見出し画像

映画監督

映画監督だった大好きな遠い親戚の作品を初めて観た。

名前はあえて出さないが、戦前に生まれ、戦後に活躍した監督だ。ずっと観てみたかったが、レンタル屋にDVDとかがなかったのでみられなかった。が、今回初めてみることができた。

もう本人は亡くなってしまったが、なんだか久しぶりにその素敵な美的センスに会えた気がして嬉しかった。

作中に出てくる役者が発するセリフ。カメラカット。音楽。脚本。もちろんチームの作品ではあるが、その全てが監督という1人の人間の意思や価値観から紡ぎ出されて映画になっていると考えると本当に映画は面白い。

好きな映画や監督はいくつかあるが、その監督の為人を知っている、というのは初めて。非常に面白かった。

備忘録として作品の好きだった点

カメラワーク。カットが美しかった。
女性役者の発するセリフ。役者が素晴らしいのもあるが、その力強さや行動は監督のセンスが体現されていた。
何かに「賭ける」というテーマ。監督自身の人生を知っているからこそ。
当時の東京の映像。ネオリアリズムやドキュメンタリーとして面白かった。

考えたこと。

映画作品はその作品に携わった人の生きている証だということ。莫大な資金と、人と時間を費やしていることを考えると、まさに映画に賭けているということ。
50年代の日本映画は、なんか親が生まれ育った時代であり、ジジババが価値観に悩みながら生きた時代だということが映像に残っているのが面白い。自分はそれをみて、「いかにして生きるか」ということを考える。安定も生きている実感も大切だが、それが両立できないのか。今の自分を考えると、それはできる感じがする。

久しぶりに映画をみることができた。一つの作品をゆっくりみることができる幸せ。そろそろ保育園に迎えに行かなきゃ。