シン・神津島がガチで最高だった件(星空鑑賞ツアー篇)
どうもお久しぶりです、ジャバです!
みなさんはリスクヘッジ、してますか?(唐突)
はい、僕はしてません!😊(満面の笑み)
これは
「満天の星空を見たい」
という、大自然を相手にした
野望があるにも関わらず
一泊のワンチャンスに賭けた
雨男の
戦いの記録。
この旅が企画されたワケ
遡ること2年前。
我々は一度神津島を訪れていたーーー
その旅は、PCゲーム『この青空に約束をー』の聖地巡礼をしたいという大いなる主目的があり、上記の記事にもあるように確かに大満足の旅となった。
ただ一つの忘れ物を除いて……
そう、星空🌌を見ていないのだ。
あの夜はビビるほどの土砂降り⭐️だった。
▂▅▇█▓▒░('ω')░▒▓█▇▅▂うわあああああああああ綺麗そおおおおおおおお見たあああああああいッッッ!!!!!
だから我々はまた神津島に向かう。
イカr…イカしたメンバー集め
聖地巡礼はオタクにとってかなり人気の行事だが、""その作品を知らなければテンションが上がらない""という大きな問題点を孕んでいる。
しかし、今回の旅の目的は「綺麗な星空を見ること」!
こんなのオタクじゃなくたって好きだし、
男じゃなくたって好きだろう。(!?)
そう、今回のメンバー集めはいつものモテない男達の饗宴、喪男タイムズとは一線を画す、リアルが充実しちゃうかもしれない予感がした。
安心してほしい、おじさんの集会イケメンパラダイスだ😊
や、おじさんたちがあまりにフッ軽すぎたから順番が回ってこなかっただけで美少女に声をかけることだって出来たんだよ、ホントだよ。
閑話休題。
ここに前回の聖地巡礼でも同行したつきぞら氏を加えた4名が今回のパーティとなる。
12/15 プロローグ
過去三度に渡り行ってきた島遠征だが、今回はスケジュール調整から波乱の連続だった。
まずもって、現地合流となった。
島ですけど?
ねー。
これに関してだけは筆者の不徳の致すところってなもんなワケだが、メンバー集めを「声かけたら来そう」というフィルターだけをかけて行った結果、交通の便を度外視してしまった。
そのため、
ジャバ(大阪)
つきぞら(関東)
こしあん(関東)
ミズノ(北陸)
というけったいなパーティが爆誕。
さらに、筆者とつきぞら氏は前回の聖地巡礼で行えなかった【『この青空に約束をー』のオープニングで見ることのできる南栄生島】を抑えるべく、下田港から神津島に向かうルートは譲れないと来たものだ。
しかしながら、交通の便も悪く本航路に思い入れもないこしあん氏、ミズノ氏はあえてそんな無駄足を踏む必要はない。
そこで
こしあん、ミズノ:東京⇔神津島
つきぞら、ジャバ:下田⇔神津島
という珍妙なルート分岐により、我々オタクパーティは現地で相見えることとなった!
テレホン・ショッキング
📞Prrrrr……
金曜日の正午を迎えようかという時間に、
筆者のスマホが着信に揺れた。
ワイ「もしもし」
男性「ジャバさんの携帯ですか?」
ワイ「はい、そうですが」
男性「よかった。実はお耳に入れたほうが良いかと思いまして…」
ワイ「?」
男性「ジャバさん達おふたりが予約されている下田発の船、荒天で本日欠航しておりまして」
ワイ「!」
男性「明日ももっと波が高くなる予報なので欠航の可能性が高いです」
ワイ「!!」
男性「お友達…ですかね?別のお連れの方が乗るとお聞きしている本日22:00発の東京・竹芝のフェリーはなんとか出そうなので、そちらに変更なさってはいかがかなと」
ワイ「!!!」
男性「今回のご旅行で久々に会うご友人もいらっしゃるでしょうから、宜しければ全員でお越しください」
ワイ「ありがとうございます!!!!!」
いや聖人すぎん???
そう…何を隠そうこの電話の人物こそが、今回の旅の拠点となる民主のご主人、そして2年前の旅行でお世話になった民宿・菊乃屋のとっつぁんその人なのである!!!
