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022 課長の支援は人事部の最重要業務

久しぶりにリアル開催された「日本の人事部」主催の「日本の人事リーダー会」ですが、テーマは「管理職の役割とその課題」でした。登壇者は法政大学の坂爪先生。今週末に迫ったキャリアデザイン学会の研究大会委員長でもあり、とにかく週末の台風が気になってましたが、少なくとも大会期間中は大丈夫です。こちらも久しぶりのリアル開催、楽しみです。
まずは課長の役割の変化について。コアとなる役割りは変わらないものの、部下マネジメントの比重と、プレーイング・マネージャー化が進み、結果的に役割過多になっているのがわかります。さらには、部下マネジメントは料だけでなく、質も変容しています。課長への調査では、とにかく管理業務と部下育成にもっと時間を割きたいという思いが伝わってきます。
こういった話を受けて、グループでの対話の時間が2度ありました。最初は、何となく久しぶりのリアルに慣れないところもあり、スロースタートでしたが、そのうちに対話の温度は上がってきます。とても面白いと感じたのは、私も含めたグループの全員が「課長時代が一番、楽しかった」と語るところです。課長は、もろに現場に向き合い、メンバーに向き合う仕事です。部長になるとこの感覚は薄れます。一歩、俯瞰した目線が求められもします。それに対して、課長はずぶずぶで仕事ができます。プレマネも当然なので、みずから深い沼に足を踏み入れ、メンバーと一緒に何かを成し遂げる達成感を感じられる仕事です。そう、課長の日々の仕事には、まさに「ドラマ」があるのです。と、ここに集まっていた執行役員とか部長とかの面々はそう語るのですが、では私たちの組織の課長の皆さんがそのように自分の役割を感じられているのかどうかが肝心です。仮にそうでないのであれば、その障壁を取り除いたり軽減させたりするのは人事の役割です。
課長問題は、数年置きに取り沙汰されているような気がしますが、今回のうねりは今までで一番大きいのではないかと感じます。それだけ、課長はピンチなのです。1994年頃に生産性本部の経営アカデミーに通わせていただいたとき、私のチームの年間研究テーマは「課長の研究」でした。課長問題が時代を超えて話題になるのは、課長というポジションが組織にとって極めて重要なポジションだからにほかなりません。そして、環境変化を直接に受ける立場でもあります。課長がもっともつと元気になれば、組織はもっともっと元気になります。課長の元気を実現するための支援と仕組み創りこそ、今の人事部の最重要事項の1つです。

※長年、担当していた人事部長を引き継ぐことを決め、「人事部長、引継ぎシリーズ」を書いています。本稿もその流れで、第2回目になります。ご興味があれば、過去のものもご覧ください。


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