識 9項目

…自分の評価を気にして他人の行動に注目する
→太古の時代から集団を維持して生き延びるために最適化された DNA

2-1. 場の理論
…人間は個人の特性だけでなく周りの環境にも影響を受けて行動すると考える理論


2-2. 自伝的記憶、記憶の蓄積が基礎となる
→自己認知、内省により自分の能力・正確・興味を評定、自分という概念を形成
→自己提示・印象形成、容姿・声・身振り・地位から特定の印象を社会に与える
→社会的フィードバック、社会に評価される、評価を自己認知にフィードバック


2-3. 認知的不協和
…理想と現実の間に負のフィードバックが発生すると自分を強く正当化してしまう傾向


2-4. コンフリクト
…認知的不協和に陥った場合に身動きが取れなくなる
❶接近・接近、一方はできるけどもう一方ができなくなる、トレードオフ
→正の誘発性を強化、コスパ、差別化

❷接近・回避、したいけどできない
→負の誘発性を打ち消す、負け惜しみ

❸回避・回避、したくないけどもう一方ができなくなる
→正の誘発性を追加、〜もできる


2-5. 自己評価維持モデル
…心理的距離が近い人間がうまくいっている時の自己評価
❶反映過程、自分に関係ない領域では自己評価が上がる
❷比較過程、自分に関係ある領域では自己評価が下がる
→❷では認知的不協和が発生

→自己防衛、領域の関係度・心理的距離を調整して認知的不協和を解消し自己評価を維持する
❶下方比較、自分よりも劣る人間と比較して精神的安定を図る
❷セルフハンディキャッピング、不利な状況をあえて作り出す
❸抑圧、不快な現実を締め出す
❹合理化、負け惜しみを言う
❺置き換え、抑圧された情動を他の対象に向ける
❻逃避、現実から背を向ける
❼反動形成、本心と反対の行動をとる
❽補償、他の方法で劣等感を補う


2-6. 劣等感バイアス
…自分の能力・業績を過小評価して判断をしてしまう傾向
→プロジェクトにおいて最もネガティブな影響を及ぼす認知バイアス

→自己評価の歪みから自信喪失・不安・ストレスなどのネガティブな感情を生じさせる
→他人の欠点に敏感になりやすい、ネガティブな感情を伝染させる
→日本人は謙虚さが多んじられるため劣等感バイアスに陥りやすい

→劣等感バイアスの克服
❶自己受容、過去の失敗・自分の短所だけでなく過去の成功・自分の長所にフォーカスする、否定をせずに全て受け入れる
❷他人と比較しない、比較は劣等感を招くため行わない、
自分の価値を信じて独自のペースで成長・目標達成を目指す
❸解決志向を取り入れる、自分の強み・長所にフォーカスし自己効力感が向上する、ストレスも軽減される


2-7. 内的帰属
…個人の特性の中に原因を追求すること


2-8. 外的帰属
…周りの環境の中に原因を追求すること


2-9. 行為者・観察者効果
…他人の行動は内的帰属を重視し、自分の行動は外的帰属を重視して判断をしてしまう傾向
→他人が大声をあげているのを見た時はその人のせいだと思う、
自分が大声をあげている時は自分のせいだと思わない

→裏切り者検知、不正な行動に注目する時間は不正ではない行動に注目する時間より長くなる


3. 集団認識 8項目

…自分の評価を気にして他人の行動に注目する
→太古の時代から集団を維持して生き延びるために最適化された DNA

3-1. 集団凝集性
…個人を組織に留めさせようとする力
❶課題達成的凝集性、共有する魅力的な目標があれば留まる
❷対人凝集性、時間を共有することで互いに信頼できれば留まる


3-2. 単純接触効果
…接触回数が増えれば好きだと判断をしてしまう傾向

→生物は安全な物体・生息環境とそうでないものを区別できる、
社会との繋がりの最もプリミティブな形
→集団の基礎、心理的安全性・社会的安全性の基盤
→親しく接する人には何かをしてあげようという気になる
→視線のカスケード、好きだと判断する前に好きなものに対して視線が偏ってしまう現象