↑↑とっつぁんとの出会い篇はコチラ↑↑面白いからぜひ読んでみてねすかさず2年前のnoteを宣伝するな
閑話休題。
そこからは怒涛の展開だった。
まずは同じ下田発メンバーであるつきぞら氏にルートの変更を連絡。
ここは時間的にも問題ないということでなんなくクリア。
そこから船便の運営会社である東海汽船様に連絡を取り、往路・復路両方の便を東京⇔神津島の大型客船に変更。
さらに前泊予定だった下田のホテルにキャンセルの連絡。当日連絡のためキャンセル料は痛いが、突然の連絡にも嫌な雰囲気も一切出さずに対応してくれた。
また機会があればお世話になりたいものだ。
そしてこのスケジュールの変更を元々竹芝発メンバーだったこしあん氏とミズノ氏に連絡を…
いや……ちょっと待てよ?😎
12/15 前夜祭
世の中には『報連相』という言葉がある。
これはコミュニケーションに重要な3つをまとめたビジネス用語だが、筆者が思うにそれはあくまでビジネス用語であって私生活に必ずしも必要不可欠なものではないと思うのだ。
もちろん、限度はあるが。
その『報告』『連絡』『相談』を""あえて""行わないことによって発生する、一つの催しがある。
そう、サプライズだ。
いるはずの人間が、いない。
いないはずの人間が、いる。
そんな「ひぐらしのなく頃に」のキャッチコピーのようなイベントにオタクは弱い。
かくして、前日祭ミッション【こしあんミズノにバレずに竹芝発の大型客船に潜入せよ!】が幕を上げた…!!!
時は過ぎ、大型客船の出発があと30分と迫った頃、第一の試練が筆者とつきぞら氏の目の前に姿を現した。
東京・竹芝客船ターミナル、
チケット発行のために訪れたこの地でチーム・こしミズとのエンカ率は急上昇!
自然と2人の息は上がり、額には汗が滲む。
ここでバレたら…少ししか面白くない!!
壁沿いで談笑している人、ベンチに腰掛けスマホをいじっている人などを視界の端で探りながら、最新の注意を払いチケットの発行と軽い晩飯の調達を済ませる。
バレてない、まだバレてないぞ…!
そんなオタクの無駄な努力を嘲笑うかのように、しばらくしてターミナルに第二の試練の開幕を告げるアナウンスが響き渡った。
「22:00発、神津島行きの便をご利用の方にご連絡です。乗船の準備が整いましたので、順番にご案内いたします。まずは特等・特1等・1等・特2等のお客様……」
・・・・・・は?
我々が確保した2等席(1番下)以外の人だけ先に乗船だと!?
チーム・こしミズも最も安価な2等席を確保している可能性が極めて高いこの状況で、この舞台設定はあまりに部が悪すぎる……
だがしかし、それでも立ち向かうしかない、
なぜなら、
それがエンタメというものだからだ。
全面ガラス張りのターミナル内部を外から伺う怪しいオタクがふたり。
我々は搭乗時間いっぱいまでターミナルで粘り、エンカウントする人数をギリギリまで減らしていく。
そして乗船待機列のほぼ最後尾につけると…
チーム・こしミズにバレることなく大型客船へ潜入することに成功した!!!🎉🎉🎉
だが、
試練はまだ終わっていなかった。
雑魚寝……だと!?
とっつぁんから連絡を頂いたあと最高速での予定の変更を余儀なくされた筆者でも、その際に「2等席・和室」という文言は視界の端に捉えている。
しかし、どんな部屋かまではしっかりと確認していなかった…!
今回の大型客船2等席は、上図のような14〜18人程度が一堂に会する雑魚寝ルームが少なくとも6部屋程度は設置されている。
つまり、6分の1の確率で同部屋、それでなくてもこの雑魚寝和室ルームには扉がないため、チーム・こしミズに我々の部屋の目の前を通られただけでその存在を悟られる危険が常に付きまとう。
どんだけ厳しい難易度設定だよ……ッ!!!
などとブーたれつつも、ひとまずは久々の船を満喫するオタク一行。
シャワー室で話した爽やかな青年によると、神津島の途中で寄る大島にて、オリエンテーリングの大会が開催されるとのこと。
なるほどなるほど、どこぞのサークルの合宿でもあるのかと思っていたが、それでジャージ姿の若い男女がたくさん乗船していたのか。
それにしても、シャワー室の青年が
「あなたもオリエンっすか?」
と爽やかながらも目の奥の闘志が隠しきれていないギラついた目でこちらに訊いてきたのが今更ながらじわじわ来ている、
こっちはキャリーバッグに防寒着とボドゲだけ詰め込んでるただのオタクやしな。
バチバチにライバル視されるなんて
俺もまだまだ捨てたもんじゃないらしい😎
閑話休題。
さぁ、メインのミッションに話を戻そう。
シャワーでさっぱりした筆者とつきぞら氏の2人、実はすでにチーム・こしミズの現在地を把握していた。
それが、ここだ。
は〜〜〜〜〜?????
