「サプリが効かないから増やす」はやめよう-ヘム鉄サプリ・鉄剤
1つめのよくある間違いは
「サプリを増やすことで解決しようとする」こと。
特に多いのは「ヘム鉄」です。
貧血がある時にヘム鉄を摂ると、あっという間に数値が上がります。
1週間でヘモグロビンは10から12まで戻ります。
通常は10mgの鉄をとっても、1mgしか吸収されません。
炎症の要因にもなる鉄の出入りは体が厳重にチェックしています。
でも貧血になると、腸の鉄取り込みタンパクが増えて
すぐに2mg吸収できるようになります。
貧血になりそうになったら、鉄の吸収を増やす。
腸はそういう作りになっているんですね。
生体恒常性(ホメオスタシス)というんですね。
貧血になるのは、生体恒常性が上手く働いていないからなんです。
そんな非常事態には何かしらの原因があります。
それを放っておいて、鉄をサプリで大量にとり赤血球の帳尻を合わせるのは危険ですよね?サプリで貧血が改善できるならまだいい。
サプリの鉄を摂ってもヘモグロビン値やフェリチン値が上昇しない人は、鉄の吸収が相当悪いということを意味しています。
でも、信じられないことに、その状況で
さらにヘム鉄サプリを増やそうとする人がいるんです。
警察がパトカー100台で検問をしているのに
戦車でそこを無理やり通ろうとしているようなもの。
ヤバいですよね?
貧血時にヘム鉄を摂ると
フェリチンは上昇していきますが
途中で頭打ちになります。
生体が鉄をこれ以上入れないように制御しているんです。
なぜ入れないようにしているのか
という理由をぜひ探しましょう。
ヘム鉄の阻害要因で大きいのは
「腸内環境の悪化」と「炎症」です。
腸内環境の悪化というのは
「消化不良」
「ディスバイオーシス」
「リーキーガット」
が含まれます。
炎症というのは脂肪の蓄積や腸・耳鼻科・歯科領域の慢性炎症なども含まれます。これらがあるかどうか一つずつチェックして、対策すればいいだけ。
栄養を考えるというのは、サプリを摂ることとイコールではなく、
様々なことを考慮して、最終的に栄養の代謝をよくすることなんですね。
意味もなくフェリチン値50以上を目指すのはやめましょう。
改善すべきは根本的な症状改善と生活の質です。
フェリチンは炎症のマーカーでもあることを忘れないでください。
2つ目は「ネットで得た知識を信じ込むこと」
「他人の成功体験談をまねてハマった」
「何をいつまでどのくらい使えばいいか分からない」
「いつか効果が出ると信じている」
こういう方は多くの質問事項を持っていますが
栄養学や生化学の知識の土台がないから
疑問点が次から次へと湧いてくるのです。
糖質制限をして具合が悪くなる人は
「糖質制限をした人の体験記を読んだ」
「糖質制限をすれば低血糖を起こさないと思った」
と他人の経験をそのまま自分に取り入れています。
人には「個体差」があります。
糖質制限に向いているかどうかにも個体差があります。
個体差を知るには
「糖質代謝の仕組み」と「検査の読み方」の
両者の知識が必要です。
人の体は糖質と脂質を主にエネルギー源としています。
(タンパク質は窒素を含み、エネルギーとしては理想的ではない)
脂質の代謝がスムーズでない人
(カルニチンがうまく作れていないとか)は
糖質制限をすると具合が悪くなる傾向があります。
また、糖質を貯めているグリコーゲンの分解が
うまくない人も糖質制限で低血糖症状が悪化します。
多くの人がハマる3つ目の間違いは
「余ったお金を新たなサプリにつぎ込む」こと。
根本原因に対してアプローチし、それが上手くいけば
必要なサプリメントは減っていきます。
サプリは最初から不要です。
根本原因を修復するとサプリは
どんどん「効く」ようになっていくのは必然ですが
それが快感でどんどん効果のあるサプリを探し求める人がいます。
サプリ摂取はあくまでも手段です。
目的にならないようにしましょう。