3-3. 近接性バイアス
…定期的に会う・直接会う時間が長い人と友情・愛情を持ちたいと判断をしてしまう傾向

→第一印象・相性が悪い場合は上位の目標が必要


3-4. 内集団バイアス
…自分の所属する集団をひいきして判断をしてしまう傾向
→集団的葛藤、共通する上位の目標を設定することで解消できる


3-5. 外集団的均質性効果
…自分の所属する集団のメンバーは個性的で、
外の集団のメンバーは誰でも同じように見えると判断をしてしまう傾向


3-6. 同調バイアス
…多数派の意見に合わせて判断をしてしまう傾向
→集団浅慮、トップの間違った判断を修正できない
→集団極性化、判断の内容が極端になる
→いいねと賛同してくれる人がいることで妥当性を確認、
そのあとは集団内で目立つことを目的に極端な主張をする


3-7. 権威バイアス
…権威的な人の意見を過度に信じてしまう傾向
→プロジェクトにおいて変革を最も阻害する認知バイアス

→上位者の指示を待ってその指示が正しいかどうかは考えない、問題・リスクが見逃される、義務的思考が作られる

→権威バイアスの克服
→アサーティブ、自己主張をしつつ相手と対等な関係を保ちながらコミュニケーションを行う
❶メンバーの視点を理解する、相手が何を求めているか・何を優先しているかを理解する
❷メンバーに対して尊重を示す、怒りを表情に出さない、攻撃的な口調で話さない
❸ポジティブな表現を使う、メンバーの反発を和らげる
❹アイメッセージを使う、私は~、メンバーに責任を押し付けずに自分の感情・考えを伝える


3-8. 群衆の知恵
…互いの知識に影響されずに自分で判断しそれを集めれば個人の判断より優れた判断ができる
→ただ人が集まれば良いのではない


4. ヒューリスティック

…直感的判断

利用可能性ヒューリスティック

…思い浮かびやすい情報を元に判断をしてしまう傾向
→受動喫煙で亡くなる人と交通事故で亡くなる人はどちらが多いか?
→正解は前者、ほとんどの人は後者と答える、交通事故のニュースを目にすることが多いため

4-1. アンカリング効果
…先に認識している出来事・数字が強く印象に残ってそれを基準に判断をしてしまう傾向

→携帯電話の下3桁を思い出す、平等院鳳凰堂が建立した年は何年か?
3桁の番号より前か後か?
→1053年、3桁の数字が小さい人は小さく答える、3桁の数字が大きい人は大きく答える


4-2. 初頭効果
…最初に認識した出来事・数字に影響を受けて評価を判断をしてしまう傾向


4-3. クライマックス効果
…最後に認識した出来事・数字に影響を受けて判断をしてしまう傾向
→ウイルスに感染する確率は10000分の1、99%の確率で感染を特定できる、
1%の確率で非感染者を感染者と判断、感染者と診断された場合に感染している確率は?
→1%にも満たない、ほとんどの人は99%と答える


4-4. ドアインザフェイス
…大きな頼み事をした後に小さな頼み事を受け入れるように説得する


感情ヒューリスティック

…感情に左右されて判断をしてしまう傾向

4-5. ハロー効果
…突出したある一部分での判断に影響を受けて全体の判断をしてしまう傾向

→ふとした行動で恋愛が冷めてしまう


4-6. 返報性の原理
…何かをしてもらうと何かお返しをしないといけないと判断をしてしまう傾向

→無料で何かしてもらう、無料で何かしてもらったからお返しする


4-7. アイヒマン効果
…権威のある人間に服従して判断をしてしまう傾向
→責任転嫁できる


4-8. フットインザドア
…小さな頼み事を受け入れてもらった後に大きな頼み事を受け入れてもらうよう説得する


4-9. プライミング効果
…認識した情報に無意識に影響を受けて判断をしてしまう傾向
→ネガティブを連想する言葉・行動を目にした後はネガティブな評価


4-10. サブリミナル効果
…認識できない情報に無意識に影響を受けて判断をしてしまう傾向
→ネガティブを連想する言葉を認識できない速度で表示された後はネガティブな評価