ロールカーテンでプライベートスペース確保、さらに全席に個人用USBポートが付属してるなんて良いご身分じゃねーの。
……これが、
準備した者と、しなかった者の差か😭
とはいえこちらはシャワーでスッキリしたばかり。
「いや〜〜〜スッキリしましたわ〜〜〜」と濡れた髪にぽんぽんタオルを当てながらドヤ顔で目の前に現れてやろう。
驚く2人の顔を想像するだけで自然と口元が緩む。
さぁ、フィナーレ(ネタバラシ)だ!
こしあん「Zzz……」
ミズノ「Zzz……」
いや爆睡してんのかーーーーーい!!!!!
長旅の疲れもあるだろうし、筆者もわざわざ寝ている友人を起こしてまで自分の存在を知らしめるほど鬼ではない。
決着は明朝、また出直すこととしよう。
その夜は、つきぞら氏と共に雑魚寝ルームに設置されたテレビでフリーレンをリアタイしたり、スイカゲームに興じたりしながら更けていった。
同じ雑魚寝ルームに居合わせた大学生の女の子が電気の消えた部屋の隅で体育座りで壁にもたれながら、男の先輩にかなり真剣に恋愛相談している声をずっと聞かされていたのはまた別の話だ。
女の子「先輩なら……どうしますか?」
ジャバつき「柿!柿!でリンゴォ!!!!!」
HEYベイビー
色恋沙汰なんかで一喜一憂しているようじゃ、シャワー室のギラついた青年にはオリエンで勝てないぜ☆〜(ゝ。∂)
(筆者はシャワー室のギラついた青年を応援しています。)
12/16 波乱
AM6:00、船内アナウンスで目を覚ます。
どうやら大島に到着したようだ。
眠気まなこで雑魚寝ルームを見渡すと、何人か慌ただしく下船の準備をしている。
神津島の到着予定時間はAM10:00、まだ4時間近くあるが何故かスッキリと目が冴えていた筆者はそのまま起床することにした。
つきぞら氏は……寝てるし置いていくか。
チーム・こしミズに遭遇しないよう細心の注意を払いながら甲板へ。
爽やかな風が体内に溜まった生暖かい空気を入れ替えてくれる。
こちらに貼ることが出来ないのが惜しいが、しばらく雲の動き、出航時の島の景観などをタイムラプスに残したり、船内を散策して束の間の1人の時間を堪能する。
途中何人かと船内ですれ違ったが、皆目的が同じだからだろうか、軽く会釈する程度でお互い過度な干渉はしない。
この辺りの距離感の絶妙さは、気遣いに重きを置く国民性が如実に出ている感じがして面白い。
そうこうしているうちに時間はAM7:30、再び船内アナウンスが響き渡る。
「船内レストランがオープンいたしました。モーニングコーヒーや塩ラーメン、お茶漬けなどはいかがでしょうか?」
お茶漬けとな!?
なんだろう、名前を聞いただけで身体がお茶漬けが無いと耐えられないと悲鳴をあげている……
開店凸。
この素朴な味と適度な温かさが、筆者の長旅に疲れた心身を優しく包み込んでくれる。
お茶漬けをぺろりと平らげ、しばらく座席に残ってこちらのnoteの更新を続ける筆者。
しかし事態は一変する。
noteを綴るのに夢中になっていた俺は、
背後から近づいてくる一人の仲間に気づかなかった!
俺はその男に声をかけられ、気がついたら……
肝が縮んでしまっていた!
ジャ藤バんいちが乗船しているとヤツらにばれたら、また命を狙われ、周りの人間にも危害が及ぶ(及びません)
持ち前の悪知恵で動揺を隠すことにした俺は、男に「お茶漬けですか〜?」と聞かれてとっさに……
「おーう、つっきー起きたん…………だ?」
取り繕った笑顔で振り返るとそこには、
共に乗船したつきぞら氏が確かにいた。
それも、、
なぜかチーム・こしミズを引き連れて。
あれれ〜?おかしいぞ〜???
なんで3人が一緒にいるんだ〜〜???
さぁ、ここでネタバラシ。
答えは単純、このつきぞらとかいう男、目が覚めてから風にでも当たろうと無警戒に甲板に飛び出してチーム・こしミズと不意のエンカをぶちかましたのだ。
昨晩のワクワク、返してくれないかな?かな?
