見出し画像

留学経験者が指摘する「日本の若者の海外志向が弱い」の本当の危機感

昨日、ある記事を読み、いつも感じている危機感が改めて強く感じられた。

それは「日本は取り残されてしまう…」というもの。

記事に書いてある内容は私が留学から戻った2003年の日本の状況と何も変わっていないことを指していたからだ。今から20年近く前のこと。そこから変わらないどころか、今は衰退しているとも感じる日本。

今日はこじん海外だから見える日本を、留学帰国後に参加した東京でのキャリアフェアでの経験に触れながら書きたいと思う。


海外留学生対象キャリアフェアは衝撃の連続

志望者は誰でも良い??

私はオーストラリアの大学への留学を終え帰国した2003年に東京ビックサイトで大々的に行われた。

同じく留学をして、マーケティングを終えた主人と一緒に参加したところ、衝撃の嵐だったのを今でも覚えている。

日本ではそれなりに名の通った会社のブースが所狭しと設置されており、留学生でごった返している会場。

会社の担当者たちが、「こんにちは。当社に関心ある?」と10名ほど集めて座らせる。

表現は悪いけれど、まさに「客引き状態」で、専門も聞いて来ない。誰でも良い感じを受けたことがまず衝撃その①だった。

オーストラリアでは、誰であれ話をしているとWhat is your major?「専門は何?」と聞かれるのが当たり前だったからショックだったのだ。

それだけ学生は自分の専門に誇りを持っているし、卒業とともにその専門に就くことが多いだけに、この”集客法”には驚いた。

そして話を聞いて、更なる大ショックが訪れる。


なんでも屋さんからみんなスタート

採用担当者として説明をしている方は40代半ばくらいの方が多かった。自信を持って話すところにその会社での経験の長さを物語っているようだった。

ある大手家具店での話…

皆さんは、先ず国内各地にある店舗で接客をしていただきます。そこでお客様とのコミュニケーションの取り方を学び、家具の知識やお客様のニーズを学んでいただきます。そこからがスタートです。我々も同様にスタートを切り、今は本社の &%#$‘*+...

と確かこんな話を聞いたと思う。

私にはそれを聞いた留学生10人が10人、頭に浮かんだことが瞬時に手に取るように分かった。

とてつもなく大きな「?」である。


分かってないよね、留学生の価値

留学生は苦労をして海外での学生生活を終えてきている、いわば精鋭たちではないかと思う。語学留学を否定するつもりは一切ないけれど、やはり語学留学とは一線を敷くものがあるのではないかと思う。1教科につき数回提出する論文課題に追われ、これまた1教科3時間もあるような試験に取り組む。これを1ターム(学期)4単位ほど取得する。勉強する時間はかなり長い。

その人の英語力にもよるけれど、留学してるのに毎日バイト??死ぬよというレベルだと思う。

語学力だけではなく、生きる力「人間力」を備えて帰ってくる人たちが多いというのに、テンポ de セッキャク !?!?!?

冗談にしか聞こえなかった。

留学生を捕まえたい会社側は「ちょっとでも興味あったら、このまま面接も出来ます!」と推してくる。

ちょっとでもってそんな動機で良いんかいっ???

とツッコみを入れたくなった。

しかも給料は、国内の大学生と同じ。留学生特別待遇といったものはゼロ💦

それじゃ誰も来ないよと思わずにはいられなかった。

もちろんこの話はずいぶん昔のこと。今は違うと祈りたい。


企業は専門性が意味することが理解できていない??

今は変わったと祈りたいものの、これは色んな所でも今でもよく言われていること。日本と海外の大学文化との違いを理解できていない企業が多い気がする。

何度も書いているけれど、専門性の問題は大きい。日本の学生は学部に関係なく、皆同じところからのスタート。さっきの店舗での接客が良い例だと思う。誰かが欠けた時のために皆が共通理解しておくというのが強い武器… でも、これは知識や能力がある人にとっては辛い。

専門知識を持っている人を専門分野に入れた方が遥かにスムーズに事が進み、質の良い仕事が出来るだろうにと思わずにはいられない。

専門を追求し続けないから、部署が変わると新入生状態。何故そんなことをするのだろう??