代表性ヒューリスティック

…物事が持つ代表的な面を元に偏った判断をしてしまう傾向

4-11. ギャンブラーの誤謬
…ある出来事の発生頻度が高いとその後にはその出来事の発生確率が低くなる、逆にある出来事の発生頻度が低いとその後にはその出来事の発生確率が高くなる、と判断をしてしまう傾向

→ルーレットで赤が出る確率が高いのは?
❶赤黒赤赤赤赤
❷赤黒赤黒赤黒
❸黒黒黒黒黒黒
→どれも同じ、ほとんどの人は❸と答える


4-12. 少数の法則
…サンプル数が少ないことを無視して一般化し偏った判断をしてしまう傾向

→元カレが2人とも浮気した、男はみんな浮気をするものなのか?
→サンプル数2なのでなんとも言えない、ほとんどの人は浮気をするものだと答える、答える人間が自分と周りの経験を元にしてもサンプル数は限られる
→平均への回帰、サンプルが増えるにつれて平均に向かう


4-13. 連言錯誤
…1つのことと2つが重なったことを比較したとき後者の確率が高いと判断をしてしまう傾向

→東大でプログラミングを学んで首席卒業、菜食主義で環境問題に精通、どんな職業か?
❶プログラマー
❷銀行員
❸プログラマーで環境保護活動家
→❸である確率は❶である確率より低い、ほとんどの人は❸の可能性が❶より高いと答える


4-14. ピーク・エンド効果
…全体の印象は感情が最も高まったときの印象・最後の印象だけで判断してしまう傾向
→短期的な強い喜びを好み短期的な強い苦痛を嫌う、
長期的な弱い喜び・長期的な弱い苦痛は記憶されにくい
→人の幸せは連続した全人生の幸せの合計ではなく印象的な一瞬の幸せの合計で決まる
→一瞬の幸せを求める


シミュレーションヒューリスティック

…現実に反した状況を想像しその影響をうけて判断をしてしまう傾向
→メンタルアカウンティング、人間は心の中で利益・損失の計算をしている
→あっちに並べばよかった、悔しさ・イライラ、サンクコストによる反実感情に囚われる

4-15. サンクコスト効果
…これから支払うコストより既に支払ったコストを重視して判断をしてしまう傾向

→サンクコストを忘れることで将来性のない計画から撤退できる
→今やってることをやってないとして、それを今からお金を出してやるかを考え、Noであればすぐに捨てる


4-16. モラルハザード
…リスク回避の仕組みがあるためにリスク回避を怠って判断をしてしまう傾向


4-17. フリー効果
…無料だと損失の計算をしなくて済むため惹かれて判断をしてしまう傾向


確証ヒューリスティック

…直感で正しそうな答えを見つけるとそれに固執して思考停止して判断をしてしまう傾向

4-18. 正常化バイアス
…自分に都合の悪い情報を無視・過小評価して判断をしてしまう傾向

→最悪の出来事も日常生活の延長上の出来事として捉える、
まだ大丈夫、前例はない、今回は大丈夫、自分は大丈夫


4-19. 自己高揚バイアス
…自分を本来の自分より良いものだと判断をしてしまう傾向


4-20. 自己奉仕バイアス
…自己に対する評価を甘く判断をしてしまう傾向


4-21. レイク・ウィービゴン効果
…自分は平均より上だと判断をしてしまう傾向


4-22. ダニング・クルーガー効果
…知識・技術がない人ほど自分の能力を過信して判断をしてしまう傾向


4-23. 社会的望ましさのバイアス
…自分をよく見せるように判断をしてしまう傾向


4-24. スポットライト効果
…多くの人が自分を見ていると勘違いして判断をしてしまう傾向


4-25. 結論バイアス
…結論に安易に飛びついて判断をしてしまう傾向

→3、6、12、次に来る数字は?
→条件で異なる、24(2 をかけていく)、15(フィボナッチ数をかけていく)、
13(左の数字より右の数字は大きい)、ほとんどの人は 24 と答える