とはいえこちらもある程度、チーム・こしミズがレストランに訪れる恐れはあると感じつつも、【O・CHA・DU・KE】という甘美な響きに誘われてノコノコとレストランに赴いていた訳で、あまつさえnoteの執筆に夢中になりしっかりと背後を取られている。
この朝、どちらかがチーム・こしミズに気づかれるのは必然だったと言えるだろう。
それならば、起こってしまったことは仕方がなく、こちらの悪知恵に付き合ってくれたつきぞら氏に労いの言葉をかけてあげるべきだ。
そう思い筆者は口を開く。
「あーーーあ、誰かさんのせいで1番の見せ場見逃しちゃったなーーー!!!」(死体蹴り)やめろジャバお前ほんとそういうところだぞ
閑話休題。
波乱はまだまだ終わらない、それは窓の向こうで高く飛沫をあげている波など目じゃないほどに乱れ、荒れる。
3人と相席し、続々とモーニングがテーブルに並んでいく。
しかし、筆者はすぐに違和感に気づいた。
「あれ?こしあん烏龍茶だけ?」
そう、こしあん氏がお茶しか頼んでいなかったのだ。本人も「いやー入んないっすわw」と軽く流して窓際で静かに海を眺める作業に戻った。なるほど、朝食とかあんま取らんタイプか。
しばしチーム・こしミズの2人に昨晩からの無駄に洗練された無駄のない無駄な立ち回りを説明したり、2人がターミナルの時どこにいたのかや、船内での動きなど、こちらが知らない情報を受け取りながら、少しずつ状況を整理していく。
その作業が完了に向かう頃合い、AM8:00あたりのことだろうか?
「メインの遊び(チーム・こしミズとのエンカサプライズ大作戦)も終わったし、神津島までの残り2時間、こんなん…もうボドゲするしかねぇよなぁ!?」と筆者が提案した時のことだった。
ーーー視線だ。
ーーー視線を感じる。
どこだ!?誰に見られている!?
その問いへの解には、思いのほか早く辿り着いた。なぜなら、その視線は筆者のテーブルの向こう、正面に座っている男から向けられていたものだったからだ。
こしあん氏が、俺を見つめている。
いや……どちらかといえば、「睨んでいる」といった表現の方がしっくりくるほど強い目つき。
「なんつーことほざいてんだオメェ」と聞こえてくるような恨みがかった目つきでまっすぐ俺を見据えている。
彼は筆者が憎いわけでも、ボドゲが大嫌いなわけでもない。この場に、いつもニコニコ優しい笑顔を浮かべる彼をこうさせてしまう程の、別の要素があったに過ぎない。
そうーーー船酔いである。
この日、オタク一行の乗り合わせた大型客船さるびあ丸は、何度も何度も大きな波と衝突し大きく揺れた。
何を隠そう、この週末の天気は事前にニュースで注意喚起が為されるほど荒れていたのだ。
大島に着いたAM6:00以降、どこかの船内アナウンスで告げられたその時点での風速はなんと
秒速16m。
・・・・・・
風速16m/s!!?!??!?
陸地にいてもバランスを崩し、車を運転中ならハンドルを取られる感覚があるほどの風を、船なんて数回程度しか経験のないオタクパーティが船上でモロに被弾した。
その結果がーーーこれだ(顔面蒼白で脂汗が額に滲むこしあん氏を指差しながら)
グロッキー・こしあんが烏龍茶を二口と飲まずにお花を摘みに、もとい昇り龍を召喚しにレストランを後にする。
程なくして、ミズノ氏も「アッ、ヤバイ」と謎の単語を遺して駆け出していたが……彼は一体どうしたのだろうか?(すっとぼけ)
オタクパーティは、文字通り半壊した。
それからのことは、あまりよく覚えていない。というか、マジで何もしていない。
下船までの約2時間、皆が生き残るのに必死だった。
昇り龍の召喚士は、「電波だ!電波があるぞ!」と恍惚な表情を浮かべながら甲板でウマ娘のチャンミを回す電波乞食つきぞらを横目にさらに顔を白くした状態で船頭に向かい風に当たりながら横になった。
筆者も、現時点では酔ってないとはいえ油断したらすぐに持っていかれるであろうことは痛感しており、強い揺れの中で階段を降りて自室に戻ることは出来ず甲板で遠方を眺める時間が続く。
ここまでくると、もう意地である。
このタイミングでこちらが酔ってしまい、いざ下船だというタイミングでグロッキー・こしあんだけが妙にスッキリした顔つきで「いやぁもう復活ですわ〜^ ^」などとドヤられたら目も当てられない。
・・・・・・絶対に今このタイミングで酔うことだけは許されない…!!!
そういう覚悟で残り時間を過ごす。
別の島に船が停まった際に揺れが小さくなったタイミングを見計らって自室に戻り、おそらく同じように最後まで生き抜く覚悟を決めたつきぞら氏と合流、ラスト2時間、仮眠をとることで最後の時間をやり過ごす。
そして、
その時はやってきた。
12/16 上陸、冒険開始
筆者は勝利した。
風速16m/sの風に打たれて大きく揺れる大型客船の中で、グロッキーになることなく大地を踏みしめることに成功した。
大方の予想通り、グロッキー・こしあん氏も呪禁師・ミズノ氏もどこかスッキリした表情で「回復しましたわ〜^ ^」とのたまった。あぶねぇ、ここで◯んでたら笑いものだぜ。
ここから島での冒険が幕を開ける。
まずはとある""集合場所""に赴くこととしよう。
桟橋から少し歩いたところ、中心に立派な""菊""の紋様がプリントされた大きな紫の旗を掲げている、どこからどう見ても優しそうな風貌の彼、
もうお分かりだろう。
我らが救世主、民宿・菊乃屋のオーナー、とっつぁんその人である!
