『精霊の守り人』『闇の守り人』を読んだ感想
はじめに
上橋菜穂子さんの守り人シリーズを読んでいる最中なのでその感想を書きます。まずは、この2冊から。
最初に出会ったのは、小学校高学年の時で、教室の本棚にあったのを何気なく手に取って読み始めました。当時はなぜかこの2冊だけ読んで満足し、残りのシリーズ作品を読んだのは中学生の頃でした。今考えると、なんで読まなかったんだろうって感じですが、一冊で完結しているからかなあと思います。
好きなところ
やっぱり、あの圧倒的世界観です。ファンタジーなんですけど、どこかにその国がありそうとか、挿絵や言語的なところでも解像度をぐっと高めてくれている作品だなと思います。個人的には、中央アジアを思わせてくるあの舞台がとても魅力的に感じます。
『精霊の守り人』では、バルサとチャグムの旅の様子、そしてチャグムが自分の運命を受け入れて生きていこうとする姿がとてもまぶしいです。精霊の守り人になった時の経験や、その時に感じたことが、青年期のチャグムを形成していると思わせるシーンがたくさんあって、胸が熱くなります。そして、トロガイやタンダと過ごした冬、バルサと狩人の戦闘シーンもいいですよね。
『闇の守り人』では、バルサがこれまでの人生を見つめ直すというのが、大きな主題になっていると思います。チャグム同様に、バルサ自身もチャグムとの旅で人生を変えられたというか、自分の人生を見つめ直したと感じていて、もうその時点で二人の絆とかを感じてしまいます。
守り人シリーズで言いたいこと
ただの児童書じゃない!!ということを伝えたいです。シリーズの最初の方の作品は、ファンタジー色(異世界と現実世界のつながりを描く)が濃厚なんですが、後半になるにつれて、為政者や取り巻く人の考え、市民の声なんかが見え隠れしてきます。面白さとそのリアルさが共存しているのが面白いです。これからも何度も読みたいです。
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