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2021年、元旦

久し振りに初日の出を見に行った。といっても、元旦の都内の日の出は6時51分、そんなにハードルの高い早起きではない。でも、日の出の瞬間はもう十分に明るいので、夜明け前の青い空も見たければ、40分くらいは早く目的地に行く必要があるかなと思って行動。場所は葛西臨海公園。多くの自転車が公園に向かっていく。考えることは皆、同じ。ちょうどディズニーリゾートの上に日が昇る。少し場所を変えると舞浜大橋の上に昇る。海から昇る迫力はないけど、間に海があるので十分に情緒がある。太陽の光は凄い。一片の雲もない空に日が昇り始める。満月から二日立つ月が背後に輝く。月だって太陽光に照らされて輝いている。さらにその背後には冠雪した霊峰富士。こちらも陽を浴びて輝く。

家に戻り雑煮を食べるが、まだたっぷりと休日の朝がある。寝正月とは大違い。未読だった音楽座ミュージカル「SUNDAY」の原作「春にして君を離れ」を読み始める。すぐに引き込まれ、1時間ほどの熟睡時間をはさんで読了。舞台は計4回観たけど、原作のここの言葉がそのまま台詞になっているのかとか、ここをあの場面で表現したのかとか、今回の役者の皆さんを頭に描きながら読み続ける。映像配信を観たくなったが、なぜかe-plusを突破できなくて断念。でも、それはそれでいい。原作の舞台はほとんどが砂漠の宿。舞台よりも原作の方がさらにせつない。結局は、大切な人と向き合うことができない物語。向き合っていないことにすら気づかない女と、向き合うことをみかけの優しさを使って避ける男。砂漠で自分に向きあはざるを得なくなり、すべてに気づいたジョーン・スカダモアだけど、本当に相手に向き合うのはやはり難しい。誰もが人生の中でこれを感じているけど、傍らに置こうとしている。意図的に、はたまた無意識に。それが結局、致命的な事態にいたるのか、平穏に、そして優しげに人生を終えるのかは別として…。向き合うのは難しい。

あの文字数を舞台で語るのは難しい。脚本、演出、演技、一体となった成果だ。菜々さんの受賞はされるべきしてされたもの。しびれた。それにしても、昨年は誰しもが否応なく様々な事態に向き合わざるを得なくなった年。2020年。全地球的な事態が進む中で一人ひとりの人生も進む。それが物語だ。健康であり続けることの大切さ、人の痛みを感じることの大切さ、正解のないことを判断し続ける難しさ、否応なくそんなことを感じ続けた2020年。今年もそれは続くだろう。

ユングは40歳を人生の正午といったそうだ。となると、自分の人生を日曜日に例えると、もはや正午はとうに過ぎてサザエさんの時間だ。週末が終わる憂欝を「サザエさん症候群」という。人生の「サザエさん症候群」に陥らずに、生きていければいいんだけど。キャリアカウンセラーになりたい人にgcdfの講座を教えてるけど、いろいろと例えを使いながら語れば語るほど、やっぱり生きるって不思議で難しいと実感する。だから支援する人が必要なんだけど。

2021年、いろいろと多種多様な懸念事項はあるけれどとにかく始まった。晴天の下で浴びる太陽光線は無条件に気持ちよかった。早朝の空気もエッジがきいていた。リアルに生きている感じがした。リアルに生きている証として、今年はちゃんとアウトプットを続けようと思った。似たようなことを昨年の元旦も思ったような気もするが、まあ、それが元旦というものだと思う。今年もよろしくお願いいたします。

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