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441 「作れること」のバリューはどんどん目減りしていく。(稲田)2023/11/28

画像や動画やテキストやデザインの生成AIが一般化するのはもう間違いないとすると、「作れること」のバリューはどんどん目減りしていく。いよいよWeb制作会社は「何のために作るか/結果はどうだったか」に参与しなくてはいけなくなる。目的と手段と結果のフレームを描く能力が必要になるんですよね。

言い訳がましく聞こえますが、かつてのWeb制作は「手段の目的化」という罠に陥ってもまあ何とかなった。顧客側も「あればいい/かっこよければいい/社長の言う通りに作る」くらいに思っていた時代だったし。制作自体が目的化していたから「Web制作会社」というラベリングでも問題なかったけれど、時代も社会環境も変わって制作物は成果のための手段であり全体の一部に過ぎないことが現実化して、Web制作という名称だけではギャップが激しすぎるようになってしまいました。

「事業会社におけるWebの役割」とは本来そういうものなので本質に立ち返ったとも言えますが。本質から外れていたとしてもこれまでは「作れる」というカーテンで上手く隠せていたんですよね。でも、新しいテクノロジーの登場でもう隠せなくなった。

当事者であるWeb制作会社がその状況に一番キャッチアップできていないというジレンマもすでに発生していると思っています。生成AIなどの新しい技術に追いつかなければいけないのは当然のこととして、それってあくまでも手段の話なんですよね。新しいテクノロジーの変化速度と同じくらい自分たちのマインドを変えられないと社会の変化に対応できない。制作会社というマインドのまま旧態依然と手段の話しかできないようでは、顧客や市場にどんどん置いていかれるだろうなと思っています。それが一番怖い。

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