「セルフモニタリング」で自分の体調を把握する【心を知るライフハック】
「セルフモニタリング」とは?きっかけ
心療内科に通い始めた頃、先生から日記をつけることを勧められました。
日記といっても、「今日、こんなことがありました」と書くのではありません。
自分の気分を数値化して、記録しておくのだそうです。
数値は「―10から10」でも、「―5から5」でも、「1から10」でも構わないと思います。
とにかく、「気分が上がらない日」はどんな日か、「気分が良い日」は何があったかなどを記録して、客観視できるようにするためだといいます。
役立ちそう、そしてちょっと楽しそうだと思ったので、さっそくお気に入りのノートを使って記録しはじめることにしました。
自分の状態を記録する――私のやり方
項目について
せっかく日記をつけることになったけれど、単に日付と数字が並んでいるだけでは味気ない。
そこで、項目について考えることにしました。
私が記録しているのはこんな感じのことです。
1, 気分
この項目には、前述の通り数値化した気分を書き込みます。
私の場合は、「-5から5」という10段階です。
最初の頃は「-10から10」の20段階だったのですが、あまりに数が多すぎて活用しきれず、個数を減らしました。
それぞれ、どういう状態を示しているかというと。
-5:死にたい、死について実際的な方法含めて考えた
-4:そこまではいかないが、かなり無気力で精神に元気がない
-3:無気力。やる気が起きない状態
-2:気分が落ち込んでいる。
-1:どちらかというと落ち込んでいる
1 :落ち込んではいないが、元気でもない
2 :そこそこ
3 :普通。安定している
4 :元気! 活力がある
5 :元気があり余り、動かずにはいられない。軽躁状態かもしれない
こんな具合で使い分けていました。
-5や5など、両極端なものは明確な基準を設けましたが、その間の数値に関してはあくまで目安です。
「2でも3でもない」日には「どちらかというと2かな」と2にしたり、「元気だけど、4までいかないな」という時は3と書きます。
ギッチリ決めすぎると続かなそうだったので、程よく緩いルールでやっていました。
この数値で状態を記録する習慣が身に付いてくると、自分のテンションを数値化して認識することが可能になります。
自分を客観視する時の、新たな視点を手に入れられるのです。
1日の中でも、気分て変動するものですよね。
だからふとした時に「自分は今、数字でいうとどこかな」と見るようになります。
結果、理由もなく気分が落ち込んでいるようだったら盛り上げてあげるし、休むし、テンションが上がりすぎな時は落ち着かせる――。
そうやってアクセルとブレーキの使い分けができるようになっていきました。
2-1, 食べたもの
この項目を設けたのは、私が偏食がひどいからです。
子どもの頃からのトラウマがあり、とにかく食事が嫌いです。
「好きな食べ物は?」と聞かれて出てくるのはお菓子ばかり。
夕食をちょっとだけ食べれば良いように、チョコレートを大量に間食したりしていました。
「チョコを食べ過ぎる」ことを先生に相談すると、「チョコレートをどれだけ食べたかも、一緒に記録してみたら?」とのお返事。
私はさらに範囲を広げて、その日1日食べたものを記録することにしました。
ダイエットの方法としても使われていますよね。
自分が何を口に入れているかに意識的になると、「この日、ジャンキーなものしか食べてないな……」という日が明白になります。
すると、「食事に気をつけるか」、というマインドが構築されやすくなるのです。
ちなみに最近は、毎食後に薬を飲まなければならないので、3食きちんと食べるようになりました。
チョコレートも前ほど欲しくなくなり、ちょっとバランス良くなってきたかなと思っています。
自分の口に入れるものを意識する習慣がついたので、この項目は5月で廃止になりました。(ありがとう)
2-2, 作業量
前項の「食べ物」に代わって登場した項目です。
なぜこの項目が追加されたかというと、本を読んで良さそうだと思ったから。
借金玉さんの『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術」という本です。
借金玉さんもセルフモニタリングのことを本に書いておられ、効果を感じておられるようでした。
そして借金玉さんが、この「作業量」的なものも記録しているということなのです。
その理由は、「『今日なんもできてねぇな』と思う日があるけど、振り返るといろいろやっている日があるから」。
焦燥感が募ると、「自分、なにもやってない」と漠然と自分を焦らせてしまいます。
そこで日記に「今日やったこと」の項目があることで、「今日は、自分何をしたかな」と振り返ることができるのです。
そして書きだして、今日の活動を目に見える形にすることで、「あれ、意外と頑張ってるな」と自分を評価し直すことができる。
そんな感じの文面を読んで、「これ、分かる! 私もそうだ! よし、追加しよう」と思い立ちました。
実際に自分でやってみると、確かに一定の効果があります。
本当に自分が何をやっているのか、気づかないものなんですね。
意外と小説の原稿が進んでいたり、刺繍して、ピアノの練習して、仕事探しをして……と、書きだせばいろんなことができている。
「自分、なにもできてない」は幻想にすぎず、ただ目に見えていないだけだったのです。
自分に厳しくしがちな人におすすめの方法ではないでしょうか。
3, 日記
最後の項目です。
ここにはごくシンプルに「今日、こんなことがありました」と書いていきます。
ただし、私は長文にしてしまう傾向があるので、ざっくり書くというルールを自分に課しています。
さもないと、私は書きだすタイプの内観を始めてしまい、落ち込んでいる時には負のスパイラルに陥る可能性もあります。
一言でも、一行でも良いのです。
とりあえず、「日記」の欄を埋めておくこと。
序盤は苦労しましたが、最近はこのざっくりが身に付いてきました。
ある日の日記なんてシンプルで、「王子と出かけられて機嫌が良かった」。だけ。
振り返って読んだ時、「こんなことがあったんだな」と簡単に振り返ることができる内容を目指しています。
日記は自律神経に良いらしい……?
実は「セルフモニタリング」という言葉は、借金玉さんの本で知りました。
先生からは「日記をつけたら」と勧められただけです。
でも、この手法ってセルフモニタリングだよね? と思い、この呼び名を使っています。
自分の状態を目で見える形で記録しておくこと。
それって、自律神経にとって良い効果をもたらすものらしいです。(どこでこの内容に触れたか忘れてしまいました、気になる方は調べてみてください)
暴論ですが、疲れている現代人は、みんな日記を書いた方が良いのかもしれませんね。
最近は調子が良くなってきましたが、このセルフモニタリングはもうしばらく続けていくつもりです。
寝る前にその日を振り返ることが、軽い瞑想のような、心を鎮める習慣として身に付きつつあります。
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