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だから、伝統工芸品を好きになる。

工芸好きの旅人、はるかです☺

数年前から工芸品にハマった身ではありますが
あらためて伝統工芸品の魅力ってなんだろうと考え始めてしまい、自分なりにまとめてみました。


もちろん他にも魅力があるはず。ぜひコメントで教えてください✨

そもそも伝統工芸品って?

並ぶと圧巻の伝統工芸品。

まずは、辞書的な意味から。

「工芸品」とは、日常生活において使用される道具のうち、その材料・技巧・意匠によって美的効果を備えた物品、およびその製作の総称を指します。

経済産業大臣の指定する”伝統的工芸品”は、令和5年11月現在、全国で241品目あります。この他にも都道府県が定めた工芸品などを足し合わせると1000品目にのぼります。

たくさんある、伝統工芸品の魅力

〇職人の手作り

見学することができる工房も多くある

伝統工芸品が好きな理由を聞かれたらまず第一に答えるのは、「職人技による精巧なつくり」です。代々受け継がれてきた技法の精巧さと手作りならではのぬくもり。その妙技には一目見るだけで惚れぼれします。

〇利便性が優れている

「目で見て楽しい、呑んで美味しい」江戸切子の魅力です……🍶

長年人々から愛されている伝統工芸品。利便性にも優れています。(意匠が素晴らしいのは、大前提。)

例えば、江戸切子のぐい呑みは、お酒を嗜むのにちょうどいいんです。

〇経年変化を楽しめる

「貫入」を楽しむ前提のグラスもある

同じものを長く使っていると、いつかは古くなってしまうもの。伝統工芸品は、経年劣化を楽しむことができます。

例えば、南部鉄器や山形鋳物などの金工品は、「錆び」が出てきますが、適切にお手入れをすると、鉄分を多く含むお湯をつくることができるようになります。
陶磁器なども長い間使っていると、落ち着いた色合いに変化したり、貫入が進んでいきますね。

〇修理して使い続けられる

欠けた箇所がうつくしさにつながる。

「金継ぎ」の技術が有名です。陶磁器が割れてしまったときに、漆などを用いて修理する技術のことです。修理して使い続けられる点も伝統工芸品の魅力だと思います。

〇日本の歴史と地域の特性を知る機会になる

工芸品を通して、地域の歴史への理解を深めていくことはすごく楽しい(社長談)

伝統工芸品やその土地ゆかりの産業には、その土地の文化やそこで暮らしていた人たちの思いがたくさん詰まっています。

長い間、受け継がれてきた分、歴史があります。

〇自然との調和

貴重な資源である漆。

伝統工芸品は、その土地の特性に合わせた原材料を用いています。

例えば、漆の木の育成には湿度が高い環境が適しているため、漆器産業は盆地で栄えていることが多い。石川県加賀市の山中漆器や福島県会津若松市の会津塗りなどがあります。

また、限られた資源の中で「必要な分だけつくる」という伝統工芸品に通じる考え方は、自然資源の無駄遣いを避けるものです。

伝統工芸品の課題

技巧のつまった器

機能的な側面だけでは言い尽くせないのが伝統工芸品。

その魅力をよく知らなければ、「安さ」を基準に百円ショップのコップを選ぶこともあるでしょう。事実、”ジュースを飲む”、”お酒を呑む”だけなら、それで事足りるからです。

伝統工芸品産地には、後継者不足に悩まされている場所も少なくありません。だからこそ、職人の意匠、思いなど伝統工芸品に詰まっている魅力をより多くのひとに知ってもらうことで、この業界そのものがもっと盛り上がればいいなと(勝手ながら)思っています。

伝統工芸品をジャンルでみていくと?

〇 陶磁器

陶磁器は、焼き物の種類「陶器」と「磁器」のこと。
日本の焼き物産業は、室町時代から安土桃山時代にかけて流行した茶の湯の文化をきっかけに、華々しく発展を遂げていきました。

例えば、日本初の磁器の産地である、佐賀県の有田焼。九谷五彩と呼ばれる鮮やかな絵付が特徴の、石川県の九谷焼など、さまざまな産地や窯元があります。

産地ごとに異なる魅力をもつ陶磁器。直接目にすることができる陶器市は、必見です。

漆器

丁寧に塗っていく

独特の艶感が美しい漆器は、漆を塗った器のこと。

断熱性が高く、熱々のスープを入れてもおいしく頂くことができます。また、重ね塗りをすることで耐久性も上がり、陶磁器に比べて頑丈であることも特徴です。

全国には、伝統的工芸品として登録された産地が、現在のところ、23ヶ所あります。石川県の輪島塗や山中漆器、ものづくりの街として有名な、福井県鯖江市の越前漆器などさまざまです。

