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社会投資家という生き方~NPO、社会起業家を応援する「伴走者」として

岩崎 明彦 / Aki Iwasaki

こんにちは。パブリックマインドの岩崎です。僕は、自分の職業として「社会投資家」を目指していきたいと思っています。「社会投資家」というのは、すでに色々な方が提唱されている概念かもしれませんが、一般的には聞き慣れない言葉かと思います。

僕が目指す「社会投資家」とは、いったいどういう職業なのか、どのような生き方を目指すのか、ご紹介したいと思います。

ソーシャルセクターの実態

僕は、コロナ禍をきっかけにして、「誰かのためになりたい!」気持ちがフツフツと湧いてきまして、NPO団体さんや社会起業家などのソーシャルグッドな活動を応援する活動を昨年から始めました。

(詳しくは、「『副業で社会貢献を!』始めました」をお読みください!)

色々なNPO団体さんなどにお話をお伺いして、まだまだ勉強をしている最中ですが、ソーシャルセクターにおいて、こんな実態が見えてきました。

まずは、僕が感じているソーシャルセクターの実態について、少しお話したいと思います。

(1)せっかくの素晴らしい活動が知られていない

お会いするNPO団体のリーダー、社会起業家のリーダーは、本当に皆さん素晴らしい理念を持たれている方ばかりです。

困窮している人や壊れゆく社会に対して、「自分たちの手で、何とかしなければいけない」という強い使命感を持たれて、アクションを起こされています。
その活動内容は、シングルマザー支援、障がいを持った方への寄り添った活動、環境にやさしい服作り、復興支援などなど、本当に心の底から共感できる、素晴らしい活動ばかりです。

しかしながら、こうした活動が幅広い人たちに知られているかというと、残念ながら、まだまだ認知が広がっていないのが実態です。

活動の中身だけではなく、そもそも、どうして「取り残されている人」が発生してしまっているのか、という社会課題の背景についての理解がなかなか進んでいないと感じます。

最近になって、SDGs意識の高まりとともに、一部の生活者の非常に苦しい生活実態や、環境やエコシステムに対して問題のある生産手法、廃棄方法などについて、問題提起や情報発信が積極的にされるようになったものの、まだまだ当たり前の「常識」として定着して、社会で共有できる状態には至っていないのが現状です。

自分も少し前まで知らないことばかりだったので、偉そうなことを言うつもりは全くありません。

どうやったら、もう少し幅広い人たちに、社会課題の実態・背景や素晴らしいソーシャルグッドな活動内容を「知ってもらう」ことができるのか?

そういった問題意識をもとに、「知ることから全てが始まる」をキーワードにして、ソーシャルセクターPR支援、広報支援を続けていきたいと思っています。

(NPO団体、社会起業家とのインタビュー記事をStoriesとして発信をしています。NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむ 代表赤石さんへの取材記事:

(2)慢性的な資金不足な状態にある

NPO団体さんやソーシャルグッドな活動をされている企業さんは、お話を聞かせて頂いていますと、資金的に非常に厳しい団体さんが多いというのが、率直な印象です。

そもそもNPOを創業される段階で、十分なお金が集まらなくて立ち上げに苦労された方も多くいらっしゃいます。NPOとは別にビジネス(営利)を行う会社を運営されて、そちらで上がってきた収益の一部をNPO団体の設立・運用に回されている事例も複数、お伺いしました。

また、NPO団体の活動資金は、意外かもしれませんが、社会課題を解決するために行っている「事業収益」や国や地方自治体からの「助成金」が約90%を占めます(「内閣府:平成29年度 特定非営利活動法人に関する実態調査」より)。

その他の収入源として「寄付」などがありますが、収入全体に占めるのは、10%前後と低い割合になっています。

元々、非営利の事業ですので、財務基盤は決して強くないのですが、さらにコロナ禍の影響で対面的・対人的な活動が大きく制約を受ける中、収入の多くを占める「助成事業」「事業」を行うことが難しく、収入源が減っている団体が数多くあります。

また「寄付」についても、企業・個人の両方からの「寄付が減った」と仰っている団体がいました。これまで寄付をしてきた方が、経済的な理由、将来への不安から寄付を控えたことが理由と思われます。