海外では一般的に(一概には言えないけれど)専門知識を身に付けた学生が専門的な仕事に就職。その人は更にスキルアップを図るために関連資格を取ったり、経験を積んで、自分の「商品価値」を高める。

そして転職。自分から売り出すこともあれば、友達づたいで話が来たり、ヘッドハンティングと言ってエージェントから声がかかる場合もある。

そうして新しい転職先には希望額を伝える、同時に今の雇用先にも「こんな話が来てるんだよね~、給料次第ではいっちゃうよ~」と給料の交渉をする。

そこには勝ちしかない。

でもそんな状況だから、企業側も真剣なんだと思う。

日本も変わって、転職エージェントもいる。いつまでもその会社に「一生涯捧げます」というわけではないことを理解して人材を人財として活用することを真剣に考えるべきだと思う。


英語力の低い日本人

記事の中で日本人の英語力は「韓国よりも低い」とある。何で韓国だけ名前を挙げたのかはギモンだけれど、実際はかなり悲惨だと思う。

でい

これは少し前にプレゼンで使用したもの。2020年度版で新しい。記事にもあるEF Educationのもの。

韓国は標準的クラスの上位3番目の32位、そして中国は同じく標準的クラスの38位。

日本は??? 低いというクラスの55位。

現在シンガポールに在住し、標準的クラストップのマレーシアの方たちとはよく接するが、ここと2位の差しかない韓国の英語力はスゴイとしか言いようがない。事実、最近出会う韓国人、中国人の英語は格段に上達していると感じている。


仕事を取られる日は近い

ショッキングな見出しだけど、事実だと思う。

以前ある実験記事を読んだ。同じ内容の求人広告を英語と日本語で掲載したらどうなるのかという実験。

日本語の方には当然?日本人が応募し「宜しくお願いします」としめてあったらしい。その一方で英語の方には世界中から応募があり、「給料はもう少し低くして構わないので、定期的に仕事が欲しい」「自分にはこれだけの経験があるし、2倍の仕事が出来るから給料を上げて欲しい」といった感じでかなりアグレッシブにきたらしい。

ここから見えること… いつか日本人の仕事は取られてしまう。

正確には「エイゴでも事足りる仕事は取られてしまう」

仕事の内容は英語でも構わなくて、安い賃金ででもしっかりと仕事をしてくれたら… 

誰がわざわざ日本人に頼むだろう?依頼主なら分かるはず。

これが今世界中で起こっている現象。英語でビジネスは当たり前。私は英語教育が専門だけど、英語の重要性を語る際には必ず持ち出す話。

少子高齢化も進み、日本の経済だって芳しくない。国内だけを相手にしていてもビジネスチャンスを逃すばかり。

全ては「英語が苦手でね…」という問題。


私自身が面接をしていた時のことを思い出す。

日本語の話せる方って条件を出していても、話せない人がじゃんじゃん申し込む。教育経験者といっているのに、フットボールのコーチだ、ビジネス経営者が申し込んでくる。しかも自信に満ち溢れて…

どうだろう?アグレッシブさが違う。しかも段違いなのだ。


日本は残念だけど、衰退していると感じざるを得ない。

超一流ショッピングセンターの壁一面に電子公告を出しているのは日本ではない。

電化製品だって、海外輸出用なのか質が遥かに劣る…どころの話じゃない。日本のどこを探したって、あのレベルは到底見つからない!というものさえある。

日本の企業は危惧しているというなら、真剣にグローバル社会にあったアクションを取るべきではないだろうか。

あのキャリアフェアでどれだけの留学生が職をゲットしたのかは知る由もないが、恐ろしいほど多くの留学生が「あり得ない」と口にしていたのを今でも覚えている。


*当協会講座*
⇓クリックしていただけますと該当ページに飛びます。

日本初!プロジェクト型学習指導法通信講座

小学校英語指導者資格認定通信講座  入会金無料キャンペーン中!


. :*⊹☆*。:*⊹☆*。:*⊹☆*。:*⊹☆*。:*⊹☆*  

= ホームページ =  

JEERA小学校英語指導者資格認定通信講座: https://www.jeeraenglish.com/

JEERA PBLプロジェクト型学習指導法通信講座: https://www.jeeraenglish.com/jeerapbl


#小学校
#高校
#英語教育
#アクティブラーニング
#高校教師
#中学校教員
#通信講座
#探求学習
#資格認定
#プロジェクト型学習
#児童英語教師養成講座











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?