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手元に置き続けたい、最高の3冊

こんにちは。Jessie -ジェシー- です。

トランクひとつの本

私は本が大好きであると同時に、できるだけ持ち物を少なくしておきたいシンプリスト。

最近、図書館を「自分の巨大な本棚」と捉えて活用するミニマリスト的な認識を自分のものにしつつあります。

一方で、お気に入りの、どうしても手放したくない本も存在します。基本的に本は好きですから。

「モノは少なく」「お気に入りのモノは大切に」を両立するかのように、ふっと湧いて出たアイデア。

「自分が手元に置いておく本をトランクひとつ分に限定するのはどうだろう?」

まだ厳密にはできていないのですが、まずは意識的な話として。

例えば、少ない持ち物で世界のどこへでも旅できるような身軽さ。
その時、トランクに詰めたい本はなんだろう?
「詰めたい! どこにでも持っていきたい!」と思った本こそが、私にとっての本当に大切にしたい本なんじゃないだろうか……。

そんなふうに思いついたのです。

そこで、現時点での「絶対に手放したくない本」をここにまとめておこうと思いました。

手元に置き続けたい、最高の3冊

1 華氏451度

「手元に置き続けたい……」と考えた時、最初に思いつくのはこの1冊。
アメリカの作家レイ・ブラッドベリ著『華氏451度』です。

本を持つことが禁じられた世界で、本を焼く仕事をするモンターグが主人公。
緻密に描かれた彼の思考や心情、あたたかみのない近未来の風景、そしてその中で「これはもう実現されている気がする……」と感じさせられる要素まで、現在と創作と未来の可能性が合わさってそれはもういろんなことを考えさせられます。

私はこの作品でレイ・ブラッドベリが大好きになったのですが、繋がるように読んだ『火星年代記』然り、語り継がれる系の話に憧れめいたものを感じてたまらなく好きになってしまうのかもしれません。

本を読むこと、所有すること、触れること。

本にまつわるなにごとかが好きなら、読んで損はない作品だと思います。

2 メイドと執事の文化誌

読み応えのある専門書です。比較的高額な値段ぶんの価値は充分にあります。

小説の資料にしたくて購入したつもりが、本そのものがおもしろくて最低でも5周はしています。(私にとって、専門書を5周もするのは珍しいこと!)

現存する広告や記録から当時の人々の暮らしや何を考えていたかを読み解き、気持ちを沿わせて想像することに無上の楽しみがあります。

ちょっとはたらくのが楽しくなります。

3 The Little Book of HYGGE

日本語で刊行されている『ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方』(三笠書房)
……の、原著です。綺麗な英語で書かれています。

英語の勉強のために役立てたいと思って原著を買い、絵本めいたかわいいグラフやおしゃれな写真などが気に入ってずっと手元に置いています。

ふとリラックスしたくなった時などに取り出してランダムに読むと、どんなに張りつめていても「ふわっ」とできるのでありがたい存在。

「世界各国の、訳せない言葉」の中に日本の「積読」が紹介されているのですが、聴き取りづらかったのか「TSUNDOKO」と表記されているところにくすりとしてしまいます。

私は英語のリーディングに時間がかかるので、自然と文章をゆっくり読み解くことができ、それが「ふわっ」につながっているのかも。

以前、買いためた洋書を断捨離したことが2回あるのですが、2回ともを生き残ったお気に入りの本なのです。

本と人間は似ている

出会う本すべてを家の本棚に収めておいて、壁いちめんの本棚を埋める暮らしにも憧れます。

けれど身軽さにどうしようもない憧れを感じはじめた時に、私はその暮らしをポジティブな意味で諦めました。
本にもエネルギーがあり、その波長が持ち主と合う時・合わない時が出てくると思っているからです。

人は絶えず変化するものです。
外部から様々な情報を受けとり影響を受け、価値観やものの見方を移り変わらせていきます。
同時に人の根幹の部分には、一生変わらないレベルの「芯」めいた考え方も根付いています。

本との出会いと別れも、これと似たようなものだと感じていて。

人生の段階によって「今の私に必要な本だ」と感じ、私を救ってくれた本たちが無数にあります。
一方でそれは悲しくも一時的なもので、私が変化していくにつれて、それらは「かつてお世話になった本」になっていくのです。
そうしたら潔く手放して、次の持ち主の役に立ってくれることを祈るようにしています。

対して私が上に挙げた3冊は、いつまで経っても本棚に佇んでいることに安堵を覚え、読むたびに心をつかまれるものたち。
これは私の芯を形作るものの一部だと感じていて、だからこそ手放す気が起きず、「トランクひとつの本」に加わり続けているのだと思います。

芯そのものが変化することもあるけれど、それまで自分の気持ちに嘘をつくことのないよう大切に。

これからも本と付き合っていきたいです。




画像はPixabayからお借りしています。


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