4-26. 一貫性バイアス
…一旦結論に飛びつくとその結論に固執して判断をしてしまう傾向


5. プロスペクト理論 9項目

5-1. プロスペクト理論
…不確実性の中でどのように予測・行動するかを考える理論
→利益の出ている場面から損失の出ている場面に変わると意思決定の仕方が大きく変わる

→価値関数(損失回避性・感応度逓減性)・確率加重関数(主観的確率)
→なんとかなる、失敗が小さい場面で何の対応策もなくリスクを過大に取る際の発言
→リスクは単独で発生するよりも連鎖して発生することが多い、
リスクが小さい場面では 1 つのリスクだけが顕在化している、
これからリスクが連鎖して失敗が大きくなる可能性が高い
→リスクが小さい場面で博打的なリスクを犯して大失敗して、リスクが大きい八方塞がりになって
絶望的なリスクを犯して取り返せない失敗をするのが人間
→全か無か思考、人間は小さなリスクに対応できない、
リスクを完全に無視するか重大視するかの 2 択がほとんどで中間がない
→失敗が小さい場面で要素・経路を洗い出して対策を考えて共有することが重要


5-2. 損失回避性
…利益・損失を比較すると損失を極端に嫌って判断をしてしまう傾向

→サクランボが山盛りの器にゴキブリが 1 匹いると台無し、
ゴキブリが山盛りの器にサクランボが 1 つあっても何も感じない


5-3. 保有効果
…自分が関わる人・モノの価値を高く見積もって判断をしてしまう傾向

→〜万円の〜ってどうですか?
→手にしたことがある人はいい・かわいいと答える、
手にしたことがない人は高すぎると答える
→損失を嫌うため高く見積もっているだけ


5-4. フォールスコンセンサス効果
…自分がいいと思う人・モノは他人もいいと思うのではないかと判断をしてしまう傾向


5-5. 現状維持バイアス
…現状維持をしようと判断をしてしまう傾向

→新しいことに挑戦した時の利益・損失の大きさが同じでも挑戦できない


5-6. 感応度逓減性
…利益・損失は一定水準を超えると重大さを感じなくなって判断をしてしまう傾向
→利益は数回に分けて損失はまとめようとしてしまう


5-7. 参照点依存性
…利益・損失による感情は状態ではなく変化に影響を受けて判断をしてしまう傾向
→1億円資金調達・+1億3000万円・-1億円、資金調達なし・+1000万円、どちらがいいか?
→前者の方が状態はいい、ほとんどの人は後者と答える


5-8. アレのパラドックス
…どちらを選ぶか?
❶確実に100万円
❷89%で100万円、10%の確率で250万円、1%の確率で0円

→どちらを選ぶか?
❶11%の確率で 100 万円
❷10%の確率で 250 万円
→❶❶、❷❷の考えが一貫性があり合理的、ほとんどの人は❶❷と答える


5-9. 主観的確率
…小さな確率を大きく見積もってリスクを追求し、
大きな確率を小さく見積もってリスクを回避して判断をしてしまう傾向
→高い確率の利益・低い確率の損失にはリスク回避的、
低い確率の利益・高い確率の損失にはリスク追求的


6. フレーミング 7項目

6-1. フレーミング
…同じ内容でも表現の仕方で異なる判断をしてしまう傾向

→どちらを選ぶか?
❶200人が確実に助かる❷600人が3分の1の確率で助かる、3分の2の確率で全員助からない
→期待値は同じ、ほとんどの人は❶と答える、利得を強調したためリスク回避的になる

