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色の学校 Z世代の色

私は大学で色彩学の講師をしていて、今、正にZ世代が教え子です。
そこで、今回はZ世代の色の感性について。

見てきた色の数が違う、桁違い!

色の仕事に携わって30年、好きな色、嫌いな色、気になる色、イメージカラ
ーなど、1万人以上のデータを持っています。
この貴重なデータ、平均値を出したり、多くの人がこのイメージを抱く、とか、男性が好きな色、女性が惹きつけられる色などと言って説明してきましたが、これが覆される?時代の流れ、科学の進歩、人間の意識改革など、当たり前ですが、昭和、平成、令和、いつの時代で育ったかによって、色に対する感性がガラリと変わってきていいます。
その理由の一つは見てきた色の数の違いにあります。

今と昔のキャラクターを交互に並べてみました。違いは明らか。
原色の数は増えたり減ったりするものではないので、そこは変わりませんが、色のトーンは無限とはいかなくても、簡単には数えきれないほどあり、それを色数と呼ぶなら、色数は激増しました。そして、日常的に、その色をモニターや紙媒体でも再現する技術も一気に進み、それを目にする機会は当然ながらIT化も手伝って激増しています。
*色のトーン・・明るさ、鮮やかさの複合概念を指します。

色のトーン表


赤・青・黄・白・黒

シンプルで分かりやすい色で表現されていた時代に生きた人が見てきた色数とZ世代が見てきた色数は当然ながら桁違いです。そうなれば、当然ながら、色に関するイメージも同じではないのです。

赤がヒーローとは限らない

今も戦隊ヒーローでは「赤」がリーダーですが、周囲を取り巻くメンバーの色は少し変化しています。これまで悪役にしか使われていなかった紫がヒーロー側に使われていたり、グリーンがリーダーの色として使われているアニメもあります。

アニメーションの進化

色のイメージの違いが起きる大きな要因はアニメーションの進化にあると私は感じています。
キャラクターそのものの色が非常に細かなトーンで、原色の赤と白というようなシンプルな配色はなかなか見当たりません。昭和のように紙で見るより、TVだけでなくタブレットやスマホという発光物から見る機会が断然多いため、光を帯びたグラデーションを見るのも日常となっています。
色のトーンの数の増加に加え、光を持った色も見る機会が増えたため、色に対するイメージは大きく変化したと考えられます。


色のイメージの違いは次回、お話しします。

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