搭乗する船便を事前に連絡しておくと、民宿までの送迎をしてくださる神システムだ。
相席となった男性旅行客2人組と共にとっつぁんの車に乗り込み、今回の本拠地まで送って頂く。
道中、実際にとっつぁんの忠告通り我々が乗るはずだった下田からの便は欠航となっていたことを聞かされる。
九死に一生を得る、という言葉はまさにこういう時に使うのだろう。
さぁ、本拠地に到着だ。
とっつぁんから簡単に部屋や設備の説明を受けた後、筆者は単独で予約していたレンタカーの回収に向かう。
ここまで紆余曲折ありすぎて失念している読者もいるだろうから再度宣言しておくとしよう!
これは
「満天の星空を見たい」
という、大自然を相手にした
野望があるにも関わらず
一泊のワンチャンスに賭けた
男たちの戦いの記録である!
赤崎遊歩道
神津島港のよっちゃーれセンター食堂に立ち寄り腹拵えを済ませた後、オタク一行は快調に車を飛ばして海岸線を半周。
辿り着いたのはもちろん…
ここ!赤崎遊歩道だーーー!!!
神津島内でも有数の観光名所である赤崎遊歩道、
神津島が初めてのチーム・グロッキー……もといチーム・こしミズがいるんだ、来ない手はあるまい!
冬であるため飛び込むことは叶わなかったが、遊歩道から見る海は、絶景という他ない。
赤崎遊歩道ではオタクパーティ随一の「陽」の者・こしあん氏の提案で久っっっ々の自撮り集合写真をパシャリ!
「陰」の者はマジで自撮りしないからね、どれくらい撮らないかというと前回つきぞら氏と2人で来た時の集合写真は一枚も残っていない(真顔)。
神津島村郷土資料館
強い風で高く波飛沫を上げて荒れる力強さと、それと同じくらいの雄大な美しさを持つ海をしばらく楽しんだ一行が次に向かったのは、
ここ!神津島村郷土資料館だーーー!!!
前回訪問時にPCゲーム『この青空に約束をー』の聖地巡礼を一通り終えていた筆者とつきぞら氏には特にこれと言った狙いの目的地がないこと、チーム・こしミズ側も「悪天候ならぶっちゃけ夜(星空鑑賞)まで部屋でゆっくりしたいっすね」という意見であったため、筆者のわがままで郷土資料館を訪問する時間を頂くことに。
だってほらー?
島の歴史などから神津島をモデルにした南栄生島が舞台の神ゲー、『この青空に約束をー』の設定の元ネタが見つかるかもしれないだろーーう???
閑話休題。
資料館はぶっちゃけると予想以上に面白かった。
星空保護区ということもあり、星座や名だたる一等星の見つけ方をまとめた手作りの資料や、2019年(?)まで刊行されていた神津島のおじいちゃん・おばあちゃん達の作文集など、読み応えがある資料も多く、神津島の歴史をまとめた資料の中にも面白い内容のものが多かった。
中でも目を引いたのが…
神津島は「静岡県」だった!?
明治時代、神津島は筆者の生まれ故郷である静岡県に3年ほど編入されていたことがあったそうで。
えっ、じゃあ……
神津島は僕の故郷…ってこと?(違うよ?)
そしてさらにとんでもない資料が発掘される。
こしあん「ジャバさん大変です!」
ワイ「どうした!?」
こしあん「神津島は流刑地だったみたいで」
ワイ「おお」
こしあん「エッチな罪人が送られてます!」
ワイ「!?」
こしあん「いえちょっと待ってください…!?」
ワイ「!?」
こしあん「初犯の罪人は大島や新島に送られ、そこでもさらに罪を重ねた人が神津島に送られたようです!」
ワイ「めちゃくちゃエッチな島じゃねーか!」
こしあん「しかも地形や食糧面から大勢は送られていないみたいです!」
ワイ「選ばれしめちゃくちゃエッチな島じゃねーか!!!」
神津島は、選ばれしめちゃくちゃエッチな島だった。
違います。
正面入り口横すぐの展示(資料集など)の閲覧だけで軽く30分を要したオタク一行は、よーーーやく中の展示物の観覧モードに移行。
1階、2階に設けられた展示ホールは、公式HPに記載の通り珍しい出土品や民具、さらには船の遺物などがメインの展示物となるのだが、ここで筆者は、ここに来た本当の意味を知ることになる。
石に願いを込めて、その半分を親・子または友人に分け与えるって、、、
お前これお互いを思い合う男女がその標として割ったカケラの半身を分け合うという『この青空に約束をー』の合わせ石の元ネタじゃねーか!!!(クソデカボイス)(オタク特有の早口)(マジックテープの財布)
いや〜〜〜〜〜良いもん見た。
これだけで来た甲斐があったというもの、ワガママ言って良かった!
