小さな失敗同好会
世界がもっと「小さな失敗」で溢れれば良いのにと思う。
仕事でのミスや人間関係でのつまづきは「小さな失敗」に含まれない。
そうではなく、油断していると見逃してしまうような、日常生活に転がるささいな失敗だ。
店員さんの「いらっしゃいませ」の声が裏返る
友人がノールックで充電器をコンセントに刺そうとするが全く刺さらない
ついていた肘がテーブルから落下する
気づいた瞬間、時間がコンマ数秒止まったかのような驚きを感じ、なんともいえない罪悪感が体内にゆっくりと拡散していく。
決して冷笑や嘲笑ではなく、ただただ好きで愛おしいのだ。
本当であれば「小さな失敗」をしている人がいたら、走って近寄り肩を軽く叩いてお礼を言いたいぐらいだ。
ゆるやかな非日常を提供する「小さな失敗」をできる限り回収することは、毎日を少しでも明るくするのに役立つ。
自分の「小さな失敗」も誰かの幸福になっているのなら、その恥ずかしさも少しは肯定されそう、な気はしたがやっぱり恥ずかしい思いはしたくない。
でもだからこそ「小さな失敗」は誰かに幸福感を与える力を持つのだと思う。
「小さな失敗」は、良薬のような効能と悲鳴を抱えて日常にどことなく放置されているのだ。
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