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反日デモのさなか日本と中国が一つに?上海人が語るタマダ事件

日中貿易商社勤務時代の先輩である上海人(ニックネームは趙太郎)今でも仲良くしているのですが、彼が語ったエピソードで爆笑してしまった「タマダ事件」について今日は紹介したいと思います。

時は2004年、私が北京に短期留学で滞在中の出来事でした。小泉元首相の靖国神社参拝などもあって、反日感情が高まる中(翌2005年に一部暴徒化し反日デモに繋がる)サッカーのアジアカップが北京市、重慶市、成都市、済南市の4つの都市で開催されたのです。

日本はグループステージから決勝までの数試合、中国サポーターから国歌演奏時や試合中に激しいブーイングを受け、当時の日本代表ジーコ監督も「国歌演奏のときにブーイングするのは納得がいかない」とコメントしていましたね。行きすぎた状況に中国国内でもメディアが反日行為を咎めるほど。

私もアジアカップの模様は北京の宿舎でTV観戦していたのですが、同じ日同じ時に上海でアジアカップを観戦していたのが、後に私の会社の同僚になる上海人の趙太郎でした。彼は上海の日本人も集まるようなスポーツバーで観戦していたようです。

圧倒的アウェーの中着実に勝利を重ねたサッカー日本代表ですが運命の悪戯でしょうか・・決勝戦の相手は中国代表!

最大限ヒートアップした試合は2-1で日本がリードした展開で後半ロスタイムに突入。そこで値千金の決勝ゴールを決めたのが、快速フォワードの玉田圭司選手でした。

上海のスポーツバーで観戦していた趙太郎は当時をこう振り返ります。1点ビハインドで迎えた後半ロスタイム、中国サポーターはあと一点だ!とロスタイムに一縷の望みをかけていたが、玉田選手がゴールした瞬間にその場にいた全員が「她⚪︎的!(英語のFU⚪︎Kに近い言葉)」と絶叫!
なぜかそのスポーツバーでは日本のTVも放送されていて、実況アナウンサーが「タマダー!切り返してゴーーール!」と絶叫している中、バーの客は「タマーダ!!」と絶叫。日本語がわかる趙太郎は、こんな瞬間に中国人と日本人が同じ言葉を発しているのを聞いて、なんか日中関係は今後よくなるかも?と謎の予感がしたそうです。この話を聞いて私も思わず笑ってしましました。

ちなみにアジアカップの翌日、私は北京の服装市場に出かけたんですが、そこのおばちゃんがスポーツ新聞らしきものを叩きつけて私に「タマーダ!!」と言ったんですが、あれは玉田と言いたかったのか、她⚪︎的と言いたかったのか。(おそらく後者ですが)


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