→どちらを選ぶか?
❶400人が確実に死ぬ❷3分の1の確率で誰も死なない、3分の2の確率で 600 人死ぬ
→期待値は同じ、ほとんどの人は❷と答える、損失を強調したためリスク追求的になる
→比較対象の提示が必要、既存製品があればより付加価値をつけた高価な新製品を売る、既存製品がなければ新製品を2種類作る
→異なる種類で比較が難しい場合、同じ種類の比較対象をおとりにする、
フランス3泊4日、フランス2泊3日、イタリア3泊4日


6-2. デフォルト効果
…ある状態からの変化を嫌って元の状態に留まろうと判断をしてしまう傾向

→自分の意見を通したい場合どちらを選ぶか?
→オプトイン、◯×のように意思表示を求めるもの
オプトアウト、意思表示がなければ同意したと認めるもの
→❶賛成の人は手をあげてください❷反対の人は手をあげてください
→❷、初期値は手をあげてない状態、手をあげてない状態を保とうとする


6-3. バンドワゴン効果
…安心感を求めて多数派に同調して判断をしてしまう傾向


6-4. スノッブ効果
…差別化を求めて限定・新規性に惹かれて判断をしてしまう傾向


6-5. ゴルディロックス効果
…比較対象が3種類になると良くもなく悪くもないものを選ぶ判断をしてしまう傾向


6-6. センターステージ効果
…種類に関わらず真ん中にあるものを選ぶ判断をしてしまう傾向


6-7. 決定麻痺
…比較対象が多すぎると選択をやめる判断をしてしまう傾向
→多すぎる比較対象には専門家による選択が必要


7. 時間割引 6項目

7-1. 時間割引
…将来の価値を現在の価値に換算して判断をしてしまう傾向
→時間割引率が高いとは現在を重視(せっかち)、
時間割引率が低いとは現在の満足を我慢(我慢強い)


7-2. 双曲型割引
…近い将来については時間割引率を高く(せっかち)、
遠い将来については割引率を低く(我慢強い)判断をしてしまう傾向
→最初の目標・計画も近づくにつれて見えなくなってくる、誘惑に流される
→受け取ることはせっかちで与えることは先延ばし


7-3. 自信過剰バイアス
…自分の知識・経験は非常に優れていると過大評価をして判断をしてしまう傾向

→自分に限って計画どおりできないということはない、ベストケースを考えてしまう
→過去ケース・類似ケースを参照する必要


7-4. インセンティブ
…将来の行動を起こさせるためのもの、達成できたら〜する、達成できなかったら〜する


7-5. コミットメント
…将来の行動について表明すること、〜します
→守れないと認知的不協和が生じるため一貫性を維持しようとする


7-6. 上昇選好
…楽しみを後回しにして判断をしてしまう傾向


8. 認知の歪み 11項目

…思い込み
→自分の信念によって歪んで物事を認識する現象

8-1. ❶全か無か思考
…すべてを2択で考えてしまう
→結婚した方が幸せかどうか、成功か失敗か、善か悪か
→リスクを完全に無視するか重大視するかの 2 択がほとんどで中間がない


8-2. ❷義務的思考
…全てに厳格なルール・期待を持ってそれに従うべきだと考えてしまう
→結婚するべきかどうか、〜するべきか
→対立が生じても一歩も引かない、当たり前という価値観・期待をメンバーに押し付ける、フィードバックや新しい情報に柔軟に対応できない、
期待を超えなければならないと実力を考慮せずに実現できない提案をする