12/16 PM5:00事変
今回の昼の部は最後に港前のお土産屋さんに訪問したことで無事に目的を達成し、菊乃屋さんに戻って晩御飯、そして星空鑑賞に向けて体力回復に努めようか、という時間帯。
とある情報がオタク一行に届いた。
それは予想だにしなかった……いや、正直に言えば、そうなる恐れがあることは分かっていたもののどこか大丈夫だろうと楽観視していた内容。
東京・竹芝客船ターミナルから、神津島に向かう船が今晩出航しないことが決まった。
16日(土)22時東京発の大型客船が出ないということは、当然翌日我々オタク一行が本土に帰るための船便が来ないということだ。
大型客船が出ないのだ、当然今朝出航が取りやめになった下田発の高速ジェット船も同様に出航は取りやめになる可能性が高い。
我々は、神津島に取り残された。
ここからのオタクの動きは圧巻だった。
社会人のオタク4名、迅速に上司にメールやLINEを飛ばし、「今離島にいて日曜日の船が出航しないことが決まったため月曜日の出社ができないこと」を告げる。
休日にすぐに返信が来ることが良い上司の条件か、というと様々な意見があるだろうが続々と「了解」という連絡が来て事なきを得ていく面々。ちなみに筆者には一向に返信が来なかった。
そんな事態に陥っても菊乃屋さんで食べる晩飯はうんめぇええええええ!!!!!
金目鯛
でこぽん
刺身
カニクリームコロッケ
等々、今思い出してもヨダレが出てくるラインナップの数々をご馳走になり最高の飯テロ晩餐となった。
さらにこの食卓では、下船時のとっつぁん送迎車に相席した男性二人組とも話をすることができた。
なんでも彼らはラブライバーであり、まさに先ほどこの記事でも少し触れた『ラブライブ!スーパースター‼︎』の聖地巡礼のために神津島を訪れたとのこと。
しかもこの日、16日(土)は開催中の3daysライブの2日目というではないか。
武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナで開催されている上記の3daysライブに、彼らは初日と最終日に参戦予定とのことで、
「2日目空いてるけど東京とか関東の聖地ってほとんど行ったんだよな〜」
「どこか良いところないかな〜」
「そういや神津島まだ行ったことないな」
「うん、飛行機で帰れば3日前のライブ前に行けるな、よし行こう」
という思考プロセスを経てライブの中日に離島の聖地巡礼をぶち込んできていた信頼できるオタクたち。
しかも我々が「冬だから」と諦めた、赤崎遊歩道から海へのDIVE!も完遂したというのだから驚きだ。
とんでもないバイタリティのフレンズである。
「神津島から出る飛行機、調布飛行場着なんで武蔵の森に直通なんすよ!www」と自慢げに語ったバイタリティフレンズの満面の笑顔は今でも忘れられない。
そしてもう一つ面白かったのは、
うちのリーサルウェポン・ミズノ氏が話し始めてからわずか10秒足らずでバイタリティフレンズが、
「ハハッ、面白い話し方っすねwww」
と彼の持つおかしさと面白さを一瞬で見抜いたこと、大した慧眼である。
筆者もあーそうだよな初対面でもそうなるよな、分かるよwwwと肩を震わせた。
12/16 メインイベント
バイタリティフレンズに「船が来ないことが決まってるオレたちはゾンビのように待ってますよ、飛行機が飛ばなくて明日の晩もここで貴方たちと楽しくお話しできることをねw」などと軽口を叩きながらも、とっつぁんお手製の豪華な晩餐をペロリと平らげ、
オタク一行はいよいよ今回の旅のメインイベント、星空鑑賞🌌へ。
日中は風も強く天気も不安定、しかし「島の天気予報は7日中7日間外れるもの」というとっつぁんの金言もある。
それに今回は、パーティメンバーにリーサルウェポンである天下の晴れ男・ミズノ氏を擁している、我々は負けない。
そうして我々は、
自信満々に、
天気を確認するため
部屋のカーテンを
勢いよく開けた!
はーーーい、風も強すぎるし鬼のように曇ってて全っっっっっ然星も見えないので今日は解散でーす!
