見出し画像

民主主義が崩れる音

日本は民主国家だといわれています。多くの人が、そう、信じて疑わないでしょう。でもここ数年で行われてきたことの多くは、民主主義とは言い難いものばかりです。あまり耳慣れないけれど、実は恐ろしい『代執行』。

本当にこのままでいいのか、ぜひ一緒に考えてください。


代執行とは

代執行とは、正式には行政代執行という手続きで、都道府県が怠った事務や管理を国が代行して行うことです。

たとえば、民家の植栽が公道に大きくはみ出てしまい、都道府県で指導しても所有者が対応を怠って通行が阻害されているなどの場合に、行政が植栽の伐採を強制執行させることができます。
ただし、代執行には厳格な条件があり、やむに止まれぬ事情で権利行使ができない場合にのみ行われます。

2023年に行われた大執行が、本当にやむに止まれぬ事情なのかどうか考えながら読んでいただければと思います。


沖縄県辺野古 沿岸部埋立の大執行

米軍のために、その土地に住む人々が反対し、県民投票まで行われた辺野古移設・沿岸部の埋立を国は代執行により埋めました。


群馬県高崎市 朝鮮人追悼碑の撤去

群馬県高崎市にある「群馬の森」。そこに歴史遺構として設置された朝鮮人追悼碑を「政治的活動」を理由にして撤去を代執行という形で行いました。

地元の民意を曲げる手段と化した執行

基地問題や日韓問題は、善悪や白黒では割り切れない部分もあります。ただ、今回の代執行にはどちらも地元の民意が反映されているとはいえず、また深い議論もせずに強制執行されたことは事実です。

代執行を振りかざしてしまえば民意を無視してもいいという状況がつくられてしまっています。


「仕方ないよね」とはならない

その土地に住んでいるのは、その土地の人たちです。歴史を剥ぎ取られたり、土地を傷つけられたりしたあとも、その土地で生きていかなければなりません。

まさのあつこさんのnoteでは沖縄の代執行についても記載があります。沖縄の悲痛な声が生々しく聞こえてきます。

今の状況を許してしまうと、それらしい理由をつけて住む場所を追いやられてしまったり、財産を取り上げられてしまったりといったことも可能になってしまいます。

他人事として聞くと「でも仕方ないじゃん」という人もいるでしょう。

理不尽な理由で土地を追いやられたり歴史が削り取られていくことを「仕方ない」と済ませるのは恐ろしいことです。

あなたが住んでいる地元の海岸がある日突然埋め立てられたら?山が削られたら?

街の風景となっていた歴史遺構が削り取られて、その歴史がまるで「なかった」かのように意図的に風化させられようとしていたら?

これは声をあげるべき問題です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?