見出し画像

詩集「微熱期」の読書感想文

峯澤典子さんの「微熱期」を読みました。読みながら頭の中に「丘の上の家」や「窓辺に置かれたグラス」が浮かんでは消えて、別の映像にスムーズに切り替わっていく。初めて最初から最後まで読み終えた詩集になりました。

この詩集に出てくる「海岸」、「燃える小屋」、「冷たい湖岸」等々は何かの比喩だと思います。しかし、それについては読みながら色々と想像しました。しかし、情報量が少ないので正解にはたどり着けないでしょう。

渋谷駅から国会図書館まで歩いて移動中に首相官邸を通り過ぎました。そこには三段構えの塀の上に竹が植えられていました。ガラス張りの官邸の目隠しのような役目をしているのでしょうか?その意図は不明です。
マスク着用が推奨されている閣議で大臣がマスクを着け忘れた事を同席者や職員はなぜ指摘しなかったのか?指摘できない空気を醸していたのか?それも不明です。色々と想像して楽しむものだと自分に言い聞かせています。人は偽善的です。「正当な理由」があれば批判は起きません。
作品の中の比喩にどんな意味があるのか答え合わせをしても正解が私が納得できる内容である可能性は低いです。私の中でしっかりと化学反応を起こして、楽しめたのでそれで充分です。これが私の「正当な理由」です。

本は基本的に閉じた後の楽しみ方があると思っています。これから詩集を少しずつ読むようになるかはわかりません。しかし、街歩きをする、美味しいものを食べる、未知の体験をする等々の積み重ねの中で「あの比喩はこんな意味だったのかも?」と考えていくでしょう。とにかく楽しい詩集でした。
#微熱期
#読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?