終 制作・著作 ━━━━━ ⓃⒽⓀ
幸か不幸か、竹芝から客船が出なかったためオタク一行には明日、日曜日の夜という星空への挑戦チケットが頒布されている。
なんだろう、そう思うとこの曇り空もイジワルな美少女神様のイタズラのようでなんとなく愛らしく感じてくる(いやそれは無い)
とはいえ、こうもガッッッツリと曇っていると暇だよな〜〜
今晩なにかやることあればな〜〜
やること……
ボドゲをするしか、ねぇよなぁ!!?!?!
ということでオタク一行が各自持ち込んだボードゲームを順番にプレイしていくことに。
ニムト
ゴッズキャンビット
コヨーテ
勇者ヌルポコ
ごきぶりポーカー
ハゲタカのえじき
ペンギンパーティ etc…
そしてボードゲームではないが、ポケモンカードの未開封パックを用いたブースターブリッツ!
元々はマジック・ザ・ギャザリングで親しまれている変則フォーマットだが、YouTuberがポケカでプレイしているのを見て今回の旅で是非一度やってみたいと思った次第。
ちょうどこしあん氏にお願いしていたポケカBOXをこの旅で受け取る予定があったのだ、ありがとう!こしあん氏!!
閑話休題。
件のこしあん氏が「まさか持ってきたボドゲを全てやることになるとは…」と呟いた通り、星空鑑賞しか予定のない旅では、ありえないくらいの時間をかけて数々のボドゲをプレイした。
どれも面白かったので単純にランキングを付けることは難しいが、筆者的には「ニムト」「コヨーテ」「ハゲタカのえじき」といった、決着までに速度感のある、戦略と運とのバランスが良質な数字を使ったボードゲームが好みに合うようだ。
既に12,000文字を突破しているこんな記事を、ここまで読んでいる酔狂な読者の中で「お前、じゃあこのボドゲも好きなんじゃね?」というネタがあったら是非X(旧Twitter)なんかで教えてくれると嬉しいぞ。
そんなこんなしているうちに、時計はどちらの針もてっぺんを通り過ぎしばらく経った頃。
明日のスケジュールに一抹の、もといそれどころではない不安を感じつつ、オタク達は眠る。
さぁ、明日はどんな1日になるだろう。
12/17 大波乱
当日AM7:30から電話を受け付けるという飛行機のキャンセル待ちに無意味と分かりつつ予約を入れた後、とっつぁんのお手製朝食を頂くため食堂へ。
ラブライバーのバイタリティフレンズ達とここでも話をしたが、お互いの出身地を話したり、SNSで繋がったりと親睦を深める。
彼らは正午過ぎに乗る飛行機を待つ午前の間に登ろうと、とっつぁんにこの日の風の強さで天上山は登れるか?と質問していた。
「この風で登る島民はいないなぁ」という回答だったが、とっつぁんが食堂から出た後に
「・・・まぁ自己責任か」
「だな」
と小声で意思共有していたのを筆者は聞き逃さなかった。
彼らの登山に、安し願いを込めて心の中で拝み石を渡しておこう。
食事中には、やはり下田発の高速ジェットも荒天のため運休になったとの連絡が入る。
万が一にも高速ジェットが神津島に向かい、無事に辿り着くようであれば、空席に滑り込むチャンスもあったのだが。
食堂の閉館時間まで存分にバイタリティフレンズとの交流を楽しんだ後、
とっつぁんに「帰る手段がないためもう一泊出来ないか」と打診するオタク一行。
(日)→(月)の一泊のため空き部屋があったのか、とっつぁんは快く承諾してくれた。
昨晩中に洗濯機を回し追加の衣類も確保済み、これで我々には衣食住の全てが揃った。
無敵というやつである。
全てのミッションを滑り込みで達成していく我々は、今再び威風堂々と†戦場†(ただボドゲをやっていくだけ)に戻るのであった……
12/17 PM00:45事変
バイタリティフレンズの対極に位置するオタクである我々一行は、午前中を宣言通り部屋の中でボドゲで対戦するのみで過ごし切った(ちゃんと島を満喫しろ定期)
だが当然ボドゲ戦士である我々も、
時間が経てば腹が減るもので。
今でも忘れない、それはこしあん氏が持ってきたボドゲ、ゴッズキャンビットの一回目の対戦を終え、
「大体ルールはわかったZE⭐︎」
と、どこぞの小隊よろしく、自身の負けをチャラにし、昼飯のサイドメニュー奢りを賭けた第二回戦をおっ始めようとカードを配り終えた時のことだった。
Prrrrrr…………
つきぞら氏のスマホが、鳴った。
息を潜めるオタク一行、途端に静かになった部屋には、つきぞら氏と電話越しの男性の声だけが木霊する。
そして我々は、電越しの男性からとんでもない情報を受け取るのだった。
男性「つきぞら(仮名)様ですね、NCA新中央航空株式会社、神津島空港でございます。」
つきぞら「!? はい」
男性「ご連絡を頂いておりました、本日の便なのですが、キャンセルされたお客様がいらっしゃいますのでご搭乗頂けます、いかがされますか?」
つきぞら「えっ、は!?4人ですか!?」
男性「はい、4名さま全員お乗りいただくことが可能でございます。」
つきぞら「!?!?? 乗ります!」
男性「かしこまりました、では、、、
1時10分頃までにロビーにお越しくださいませ」
・・・・・・
・・・・・・
1時10分に空港着!?
