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「ダウンタイム」のヒントがもらえる本【『少ないは多いにまさる子どもと親が育ち合うミニマル子育て』】

どうも。「無気力」です。

子育てにミニマリズムを関連付ける視点と、棚の中で目を引く分厚さに興味を引かれて、キム・ジョン・ペイン氏、リサ・M・ロス氏著『少ないは多いにまさる子どもと親が育ち合う ミニマル子育て』(風濤社)を手に取った。

いろいろ興味深いことが書いてあったので、まとめてみたいと思う。

現代っ子はストレスまみれ!?

大量のモノ、つけっぱなしのテレビから流れてくる音声・音楽。常に忙しそうな大人たち。

情報化社会の人類を取り囲むハイテクな日常は、子どもにとって多大なるストレスになるらしい。実体験からも賛成だ。

著者は本の中で、症状としては「複雑性PTSD」に類似すると述べていた。

つまり、子どもたちは慢性的なストレスにさらされているのだ。

PTSDのせいで起こる病気は数多くあり、子どもの神経過敏や癇癪の原因となることもあるとか。

過去を振り返ると、非常に頷かされる話。あれは刺激過多だったのか、と今更ながらに気づくことができた。

多すぎる情報、多すぎるモノ、「すぎる」に囲まれた子どもたちを落ち着かせ、穏やかな家族の暮らしを取り戻すために役立つのが、本の中で提唱されている「ミニマル子育て」だという。

つまり、「ダウンタイム」についての本だ!

「はじめに」を読んで本の趣旨を理解しはじめた頃、僕は直感した。

「これはつまり、ダウンタイムについての本だ」

ダウンタイムとは、エレイン・N・アーロン先生が著書『ひといちばい敏感な子』(青春出版社)の中で使っている言葉。

刺激を受けとりやすいHSP(子どものことはHSCと呼ぶ)のたかぶった神経を落ち着かせるために、刺激となるものから離れる時間・または行動のことだ。

具体的なやり方・アドバイスは、武田友紀先生の著書『繊細さんの本』、借金玉さんの著書『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』が参考になるだろう。

この2冊に共通しているのは、ダウンタイムの時には一時的に五感を遮断すること。

たかぶった神経を休めたいわけだから、刺激を受けとる器官である五感を遮断して、しばらく休もうということだ。

上の3冊は神経を休ませる方法に、「休憩時間を取る」という観点からアプローチしている。

対する『ミニマル子育て』では、暮らしをミニマル化することによって、24時間受ける刺激の全体量を減らすアプローチをしている。

ダウンタイムと断捨離・ミニマリズムを掛け合わせた感じだ。

これが非常に役立ちそうだと思った。

主の幼少期からこの考え方があれば良かったのにと、主は非常に嘆いていた。それくらい役立つことが書いてある本ということだ。

親目線で、大事な我が子のために何ができるかを考える

ちなみにこの本は、最初から最後まで徹底して親目線で書かれている。

子どもが小さいという前提があるとはいえ、子ども部屋を埋めつくす大量のおもちゃを、親が勝手に片付けるのだ。

子どもと一緒に片付ける/子どもがいないうちに片付ける という具体的な実行方法は、子どもの特性や家庭によって工夫すべきところだと思う。

この本通りのやり方が上手くいく家庭もあれば、考え方だけ参考にして、オリジナルの進め方をする方が向いている家庭もあるはずだ。

僕たちに関していえば、おもちゃを勝手に捨てられたら間違いなく癇癪を起こしていただろう。

おもちゃを捨てる・人に譲るということに、果てしなく抵抗があった。

理由は言外に「おまえはモノを大切にできていない。お前がダメだから捨てるんだ」というメッセージを親から受け取っていたから。

度重なる「片付けないなら捨てるよ」の言葉で育ったこの価値観は、中学生になり主が「ときめく片づけ」を堂々と実践できるようになるまで、主をマキシマリストであらしめ続けた。

持ち物を減らすことは、己の価値観と向き合うことだ。

子どもに植えつけた「多い方がいい」「モノは大切に」という価値観の転換を図る時は、くれぐれも慎重に、と言い添えておきたい。


個人的には、こんまり先生の『人生がときめく片づけの魔法』も併せて読んで、『ミニマル子育て』とドッキングする感じで片づけを進めていけば、家中綺麗になってリバウンドもなく円満ではなかろうかと感じた。

こんまり先生はその豊富な片づけ体験から「他人(自分以外の家族)のモノは勝手に捨てない」という教訓を掲げておられるからだ。

関連:ミニマルライフを始める時に役立つ本たち

「繊細」が断捨離好きなので、いろいろミニマリストの方々の本を読んできた。

その読書体験をひとつの記事にまとめたので、生活のミニマル化の参考にリンクを貼っておく。

「断捨離」「ミニマリスト」には様々な方法論と考え方があり、日本では「ミニマリストならかくあるべし」のような、無理のある枠組みが生まれかけている節もある。

あえてさまざまな本に触れることで固まった価値観から脱却できるし、「いろんなことを言う人がいるんだから、いいとこどりして自分に合った方法で暮らしていこう」と肩の力を抜く助けにもなるので、モノを捨てはじめる前に何冊か読んでみるのがおすすめだ。

モノを減らすことが子どもの精神的な助けにもなるのなら、僕がおすすめしない手はない。



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