『イイあんべ〜』を知るために自分に小さなチャレンジを...。

2021年6月2日 23:26

毎月レシピと一緒に
季節のエッセイお渡ししています。
6月はコチラ✨

【夏至】　６月２１〜７月７日〜
　　梅子黄　うめのみきばむ

塩と梅酢から生まれた言葉、塩梅「あんばい」。
加減、具合の事をいう言葉、塩梅「あんばい」。

料理の味加減や、身体の具合など
程よい心地よさを表す言葉ですが
本来の読みはえんばいといって
食酢がまだなかった時代
梅を漬ける時にできる梅酢を
使って昔は様々な味付けをしていました。

この「いい塩梅」というのはどこまでいっても
個人個人の微妙な感覚で
しょっぱくもなく、甘すぎるわけでもなく
その程よい加減＝いい塩梅というものがどのような具合を指すのかは人それぞれ
味わった経験値の中でしか
測れない事なのかもしれません。　

東洋には『中庸』という思想があって
その概念は中心とは違います。

陰陽の考え方が基本となる中庸は
極と極の相反する偏りがあるからこそ決まる
その尺の中でのちょうどいい場所、だから
基本は外側の極。

人は何か自分がこうだと思う
物事の極に向かう流れの中で
いつしか極まった所から省みる時間が訪れ
そういった経験を知るからこそ
心地よい感覚を掴めるようなるのかも
しれません。　

極を知るからこそ、自分の幅を知り
超過を知り、不足を知るから
過不足のないまあまあいい感じというところがわかるようになるのでしょう。

そして『中道』という考えもあり
似たようで違うこの概念もややこしくなるのでこの辺にしておきますが、、、
そう考えると極に向かう事が
悪いようにも感じられるけど
私、そんな時があっても
いいんじゃないかなと思うんです。

人生を振り返るって、つまり人生って
結局は自分以外の誰かや何かとのこと。

自分以外の誰かや何かと出会って
その『間』を通して出逢った
出来事と感情のプロセス全体が人生。

挑戦したのに失敗したり
良かれと思ってやったのに
厄介なことになったり

そんな挫折を知ると
チャレンジすることにブレーキがかかる時があるかもしれないけど、
でも、ちょっと落ち着いた頃

そんな大きいことじゃないかもしれないけれど
ずっと続く事じゃないかもしれないけれど
何かちょっとやってみたいなという事とか
ああ、それも悪くないな？という様な
少しの『やってみようかな』があったなら

新しい極に向かって今を使ってみるのって大事じゃないかと思うんです。

所詮今の身の丈にあったものしかできないから
やって見たいなと思う所があるなら
そこに向かっては
チャレンジしようっていう小さな気持ちを
大事に持っていて欲しいなと思うんです。

新しい選択肢を自分に与え
変化を自分に与えてあげることで
一つ、自分自身への陽極のへの物差しを
作ってあげること。

そこには昨年とはまた違ったステージで
何かがあり

もしかしたら
気の合う同じ感覚を持つ人たちと出会ったり
はたまた厄介な事が起こるかもしれません。

でも経験したからこそ
臨機応変の対応ができるはずだし
興味関心気になる事を経験をして行く過程で
何か、自分の中にあった可能性のスイッチを入れさせてくれる原動力になってくれる出来事もあるんです。

そうやって数年後全く違った世界が広がって行く未来も可能性として有り
やるかやらないか
それも、毎回、選べます。

自然の巡りは素晴らしく
陰陽、陰陽を繰り返しながら
どちらも過度にならない様に
極まった所で
必ず戻るということをしてくれるから

両方にまたがるリズムある
自然の中で生きている私たちの命。　　

たった１回の人生だからそこは自然に任せて
小さなチャレンジを
自分にさせてあげるという事

遊び心の選択の積み重ねも
真剣な選択の積み重ねも
一つずつ重ねていく事

そうやって本当の自分を生きることができたら
いつ何があっても悔いはないんじゃないかなあと思うんです。

人と人との繋がりが面倒という事もあって
外に出るのが面倒で、人が面倒で、
人が怖くて出られない時期が私にもあったけど
それでもやっぱり、
自分の持つ可能性にどこか惹かれるから

新しい『間』に出会って、経験して
２０２１年夏至。陽極まり、陰と転ず。

この一年の中で、
昨年とは違った『いいあんべ〜』を知るために
ぜひ、自分自身に、小さなチャレンジを。

そこで苦味を味わっても
今回の梅はしょっぱかったんだよ〜って
分かち合える友がいたら。

あいや〜ほんとだ、しょっぱいね〜って
そんな時もあるよねって。
そうやって分かち合える人が一人でもいたら。

苦味を知った中でいい塩梅に調整して
そしてまた新しい梅干し漬けてみようかなって
明日を頑張ってみようかなと
思えると思うんです。