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資産3,000億円 オーストラリア大富豪の友達、彼の私生活と生き方から学んだこと

私は最近までオーストラリアに駐在していたのだが、その時に、ひょんな事から大富豪と知り合うことになり、彼の家に招待されて、時々一緒にテニスをする仲になった。
その中で、彼の生き方から私が学んだこと、感じたことを皆さんとシェアしたいと思う。

彼とは、Gerry Harveyという人である。
有名人なので、ググると簡単に情報が出てくる。
彼は、オーストラリアで一番大きな家具屋と家電量販店の創業者/会長である。
TVやメディアにもたびたび登場するので、オーストラリア人なら誰もが知る著名人である。
ネット情報によると、彼の資産は約30億豪州ドル、日本円で約3,000億円。
オーストラリアの資産家格付け37位と書かれている。
(今回noteを書くにあたって、はじめて情報をぐぐってみた)

彼の会社とは取引があったので(といっても、我々は、あまたいる納入業者の1つに過ぎなかったが)、彼の本社は時々訪問していたが、Gerryの姿を会議室で見かけるようなことは、全くなかった。
(彼の車が本社に駐車されているのは何度か見た。)

では、どうやって知り合ったのか。
私は、週末オーストラリア人に交じってテニスをしていたのだが、そのテニス友達がGerryの秘書と知り合いで、納入業者の日本人社長にテニス好きがいるという話しがGerryに伝わり、彼の自宅のテニスコートで一戦交えようということになった。

Gerryの自宅は、シドニー市内から車で1時間以上走った郊外にあった。
周りは緑一面、自宅から数キロ内には信号やコンビニもないような環境である。
その自宅に30年以上住んでいるらしかったが、都会のマンション暮らしに慣れている私からすると、とんでもなく不便なロケーションであった。

見出し画像に貼ってあるのが、彼の自宅の写真である。
家から見える範囲はだいたい彼の土地ということで、ある時、テニスが終わった後に庭ツアーをしてやるといって、小一時間庭をぐるっと回った時の写真である。
分かりにくいが、写真の左の奥の方にかすかに見えるフェンスのところが、彼のプライベートテニスコートで、更にその奥に母屋がある。

庭はとてつもなく広いだけでなく、いろいろな樹木や花が植えられていた。
彼は、その樹木の名前を1つ1つ言いながら、これは日本にもあるはずだとか、この木(びわの木)は春になったら実をつけるとか、解説しながらゆっくりと案内してくれた。
トマト、パセリ、キュウリ、ハーブ類の植物など、野菜も多く、また、鶏も飼われており、毎朝、野菜と卵(卵は青色をしたものだと自慢していた)を、母屋から自分の足でテクテクと時間をかけながら収穫にくるそうである。

彼の自宅を訪問し始めた頃は、都会から遠く離れた不便なところで、よく生活しているなぁと感じ、お金がるのだから、もっと街に近い豪邸に移ったらいいのにと思っていた。
シドニーの中心部近くには、ハーバービュー、オーシャンビューの豪邸が立ち並ぶエリアが幾つもある。

加えて、普段の暮らしは質素そのもの。
写真に映っているGerryのテニスシューズは、もう何年も履き続けて、靴底がかなりツルツルになってきているのに、まだしばらくいけるといって、新しい靴を買わないといった具合である。

普段SNSやメディアを通してみることのある大富豪は、そのほとんどの人が、ブランド物のきらびやかな服飾品を身に着けているイメージだが、Gerryは全く違った。
車は10年おちくらいのLexusで、運転手はおらず、ほぼ毎日自分で車を運転して出社している。
夜お酒がでるDinneに参加するときは、タクシーでやってきて、配車したタクシーで帰っていく(ハイヤーではない)。

彼を理解してくると、並み居る富豪と異なり、Gerryの場合は、一般人が羨む高級車やブランド品といった価値観に、全く振り回されていないということがよく分かる。

Gerry曰く、そういった高級品は幸せを1つも持ってこないということだ。
口で言うのは簡単だし、教科書や富豪でない一般人がそういうのは、何度も聞いたことがあったが、本物の大富豪が私生活でこれを地でいっているのには、感心させられたし、インパクトがあった。
そう、ブランド品に左右されない価値観、幸福感というものが確かにある。ありがたいことに、私はそれを肌身で感じさせてもらった。

もう1つ、Gerryの生きざまから学んだことがある。
それは、年齢を言い訳にしないということである。

Gerryとはテニス友達だといったが、彼は今年84歳である。(知り合った頃は、まだ79歳だったが。。)
さすがに、シングルスはせずに、ダブルスをするのだが、毎回3セット、3時間くらいプレーする。
私とは週末たまにプレーするだけだが、彼は週に2-3回テニスをしている。(週末以外は早朝とのことなので、さすがに毎回、3時間はしていないと思うが)。
仕事ができる人には、体力お化けの人が多いというけれど、彼もまさにそのうちの1人だ。

私が日本に戻る日が近づいた頃に、Gerryと最後の週末テニスをした。
いつも通り、3時間ほどダブルスをして、その後、テラスでアイスレモンティーを飲みながら談笑していたのだが、その時に、Gerryが、自宅のテニスコートをリノベーションすることにした、と言ったから驚いた。

テニスコートは古びてはいたが、プレーするのに支障はなかった。コートの後ろ側のスペースは少し狭い感じであり、また、カーペットの下に木の根を感じる箇所もあったりしたが、しょせん我々はプロでもなんでもなく、たかが週末テニスである。(彼は平日もしているが。。。)
そういった意味では、今のままでも全然大丈夫である。

ましてや、彼は既に84歳である。あと何年プレーできることかと普通なら考えてしまうところだ。
ところが、彼曰く、84歳の今だからこそ、テニスコートをリノベするのだと言って、にやりと笑た。
まさに、年齢を言い訳にせずである。

その生き様に私は元気をもらった。

新しテニスコートが完成したら、彼ともう一度テニスをしたいと思う。
年上の大富豪と付き合うのもなかなか楽しい。


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