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キャリアに興味のあるHRパーソンの皆さんに。学会へのいざない。

日本キャリアデザイン学会という学会の副会長をやることになりました。研究者でもない単なる実務家の自分でいいのかなと思いもしますが、この学会、多くの実務家に参加いただきたいのです。キャリアをアカデミアだけで論じても仕方がありません。日本でもアカデミアと実務家の交流・融合が少しずつ進んでいますが、その促進役ができればと思います。なので、是非、皆さん、日本キャリアデザイン学会に興味を持ってください。

今日は、私が学会というものに入った経緯などを書きたいと思います。私はもともと社会学部という文系学部を卒業し、食品メーカーに入り、営業職でビジネスキャリアをスタートしました。メーカーですが、同期の半分は理系です。理系の人で特に研究所配属の人は、大学時代の研究の延長上を仕事としてやるケースが多いようでした。そして、論文を書いたり、学会発表をしたりするのです。論文も学会発表も企業組織に属していても「個人名」でやるんですよね。個人名が仕事として残るのです。それに対して営業の仕事ではなかなかそうはいきません。この顧客は自分がとった新規だとか、この銘柄は自分の発案で開発されたとか、人様の記憶に残る仕事はできるのですが、個人名が後世に残るようなことはなかなかありません(後に新設組織に自分のイニシャルを付けるといった茶目っ気はやりましたが…)。

で、30歳を前にして人事に異動になって、(ここに長いストーリーあるんだけど省略)生産性本部の経営アカデミーに参加すると、そこでは大学教授が入れ替わり立ち替わり、様々な講義をしてくださります。その中のお一人から「人事担当者も一つくらい学会に入ったらどうだ」と言われ、技術系の人が羨ましく思っていた自分としては、すぐにその気になったのです。で、その先生にどの学会に入るといいですかと聞いて教えてもらつたのが「産業・組織心理学会」でした。入会後、何度か足を運んだのですが、どうも敷居が高い…、扱うテーマもあまり実務的ではないし、お会いする方もなんとなく肌感が違う。そんなこんなで徐々に疎遠になってきました。そして、もう一つくらい入ってみるか、キャリアには興味があるしといって入ったのがこの日本キャリアデザイン学会です。ちょうどキャリアカウンセラーの資格であるGCDFを取得した頃で、入会後はそこそこ頻繁に研究会に参加しました。扱う分野も大学とか企業なので、非常に仕事にも密接で、出会う先生方もなんとなく肌感が近く、またごくわずかですが実務家の方もいらっしゃいました。その後、結構、HRやキャリアの勉強をして外部ネットワークも拡大した頃、日本企業の宿命として人事ローテーションがあり、HRを離れます。その3年半後には、人事の仕事に戻るために転職するのですが、このHRとしてのキャリアの空白の3年半は一番HRとキャリア関連の勉強した時期かもしれません。子会社の役員だったので、比較的スケジュールを自分で決められる立場であり、行きたい勉強会などにはほぼ必ず行けました。ただ、インプットばかりでアウトプットの場があまりないのは寂しいものです。そこで、仲間と学会発表にチャレンジすることにしました。その場はもちろん日本キャリアデザイン学会です。2年連続で発表しましたが、そのおかげで学会内のネットワークが格段に拡大しました。完全な実務家チームが発表するというのは、なかなか珍しいことだったようです。

転職後間もない頃に、キャリアカウンセリング協会の方から、新たにスーパーバイザー養成講座を立ち上げるので参加しないかというお声がけをいただきました。1期生好きの自分としては、喜んで参加します。しかし、想定以上にハードな学びの日々でした。講座の中で川喜多先生が登壇される日があり、終了後に呑みにいってあれこれお話しをしました。翌日にメールをいただき、せっかく学会に入ってるんだから、運営側とかも手伝いなよといわれて、二つ返事で手伝うことにしました。講演の登壇者、書籍の著者としてお名前を聞くような先生方に交じって、いろいろとお仕事をさせていただきました。大会の部会の司会やコメンテーター、研究会の企画、大会懇親会の進行、総会の司会など、頼まれるままにやってきた感じです。

