内なる声を語る、ジェンダーもやもやカードの虫たちからのメッセージ
先日、ある自治体の男女共同参画センターが共催の、興味深いワークショップに参加してきました。
その名も、
ジェンダーもやもや発見
カード完成お披露目会
です。
◼️ジェンダーってなんだ?
ジェンダーって最近よく聞く言葉だと思いませんか?でもその言葉の意味はよくわからない、なんだか難しそう、という印象があります。
ジェンダーとは、生物学的な性別(sex)に対して、社会的・文化的に作られる性別のことです。
と言ってもこれでもなかなか難しい。
例えば家庭や会社、学校で、男(男の子)だから/女(女の子)だからと当たり前のように割り振られていることってありませんか?
いつのまにか私たちに染み付いている男らしさや女らしさについて、「なんかもやもやするなー」ということが誰にでもちょっとはあるかもしれません。
そんなジェンダーのもやもやを、遊んで話しながら発見していくカードをジェンクロス・カワサキ(https://m.facebook.com/genxross/)という市民団体さんが作成されました。
ワークショップではまず制作裏話や、メンバーの皆さんがなぜジェンダーに関心を持ったのかなど、色々なお話を伺いました。
まずこのかわいいイラストはジェンダーもや虫。これは小学生が工作や絵で表現したモヤ虫からインスピレーションを受けて、スウェーデン在住のイラストレーター・大森巳加さんが27匹のモヤ虫をイラスト化したそうです。子供の発想がこうして具体化していくって面白いですね!
なぜ虫なのかというお話は大変興味深かったです。例えば蟻って普段は見えないけど確実にいる虫です。ジェンダーの問題も普段は見えないけど、よく見ると至る所に存在する問題。なんだかよく似ていますよね。
そんなお話を伺い、いよいよ次は実際にカードを使って遊びます。
◼️カードを使ってグループワーク
実は私、このグループワークが始まる前まですごく緊張していました。
これまで女性支援の観点から、ジェンダーについて少し勉強したりディスカッションをしたりしたことがあったのですが、女性としかしたことがなかったのです。
ちなみに私のグループには男性が2人、女性が2人でした。
まず自分が気になったカードを手に取り、それについてのエピソードからどんどん話を広げていきました。
この『性が乱れる』って、政治家が若い女性に対して語るときによく言われる印象なんです。私たちのグループでは緊急避妊薬や経口中絶薬、ピルについても話し合いました。さらに『避妊』についても合わせて議論したんです。なぜ避妊の主導権が男性にあるのかを私はあえて男性陣に質問してみました。
私としては男性にこんなことを尋ねるのはとても怖かったし、勇気がいることだったけど、グループの男性お二人がとても真摯に『大事なこと』として捉えてくださって、男性側の貴重な意見を伺うこ機会となりました。(男性目線の性教育の重要性など、目から鱗でした。)
◼️私たちは〜らしさに縛られている?!
この他にも同じグループ内からたくさんの意見が出ました。いくつかご紹介すると…、
イクメンだね
配偶者の呼び方(奥さん?主人?)
男なら泣くな
伝統と性別について(例:相撲)
制服のスカート(女子のズボン)
などです。こうしてみると私たちの日常にたくさんジェンダーのもやもやが潜んでいるんだなぁと思いました。
これ以外にも女子力というパワーワードがあったり、男は泣くな!とか、本当悪しき男性らしさ、女性らしさを社会から勝手に求められて、それに縛られているんじゃないかなぁと感じました。
◼️カードで話し合うとハードルが下がるけど、
以前私はこんな記事を書いています。
これは『生と死』をテーマにカードを使って話すというものですが、ジェンダーもやもやカードもこれに近いものがあるなぁと感じました。
死や性について語るとき、なんとなくタブーな感じがしませんか?でも人生にとってとても大切なことです。
それをカードを使って遊び感覚で気軽に話し合いができる。しかももやもやカードは絵が可愛いので、一気に和みます。そうやってハードルを一段下げて、興味を持ってもらうことが始まりです。
カードはハードルを下げてくれますが、一方で言葉や概念がやっぱり難しい。
お子さん連れの参加者もいましたが、子供達が途中で飽きてしまっていなくなっていました。
ジェンダーの教育は実は子供の時が最も重要だと経験上思っていて(私は何も教えてもらわなかったし、最悪の結果性被害にも遭っています)、小さい子供たちがジェンダーというより人間の尊厳は大切だよと簡単に伝えられるツールがあるといいですね。
あと私が言いたいのは、ジェンダーについて議論する時、決して男性を責めないということです。女性から見た男性への偏見もあるし、決めつけもあるし、ルッキズムもある。話し合ってお互いにその偏見と差を埋めていこうよって話だと思うのです。今回グループワークで素晴らしい男性陣のお話を伺い、改めてそう思いました。
今回参加されていた方達はジェンダーに関心を持つ、いわゆる意識高い系の人たちです。けど世の中にはそんな問題に全く興味もなければ、世の中変わらなくていいと思っている人もいると思います。けどそれでは日本は世界から取り残されてしまうでしょう。
私がおばあちゃんになった時、「zoéさんの若い頃ってそんなに性別で分けられてたのー?今じゃ考えられないね!大変だったね。」と言われるくらいジェンダーが平等な社会になっているといいなと思います。
◼️虫たちの声に耳をすまそう!
ジェンダーの課題は、本当に目を凝らして耳をすまさないと聞こえないものかもしれません。でもきっとそれはモヤ虫達からの大切なメッセージ。虫の声もよーく耳をすまさないと聞こえません。
これらの課題を他人事にせず、みんなで考えられる社会になってほしいと願っています。
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