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御社の日付・時刻データ、どんな形式ですか?

毎年6月10日は「時の記念日」です。日本で初めて時計による時の知らせが行われたことを記念して制定されました。時間の大切さを改めて感じるこの日に、日付・時刻データの管理方法を見直してみませんか。

皆さんはエクセルやGoogleスプレッドシートでデータを整理するとき、どんな形式で日付を記入しますか? 「2024/6/10」「2024-06-10」「6/10(月)」など、いろいろな形式が考えられますね。当社が運営しているデータマーケットプレイス「JDEX」にも、様々な日付・時刻形式のデータが出品されています。

日付・時刻データはあらゆるデータ活用の基礎となりますが、その形式は多種多様で、それぞれに一長一短があります。うまくデータを活用するには、どの形式を選び、どう管理するかが大切です。この記事では、日付時刻データの形式とその重要性、さらに複数のデータを組み合わせて活用するときの知識を、シンプルにわかりやすく解説します。

日付・時刻データの一般的な形式

最初に、一般的に使われている日付・時刻データの形式を見ていきましょう。

(1) ISO 8601

ISO 8601は、国際標準化機構(ISO)が定めた日付時刻の表記方法です。例として、2024年6月10日午後3時30分30秒は「2024-06-10T15:30:30」となります。ISO 8601形式はタイムゾーンにも対応でき、国際的に通用するフォーマットであるため、多くの企業で採用されています。

またISO 8601には、時刻データがない場合でも対応できる柔軟性があります。例えば、2024年6月10日の日付だけを表す場合は「2024-06-10」と表記します。

(2) UNIXタイムスタンプ

UNIXタイムスタンプは、1970年1月1日00:00:00 UTCからの経過秒数を表します。システム間でのデータ交換や計算に便利ですが、人間にとっては直感的でないことが多いです。例として、2024年6月10日午後3時30分30秒は「1712488230」となります。

(3) カスタムフォーマット

企業やシステムによって独自のフォーマットが使用されることもあります。例えば、「20240610 153030」や「2024/6/10 15:30:30」などが考えられます。また、エクセルやGoogleスプレッドシートでちょっとしたデータを扱うときには、「2024/6/10」や「2024-06-10」、「6/10(月)」といった形式を使うことが多いかもしれません。

これらの形式は直感的で入力しやすく、特定の業務やシステム要件に合わせて調整できる柔軟性がありますが、フォーマットが一貫していないとデータの整合性が保たれず、他のシステムとの互換性が損なわれる可能性があります。

日付・時刻データ形式の選定ポイント

日付・時刻のデータ形式に悩んだとき、次の4点がポイントになります。

ポイント(1)一貫性

同一のデータベースやシステム内では、日付時刻データの形式を統一することが重要です。形式が統一されていれば、データの整合性が保たれ、解析やレポート作成が容易になるからです。

ポイント(2)読みやすさと理解しやすさ

ユーザーが日付時刻データを直感的に理解できる形式を選ぶことも重要です。ISO 8601形式は理解しやすいフォーマットの一例です。しかし、業務によっては他の形式が適している場合もあります。

ポイント(3)互換性

データのやり取りが必要な場合、使用している形式が他のシステムやアプリケーションと互換性があるかを確認する必要があります。ISO 8601やUNIXタイムスタンプは広くサポートされています。

ポイント(4)タイムゾーン

国際的なビジネスを展開する企業では、タイムゾーンの管理が重要です。日付時刻データにはタイムゾーン情報を含めることが推奨されます。

複数のデータを組み合わせて活用するために

異なる部署に蓄積されたデータをまとめて分析するケースや、複数の企業がデータをハブとして協業するケースが増えてきました。そんなとき、データを効果的に突合させるためには、日付時刻データの整合性が不可欠です。

データ形式の統一

異なる企業間でデータを共有する際、共通のフォーマットを採用することで、データの整合性と信頼性が向上します。ISO 8601やUNIXタイムスタンプなどの標準フォーマットを使用することで、データマッチングの精度が高まります。

自動変換ツールの利用

既存のデータが「2024/6/10」などのカスタム形式で保存されている場合にも、データ変換ツールを利用すればISO 8601形式などに一括変換できます。例えば、PythonのスクリプトやExcelのマクロを活用して、大量のデータを効率的に変換することが可能です。

手動変換とガイドラインの策定

小規模なデータセットの場合は、エクセルやGoogleスプレッドシートの関数を使用して手動で変換することも一つの方法です。例えば、Excelでは次の関数で、セルA1の日付をISO 8601形式に変換できます。

=TEXT(A1, "yyyy-mm-dd")

また、今後のデータ入力について明確なガイドラインを策定し、全ての関係者に周知することが重要です。データを入力する人全員が同じプロセスに従うようにすることで、データの一貫性が保たれ、将来的なデータ交換が容易になります。

データの検証とクリーニング

データマッチングの前に、日付時刻データの検証とクリーニングを行うことも大切です。データの一貫性を保つために、不整合や誤ったデータを排除し、正確なデータのみを使用します。

まとめ

日付時刻データの形式は、企業のデータ管理において重要な役割を果たします。一貫性、読みやすさ、互換性、タイムゾーンなどのポイントを考慮し、最適な形式を選定しましょう。

また、全社的なデータ活用や他社との協業という観点からは、標準フォーマットの採用やガイドラインの策定が推奨されます。御社のデータ管理を一層強化するために、日付時刻データの取り扱いについて今一度見直してみてはいかがでしょうか。

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