こうやって振り返ると、自分自身からアクションをしたステップはほとんどなく、流れの中で自分のキャリアは培われているのがよくわかります。ほかの面でもまったく似たようなものです。キャリアというのは、本当に不思議で面白いですね。今、企業内でも社員のキャリア自律の重要性が叫ばれています。HRの仕事についている皆さん、是非、日本キャリアデザイン学会をちょっと気にしてみませんか。

今期は研究会企画委員会というのを担当し、毎月、研究会を開催する予定です。研究会といっても「キャリアデザインライブ」というブランドにして、ライブ感がある双方向の企画を続けています。次回は、12月20日(月)です。毎回、学会員は無料、非学会員からは参加費をいただくのですが、今回に限って非学会員の皆さんも参加費ゼロで参加できます。HRの現場に身を置き、学会にも参加する4人が、あれやこれやと語り合う緩い場です。学会活動のご案内もしたいと思います。ご興味のある方は、コチラからお申込みいただければと思います。

2021年 第4回キャリアデザインライブ!~キャリデザイントーク編
開催日 : 2021年12月20日(金)19:00~20:30
テーマ : 「世界史的事態に直面したこの2年とこれから。HRは何を考え、どこへ歩むか。企業人事に身を置く学会員4名によるワイガヤ・ダイアローグ~学会紹介も兼ねて」
【 研究会詳細 】
キャリアデザインライブは幅広いテーマを扱い、多様な分野で活躍する学会員に様々な学びの場を提供するとともに、学会員以外の方にも学会に興味をもっていただく場としても機能していきたいと思っています。今期は、11月~翌8月まで怒涛の10カ月連続のライブ開催を目指していますが、その2回目は非学会員の方にも気軽に参加いただける内容にしました。

当学会は一人ひとりのキャリアをテーマとして扱う学会です。キャリアを考える場合、単にアカデミアに身を置く人間だけではなく、ビジネス現場に身を置く実務家の皆さんとともに語り合うことは重要だと思っています。特に企業内でHRを担当している方には、是非とも興味をもって参加いただきたいと思っています。今回はそんな思いも込めて、人事の実務家でもあり学会員でもある4人が登壇し、ガヤガヤとダイアローグします。

この2年間、コロナ禍という世界史的な事態の中に私たちはいました。従来の当たり前を当たり前のように行うことが困難になり、様々なことを変えざるを得なくなった2年間です。これは逆にこれまではできなかった様々なことにチャレンジした2年間でもあり、あらゆることに真剣に知恵を絞り、真摯に取り組んできた2年間でもあります。HRの観点から、この2年間を「ポジティブに」振り返り、これからのHRが考える必要のあることに思いを馳せたいと思います。参加者の皆さんからもご意見をいろいろといただければと思います。

そして、今回は通常のキャリアデザインライブとは異なり、キャリアデザイントーク編と称し、非学会員の方も無料参加ができるようにしました。登壇者4人の学会参加動機や、学会活動の紹介もさせていただきます。学会員の方はもちろんですが、非学会員でHRを担当している多くの方の参加をお待ちしています。是非、この機会にキャリアデザイン学会に興味をもっていただける方が一人でも増えればと思います。
学会員の皆様は、お知り合いに拡散をお願いします。

日 時
2021年12月20日(月)19:00~20:30(オンライン入場開始:18:45~)

会 場
Zoomによるオンライン配信
※申し込みいただいた方にzoom IDをご連絡いたします。

登壇者
梶田マリ(株式会社モスフードサービス、当学会事務局次長・研究会企画委員会副委員長・広報委員会副委員長)
金子尚絵(株式会社税務研究会、当学会理事・事務局次長)
佐伯和則(株式会社ソラスト、当学会研究会企画委員)
田中潤(株式会社Jストリーム、当学会副会長・研究会企画委員長)

参加費
会員/無料、非会員/無料(事前申込制)

お申し込み  コチラからどうぞ


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