この時の時刻は0時45分を過ぎるかという時間だったと記憶している。
無駄かと思えた朝イチの電話が、まさかこんな形で身を結ぶとは。
辺りを見回す。
4名全員の敷布団は引かれた状態、全員がパジャマ姿のまま敷布団の上でペチペチとボドゲに興じていた部屋は積まれたボードゲーム、ポケモンカード、イカゲソの如く広がった充電ケーブルと、お世辞にも片付いているとは言い難く、さらに部屋の外には急遽明日用に洗濯され干されたままになっている大量の衣類たち。
一瞬の沈黙の後、、
オタク達は一斉に動き出した!!!
タイムリミットまで30分を切っている。
菊乃屋さんから空港まではおよそ11分、
オタク達は慌てて外に出られる衣服に着替え、生乾きの洗濯物も躊躇なくキャリーバッグに詰め込んでいく。
さらにミズノ氏がとっつぁんに「飛行機にキャンセルが出て帰れるかも知れない」と事情を伝え、宿を飛び出す意思を共有した。
その場に居合わせていないためその姿を筆者は見ていないが、急遽追加の一泊が決まった我々オタク一行の今晩の晩餐のために買い物を済ませた直後だったらしく、両手いっぱいのビニール袋を抱えた状態のとっつぁんにその事実を叩きつけたというのだから申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
こればかりは材料費を払ったから大丈夫で済ませられる問題ではない。
荷物をまとめ、とっつぁんに「飛行機が飛ばなかったら帰ってきます!w」という軽口を飛ばし、それ以上にレンタカーを法定速度内で空港までぶっ飛ばすオタク一行!
そして。
我々は、完全勝利した。
つい30分前まではパジャマで寝転がっていたオタク4名全員が、外行きの衣装に身を纏い社会人ぶった表情で空港のロビーに腰掛ける。
飛行機が滑走路に無事に着陸した時は、他のお客さん達と共に歓声をあげて喜んだ。
今だからこそ笑い話だが、ああいう一体感はトラブルがあってこそであり最高の高揚感を得られた瞬間だった。
その後は神津島⇔調布空港までなんとたった45分の爆速短時間フライト。
もちろんそれ相応の対価を支払う必要があるが、12時間も船に揺られたことでパーティが半壊したオタク一行にとって、この短時間での本土帰還は願ってもない条件である。
件のグロッキー・こしあん氏も「もう大型客船には乗れない……」と飛行機ちゃんのつよつよフライトに分からされていた。
ちなみに余談ではあるが、2日前の地獄を生き抜いた面構えの違うつきぞら氏は完っっ璧に酔ってグロッキーになっており45分1ラウンドKO負けとなっていた模様。
終わりに
今回の旅は、予定調和が一切ないトンデモ旅だった。
島への航路も当初の予定通りとはいかず、
悪天候により帰りの船便もなくなる異常事態。と思ったら最後の最後で本土帰還のためのラストチャンスが降って湧いたことで帰還経路さえも海から空への大変身を遂げた。
そしてなにより、
また星空を見ることができなかった😭😭😭
通算0勝2敗(2泊)、筆者の神津島星空鑑賞チャレンジはまだまだ続きそうだ。
今回の旅を同行してくれた3名はもちろん、この記事を読んで、筆者と一緒に神津島に行きたいと思ってくれる酔狂なフォロワーがいれば是非連絡をしてくれ。
晴れ男、晴れ女だとよりオーディションに受かりやすいのでよろしく頼む(雨男がなんか言ってるぞ)
とはいえ、トラブルの大変さ以上にとても楽しい旅路だった。
仲間達との旅行は笑いが絶えない貴重な時間で、これは部屋にこもってお絵描きやゲームに興じているだけでは決して得られない体験だ。
またこうやって、どこかの旅先で大いに笑った後、思い出のアルバムに記録を残すようにnoteを綴っていきたいものである。
その時はまた皆さんに楽しんでもらえることを祈って。それではまたいつか、どこぞの島(の記事)でお会いしましょう!w
おつかれさまでスター!!!!!🌌🌌🌌
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