533 「社員を育てる環境」を整えないままに放置する採用リスク。(稲田)2024/4/17
こちらの記事を興味深く読みました。
詳細はぜひ記事を読んでいただければと思いますが、特に興味深かった「20代が辞める理由」を引用します。
さもありなん…と思いますが、注目なのが2022年の結果との変動が大きい項目です。
「人間関係が悪い/うまくいかない」が8位(2022)から2位(2023)
「社員を育てる環境がない」が14位(2022)から3位(2023)
特に「社員を育てる環境がない」の急上昇が目覚ましいですよね。昨年の14位から3位と11ランクも駆け上がっている。その気持ちはわかる気がします。今の20代30代の多くは同じ会社で働き続けようと思っていないし、いかにスキルを身につけてこれから先を生き抜く力を身につけるかが主題なのだから(しかもそれは全然悪いことではない)。自分の将来のことを考えたら最初の入社先で自分が成長できるかどうかは死活問題です。そんなの当然。
問題は「社員を育てる/成長を支援する環境をきちんと整備している会社」なんてほとんど無いということです。日本の企業数は約386万社だそうですが、99.7%が中小企業・小規模事業者です。つまり、ほとんどのルーキーは中小企業に入社する。そして、ほとんどの中小企業が「社員を育てるためのプログラム」なんて確立していません。それっぽい器は用意しているかもしれませんが、「市場価値のあるスキルが習得できそう/有能なビジネスパーソンとして成長できそう」とルーキーたちが実感できる内容になっているとは思えません。だって、今まではそんなの本気で用意しなくてもよかったんだから。自社内でだけ通用する旧弊かつクローズドな価値観で有能/無能をラベリングできたんだから。だけど、ゲームが変わってしまいました。圧倒的な売り手市場であり、人口減でこれからも解消される余地はなく、企業が選ぶ側から選ばれる側になってしまった以上、外部変化に対応できなければ不戦敗で終わるだけです。クローズドな価値観ではなく、市場に評価される価値観で社員を支援しなくてはならなくなった。というか、できなかったらゲームに参加できない。
でも、市場価値のある社員を育てる/成長を支援する環境ってどうやれば作れるか分かりますか?ぼくには全然わかりません。取り組んだとしても一朝一夕で完成する訳ないのでいったい何年かかるんだろうと思います。どれだけの労力と試行錯誤が必要なんだろう…と思います。地方中小企業の採用においてあまりにも高い壁です。どうしたらいいのか?全然わかりません。でもやるしかないんですよね。最上級の経営課題として。これからの地方中小企業はマジで大変だと思います。
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