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001 経営に資する人事パーソンになるには

あはは、テーマが大きいですね。もっとカジュアルに考えましょう。経営に資するというのは、役に立つ人事と言い換えてもいいし、デリバラブルな仕事ができている人事と言い換えてもいいし、企業にとってなくてはならない存在になっている人事と言い換えてもいいし、市場価値のある人事と言い換えてもいいし、やりがいのある人事と言い換えてもいいし、まあ、ここを自分なりに言葉にしてみるのも意味があるように思います。
で、そんに人事パーソンになるには、何が必要になるかというところですね。以前に「人事の日」のサイトに寄稿した下記の記事だと、「顧客の明確化」「常識と良識」「人事プロフェッショナルとしての知識・能力・経験・ネットワーク」と書いてますね。

人事という仕事 ~人事の日に寄せてのメッセージ
何の仕事でも顧客、つまり自らの価値の提供先を意識することは大切です。人事の仕事の場合、それは経営と社員の二者だといっていいでしょう。経営と社員のそれぞれと、時には寄り添い、時には対峙する必要があるのが、人事という仕事です。いずれかに一方的におもねるのではなく、人事としての立ち位置でこれをやり続けることが、結果的に経営に資するのです。これは簡単なことではありません。
そんな人事に一番求められるものは、常識と良識だと思っています。それも相当に高いレベルでの常識と良識です。これが備わっていなければ、人事の仕事での判断はできません。逆にいえば、これが備わっていれば日々の判断はある程度はできます。
しかし、常識と良識だけでは、新たな価値の創造はできません。そこでは人事プロフェッショナルとしての知識・能力・経験・ネットワークが必要となります。人事という仕事は、実は非常に多岐にわたる専門分野を統合する科学的な仕事領域なのです。私たちに求められるのは、常に学習し続ける態度と、真摯に人に向かう気持ち、新たなものを求め創り続ける想いです。どっぶりとやれば、しんどくも魅力的な仕事が人事という仕事なのです。

あらためて、その通りだなあと感じます。昔の自分、偉いな。あと、ここにないことで必要なのは、「視座」と「胆力」でしょうか。これも絶対に必要ですね。どんなに優秀でも、この2つがないと本当の貢献はきついですね。「視座」は、HR-BPだったら本部長と同じ景色を、CHROだったら社長と同じ景色を観ようとすることです。カウンセラーがクライアントと同じ景色を観ようとする「理解的態度」と同じようなことだと思っています。大切なのは、同じ景色を観ることではなく、「観ようとする」こと。これは能力ではなく、意思なんです。経営者と本当に同じ景色を観るなんて絶対できないので、観ようとすることが大事なのです。同じ景色を観るのではなく、観ようとするのであれば、本気になれば絶対に誰でもできるはずです。その本気というのが、たぶん大事なんですね。それは「胆力」にもつながるところです。
この「胆力」、これは説明が難しいですね。いきなりですが、村上春樹の「海辺のカフカ」から引用します。うる覚えでもネットですぐに調べられるから便利になったものです。
「目を閉じちゃいけない。目を閉じても、ものごとはちっとも良くならない。目を閉じて何かが消えるわけじゃないんだ。それどころか、次に目を開けたときにはものごとはもっと悪くなっている。私たちはそういう世界に住んでいるんだよ、ナカタさん。しっかりと目を開けるんだ。目を閉じるのは弱虫のやることだ。現実から目をそらすのは卑怯もののやることだ。君が目を閉じ、耳をふさいでいるあいだにも時は刻まれているんだ。コツコツと」。
何があっても、目を閉じない、最後の最後まであきらめずに考え、行動するということでしょう。あきらめて、運命に委ねるといえば言葉はいいですが、それでうまくいくわけがありません。どんなにやばいことになっても、大失敗をしても、崖っぷちまで追い込まれても、もうダメかなと思っても、運命なんてのに委ねずに、最後の最後の最後の最後まで、「何とかすれぱ何とかなるんだ」「何とかならないと困るから何とかなるんだ」とあがくこと。たぶん、それが胆力みたいなものにつながるのではないかと思うのです。そして、もう1つ好きな言葉。「人事の仕事で命までは取られない」。そう、自殺さえしない限り、人事の仕事でそうそう人は死なないはず。なので、最後の最後まで頑張る。悲壮感一杯ではなく、ぬるぬると頑張る。命まではとられないからと思って。「何とかするしかないことは、たぶん何とかなるから」と思って。修羅場体験という言葉はとても嫌いなのですが、まあ、これに近い経験は残念ながら大切なのは間違いありません。最近だと、制度導入直前の役員プレゼンで気づいていなかった賞与制度の構造的な弱さに気づき、そのままいくか悩んだ結果、一晩で突貫でシミュレーションして制度を大きく変えたことなんかもありましたが、この時に悩んでいるとき「海辺のカフカ」思い出しました。この本も2000冊のSFと一緒に古書店行ですが。

なんか後進にHRの想いをちゃんと伝えないといけないなぁと思い、適当な連載めいたものをゆるゆると始めてみます。


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