金工

高温の中、鉄と向き合う職人

金工品とは、金属を加工してつくる工芸品。
岩手県の南部鉄器や山形県の山形鋳物は、金工品です。ずっしりとした重厚感を持ち、飲むと鉄分が取れます。

また、「銀」では1979年に伝統的工芸品に指定された東京銀器があります。「銅」では、新潟県燕市の燕槌起銅器と富山県高岡市の高岡銅器があります。燕三条は、オープンファクトリーの先がけとしても注目されています。

ガラス工芸

琉球ガラスは、気泡がいいんです。

日本のガラス工芸は大きく分けて「カットガラス」と「吹きガラス」のふたつ。
ガラスの表面に花鳥風月などの紋様をカットしていくカットガラスは、東京の江戸切子と鹿児島県の薩摩切子、そして大阪府の天満切子があります。

「吹きガラス」は、その名の通り、熱したガラスを吹いて造形する工芸品です。なめらかな仕上がりが人気の「肥前びいどろ」や、浮き玉から着想を得た「津軽びいどろ」また、廃瓶を再利用した「琉球ガラス」が有名です。

〇 日本刀

日本刀は、洗練された刀姿を美術品として高く評価され、国内外で人気を博しています。日本刀として認められるには、原材料が「玉鋼」と呼ばれる鉄の塊であることと「鍛錬」と呼ばれる、職人によって鉄を打ち付ける工程を経ていることの2つの条件が必要になります。

人斬りの道具から美術品・工芸品として役目を移していった日本刀。上野の国立博物館で展示物として見ることもできます。

産地全体で、伝統工芸品を知る機会がある。

工房見学やトークショーなどのイベント。地域ぐるみで伝統工芸品を知ることができる

〇RENEW(福井県)

RENEW(リニュー)は、持続可能な地域づくりを目指した工房見学イベントを主催する団体。イベントは2016年から毎年、福井県鯖江市・越前市・越前町の3地域を跨いで開催しています。

会期中は、越前漆器・越前和紙・越前打刃物・越前箪笥・越前焼・眼鏡・繊維の7産地の工房・企業を一斉に開放し、見学やワークショップを体験することができます。作り手の想いや背景を知り、商品の購入を楽しめる特別な工芸体験が可能です。

〇 五感市(岩手県)

五感市は、「人々の五感を刺激し、いわて県南の地場産業を活性化させる!!」をビジョンに掲げ、イベント参加者に「五感」で体感する機会を提供することによってこの地の工芸品のファンになってもらおうという取り組みをおこなっています。

場所は、岩手県県南地域<一関市・平泉町・奥州市>各地の工房です。本イベントでは、工房見学・制作体験、また職人トークなどに参加することができます。


〇 Kouba(新潟県)

Koubaの正式名は「燕三条 工場の祭典」といいます。燕三条は、新潟県にある金属加工を中心としたものづくりの街です。取り組みは2013年から行われており、地域の人々や外からきた人たちにものづくりの背景や奥深さを現場で直接、伝える場を提供しています。

イベントの参加者の中には、職人を志す若者も出てきており、ものづくりの技術を次の世代に継承するきっかけにもなっています。
イベント中、参加者は地図を手にして、地域内の工房を見学をすることができます。2022年度は3年ぶりに、オンラインではない形でのイベントが開催されました。

〇SANUKI ReMIX(香川県)

職人の技と志を体感する香川発の展示博覧会です。香川県の伝統工芸や地場産業を支える職人(アーティザン)と、日本を代表するアーティストやクリエイターとの共創によるアートプロダクトをはじめ、個性あふれるアーティザンが多数出展しています。

2022年は香川県高松市にある、高松城跡(玉藻公園)内の重要文化財「披雲閣」にて、アートプロダクトの観覧、トークショーの拝聴、工房見学などが実施されたとか。

やっぱり伝統工芸品っていい。

会津塗(木地づくりから絵付けまで))

いろいろまとめてきましたが、伝統工芸品には、産地独特の個性が感じられます。長年受け継がれてきた貫禄はやっぱり魅力的。
そして、直接見てみてわかることも多いでしょう。陶器市や工房見学など、伝統工芸品に触れられる機会は増えてきました。「百聞は一見に如かず。」ぜひ足を運んでみてください。

そして、あらためて、、、
やっぱりわたしは伝統工芸品が好きだ!

今回、参考にしたのはこちらの記事です

日本工芸スタッフ。日本の伝統工芸に魅了され、その美しさや技術に感動する日々。旅行が大好きで、新たな文化や素敵なものに触れることが大好きです。
このnoteでは、日本の工芸文化や旅先での出会いを通じて感じたことや、見つけた情報をシェアしていきます。一緒に工芸品の魅力に迫りましょう!

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