8-3. ❸感情的決めつけ思考
…自分の感情を根拠に物事を評価して考えてしまう


8-4. ❹論理の飛躍
…関連性のない物事をつなげて考えてしまう


8-5. ❺行き過ぎた一般化思考
…1つの物事を全ての物事に当てはめて考えてしまう
→自分は結婚してよかったからみんな結婚した方がいい


8-6. ❻拡大解釈思考
…否定的な物事を過大評価・肯定的な物事を過小評価して考えてしまう
→みんな結婚しなければ人類が滅亡するから結婚した方がいい


8-7. ❼レッテル貼り思考
…物事を 1 つの側面に基づいてカテゴライズして全体的な評価を一貫させて考えてしまう


8-8. ❽心のフィルター思考
…1つの否定的な物事にこだわって考えてしまう


8-9. ❾ネガティブ思考
…なんでもない物事も否定的な物事にすり替えて考えてしまう


8-10. ➓個人化思考
…物事に対して自分に責任がないのに自分に責任があると考えてしまう
→メンタル不調・ストレスの蓄積・うつにつながる


8-11. どういった信念を持つとどの認知の歪みが発生しやすいかを考える
…良い悪いはなく誰もが抱えるもの、予防するしかない
→❶と❷が合わさると完璧主義になる
→意思決定前に完璧な情報を収集しようとして意思決定できない、
タスクの基準を過度に高く設定して完了までに時間がかかりプロジェクトが遅延する、
タスクに優先順位をつけられずに他のメンバーとの連携が取れずプロジェクトが遅延する、
アウトプットのクオリティの最高の高さを目指すためコストが増える、
アウトプットのクオリティの最高の高さを目指すためクライアント・上司の期待と一致しない、
他のメンバーが自信を失ってモチベーションが下がる、
他のメンバーにプレッシャーがかかってストレスが蓄積する可能性、
他の新しいアイデア・アプローチのチャレンジを試すことを躊躇して変化を妨げる
→完璧主義の誤謬、完璧な状態を達成できないなら何もやらない方がマシという考え、成功体験に固執し失敗体験を見逃す傾向がある


9. ストレス 7項目

9-1. ストレス
…心身がネガティブな状態に変化する反応

→認知バイアス・認知の歪みから生まれるもの、過大評価・過小評価によってネガティブな変化が生まれる


9-2. ストレス耐性
…ストレスに耐えて適応し回復する能力
→ストレス耐性を向上させるのは認知・運動・食事・睡眠
→認知がほとんど、認知バイアス・認知の歪みで耐えられないレベルでストレスが蓄積する、価値観・信念・経験・環境で作られる


9-3. リフレーミング
…物事に対する捉え方を強制的に変えて新しい意味・価値を発見して感情・行動を変える
→ネガティブな感情はリフレーミングで転換、解決志向

❶状況のリフレーミング
…困難な状況をチャンスだと捉え直す
→プロジェクトの遅延はクオリティ改善のチャンス、スキル・経験の違いは多様なアイデアを取り入れるチャンス、ベテランの退職は上昇志向のある若手に責任を与えるチャンス

❷意味のリフレーミング
…失敗を教訓だと捉え直す
→メンバーの失敗はチームの問題なのでチームで取り組もう、時間がないから色々やらなければいけないのではなく時間がないなら色々やらなくていい


9-4. 瞑想
…ストレスを緩和する
→3つのステップ

(ⅰ)自己訓練法、自分の心身をリラックスさせる
(ⅱ)フォーカシング、自分の感覚・感情を受け止めて自己理解を深める
(ⅲ)REBT法、認知バイアス・認知の歪みを修正、煩悩・感情を捨てる


9-5. 自己訓練法
…心身をリラックスさせてストレスを緩和する方法
❶静かな場所で座って目を閉じる
❷ゆっくり息を鼻から吸って口から吐いて腹式呼吸
❸足のつま先から頭まで全身の筋肉を順番に緊張させてその後に一気に緩和させる
❹好きな場所・光景を思い浮かべてそのイメージに浸る
❺自己暗示でさらに全身の筋肉の緊張を緩和させる、
私の腕は重くなっている、私の足は重くなっている、私の呼吸は落ち着いている、私の心臓は落ち着いて動いている、私のお腹はあったかい、私の頭は涼しい、私はリラックスしている

→重くなってるという言葉で腕・足の筋肉がリラックスする、
涼しいという言葉で頭の筋肉がリラックスする
→お風呂の中で行うこともできる、湯船に浸かって・湯船に浸かった後で