最近では、クラウドファンディングで応援購入や寄付をするひとが増えてきました。瞬間的に共感に基づいたアクションを起こし、さらなる共感の輪を広げていくことができるクラウドファンディングには非常に可能性を感じました。

一方で、定常的・恒常的な寄付や資金需要に応えていくための、「社会的投資ファンド」のような存在も必要なのではないか、と考え始めています。

(パブリックマインドがクラファン支援を行った麻布氷川神社さんのお神輿復興プロジェクト:https://camp-fire.jp/projects/view/339357 )

(3)ものすごく忙しくて、目の前の仕事に追われている

僕たちがお話をさせて頂いているNPO団体さんや社会起業家の皆さんは、ものすごい量の作業を、数名で対応されている団体さんが多いです。

アクションを起こされている最大のモチベーションが「自分がやらなければ」という強い使命感なので、自分のキャパシティの100%を超えてしまっても、目の前に困窮されている方に、救いの手を差し伸べるために頑張っていらっしゃるのです。

また、なかなか外部のひとにボランティアやプロボノで手伝ってもらおうと思っても、NPO団体さんからすると、「本当に信頼できるひとなのか」、「理念や活動内容に心から共感してもらっているのか」など不安に思う気持ちもあります。

この点については、通常の営利活動を行う企業でも同じですが、NPO団体の場合には、より「理念への共感」という部分が大事にされていますし、また、ソーシャルセクターの特性上、そうであるべきと思います。

そんな中、僕たちがソーシャルグッドな活動を応援させていただこう、と思って、メールを送ってご連絡してもなかなかご返事を頂けないということが多々あります。

僕たちからのご連絡に対してご返信を頂きにくいのは、NPO団体さん側の忙しい状況が大きな理由であります。しかし、忙しさだけが理由ではありません。

安心して相談できる、気軽に「手伝って」とお願いできる相手に僕たちがなれていない、という問題があると思います。つまり、僕自身がまだまだ信頼して頂けていない(心を開いて頂けていない)ことが、NPO団体さんからのご返信・ご相談が遅くなりがちな理由、でもあるのです。

「伴走する」というアプローチ

これまでご紹介してきたようなソーシャルセクターの実態が分かるにつれて、僕がとるべきアプローチは、かなり明確になってきました。

それは、徐々に信頼関係を築きながら、NPO団体さんや社会起業家の皆さんと、一緒になって「伴走する」ということです。

急にパッと現れて、ソーシャルセクターの「お手伝いをさせて下さい!」と言っても、それはなかなか難しいのです。まずは「知ることから」始めてみる、そして寄付をしてみる、クラウドファンディングで応援購買をしてみる、、、色々と僕たちができることはあると思います。

まずは、一歩目のアクションを起こしてみる。そして、ゆっくりとで良いので「伴走する」。そのことが、とっても大切なことだと実感しています。

ソーシャルセクターにおける「社会投資家」の可能性

そんな中、僕は「社会投資家」という生き方をしようと思っています。

通常の企業やスタートアップの業界など営利の世界では、事業を始めようとする「起業家」がいて、それを応援するエンジェル投資家、VC(ベンチャーキャピタル)などの「投資家」がいます。彼らは、資金(マネー)を出すだけではなく、様々な経営支援、マーケティング支援などを行いながら、起業家と並走していきます。

そのような「投資家」と同じように、ソーシャルセクターでも「社会投資家」という存在が必要なのではないか?と僕は思っています。

ソーシャルセクターにおいては、様々な社会課題をビジネス手法を用いて解決する「社会起業家」や「NPO団体」の創業をしようとする人たちがいます。僕は、そういった人たちを「社会投資家」という立場で応援したいのです。

素晴らしい理念やお人柄に「共感」をした上で、社会課題の実態を知ってもらうために「PR・広報支援」をしたり、「ファンドレイジング」面でも応援をする役割を果たしながら、「伴走をしていく」。それが、僕の「社会投資家」としての目指す生き方です。

まだまだ活動を始めて少ししか経っていませんので、勉強不足・実力不足ですが、長い期間をかけて情熱を持って取り組むべき領域だと感じています。少しでも理想の「社会投資家」像に近づけるように、これからも地道に活動を続けていきたいと思います。

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