9-6. フォーカシング
…自分の感覚・感情を受け止めて向き合い自己理解を深めてストレスを緩和する方法
→ストレスが何なのかを言葉で表せるようにする、どういうネガティブな状況・感情・行動
❶心のスペースをイメージする、自己訓練法の効果
❷自分の感覚・感情を探す、ストレスが生じる状況でどう身体・感覚・感情が変化するか
❸自分の感覚・感情に名前をつける、仲良しになりやすい名前
❹自分の感覚・感情と自分が共鳴して仲良しかを確認する
❺自分の感覚・感情と仲良く対話する、自分を理解して受け入れる、最後に別れの挨拶を忘れない


9-7. REBT法
…自分の価値観・信念を特定し認知バイアス・認知の歪みを修正してストレスを緩和する方法
→問いのプロセス
❶ストレスが生じる状況を特定、自分が抱えるストレスは何だろう?フォーカシングの効果
❷その状況での自分の価値観・信念・それによって生じた自分の行動・感情を振り返る、その状況で自分はどんな価値観・信念を持っていたか?その結果どのような行動を取ったか?どんな感情になったか?状況はどう変わったか?
❸自分の価値観・信念のなかで認知バイアス・認知の歪みを見つけて新しい価値観・信念を提案、その価値観・信念に対して意義を申し立ててください、どんな新しい価値観・信念を作れるか?
❹新しい価値観・信念を日常生活に取り入れて実践、ストレスが改善されたかを確認、新しい価値観・信念を日常生活にどう取り入れるか?自分が抱えるストレスはどうなったか?

→〜であるべきではなく〜にこしたことはないという考え方に変える、
〜だったらベストだよね
→無条件の自己受容も必要


10. 非形式的誤謬 17項目

10-1. 非形式的誤謬
…なりふり構わない議論でのバイアスがかかった矛盾を指摘できない論法

→人間はとにかく議論が好き、集団内でうまくやりつつ地位を高めるには議論が必要だった


10-2. じゃあ〜はどうなんだ論法
…自分の言動が批判された時に直接疑問に答えずに話題を逸らす


10-3. 人それぞれ論法
…論点が自分に不利になった時に責任をうやむやにして結論を失わせる、議論を無意味にする


10-4. どっちもどっち論法
…論点も反証にも問題があると主張し自分は議論のバランサーかのように振る舞う


10-5. みんながそうじゃないよね論法
…90%に当てはまる事例を否定、1%に当てはまる事例を論点に持ち込む


10-6. 主語がでかい
…日本人は〜などと言う、実際には当てはまらない


10-7. 人身攻撃
…議論の中身ではなく議論している人を攻撃する
→新人・部外者が首を突っ込むな、あいつは学歴がないから


10-8. 真のスコットランド人論法
…真の〜という存在を使う
→スコットランド人は暴力を振るわない、あいつはスコットランド人だけど暴力を振るう、あいつは真のスコットランド人ではないからだ


10-9. 二分法の誤謬
…多様な選択肢があるのに 2 択だと思い込ませる
→あなたが〜なのはAだからだ、Aでも〜じゃない可能性、Aじゃなくても〜の可能性


10-10. 立証責任の転嫁
…主張の根拠を相手に転嫁する
→悪魔の証明、宇宙人は存在する、存在してないと証明できる?


10-11. 論点先取
…結論を前提の一部として使う
→彼は正直者だからウソを言わない


10-12. 循環論法
…根拠のない証拠を使って証明して、それを根拠のない証拠を説明するのに用いる


10-13. わら人形論法
…相手の主張を極端に歪める
→その作業無駄だからやめたら?じゃあ食べることも無駄ってこと?


10-14. 二重思考
…矛盾を承知でどちらも信じる


10-15. 伝統に訴える
…伝統を使う


10-16. 威力に訴える
…恐怖を与える・威嚇する表現を使う


10-17. チェリーピッキング
…自分に有利な情報だけを拾い上げる


おわりに

ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
修正すべき点やご意見などあればXでお声をいただければと思います。
修正の際は、番号を指定して、フォーマットをなんとなく合わせていただけると助かります。

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