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【DAOAsia ローンチペーパー】100万のDAOで世界の構造的課題の解決を目指す

要約

DAOAsiaは世の組織が抱える中央集権性から発生するあらゆる課題を解決すべく、ローンチから成長までDAOのあらゆるフェーズに携わることで100万個のDAO(自律分散型組織)を産み育てるプロジェクトDAOです。
ハッカソン+アイデアソンのDAO版であるDAOATHONをはじめとする取り組みで、実践的なアプローチで世界に対する価値を創出します。

序文

中央集権的な組織形態が多くの社会に主流として根付いている現代において、私たちはさまざまな課題に直面しています。差別や貧困などの社会的課題が依然として存在し、透明性の欠如や個人崇拝、非合理な意思決定などが組織内で生じることにより、これらの問題は一層深刻化しています。

私たちは、これらの課題に対して真剣に向き合うべく、分権的な組織を立ち上げることを主流とし、解決の糸口を見出す使命を帯びています。そのために、私たちは「DAOAsia」として共に挑戦を始めることを決定しました。

すべての組織が抱える透明性の欠如や個人崇拝、現場の声を無視した一方的で非合理な意思決定、無駄なプロセスが取り除かれなければ、真の進歩と社会の変革は達成されません。
組織内の一部のステークホルダーの手によりプロジェクト全体の問題が見過ごされ、致命的なダメージや損害が発生した事例は古今東西どこを見ても、枚挙にいとまがありません。
例えば学校においては、いじめなどの境遇にある生徒が声を上げずに苦しむ姿が見過ごされ、企業においては、優秀な候補者のポテンシャルが十分に評価されず、才能の適切な割り当てが行われない状況が見られます。
ローマ帝国の崩壊から大企業のリコール問題まで、組織における中央集権性そのものが病巣となっていると言っても過言ではないでしょう。

分権的な組織の力によって、これらような中央集権性が生むさまざまな問題に対する課題に対してどのように挑戦するのか。
それが私たちの存在意義です。少数派の意見が容易に表出でき、小規模なグループによる意思決定が効率化されることで、不平等や問題の是正が迅速に進むことが期待されます。透明性が担保される分権的な組織は、相互援助を醸成し、公正さを追求する一助となるでしょう。

そして、分権的な組織の中でも特に重要な存在としてDAOを選択しました。DAOは個人の欲望や支配による影響を最小限に抑え、公平な機能を果たせるポテンシャルを秘めています。
加えて報酬分配やバックオフィスなどの業務はシステムによって遂行され、人間はよりクリエイティブなタスクに集中することが可能となります。さらに、責任や権利をステークホルダー全員で保有できることから、より包括的な問題解決を果たす可能性を秘めています。

私たちはDAOAsiaとして、分権的な組織の普及と、それによって解決できる様々な課題に果敢に挑戦してまいります。透明性、公正さ、包括性を実現することで、より持続可能な社会の実現に向けて邁進してまいります。私たちと共に、この使命に参画していただける方々と共に、未来への希望を築いていくことを願っております。


DAOの定義

Decentralized Autonomous Organization(分散型自律組織)は、「Autonomous(自律的)」という言葉に2つの側面が含まれます。

第一:プロトコルDAO

スマートコントラクトによって活動が自律分散的に行われるDAOです。これは、例えばUniswapやMakerなどのプロジェクトが採用している手法です。スマートコントラクトはプログラムされたルールに基づいて透明で信頼性のある取引やサービス提供を行い、中央機関の介入を排除することで、分散型の仕組みを実現しています。

第二:コミュニティDAO

個々の構成員が自律的に動くことを重視する側面もあります。これには、FWBやBanklessなどのプロジェクトが該当します。個々のメンバーが自己主張し、イニシアティブを発揮することによって、組織全体の力を発揮します。このような個々のメンバーが積極的に関与し、自律的な行動をすることで、より包括的な問題解決が可能となります。

ここでいう「DAO」とは、上記の2つの側面、つまりスマートコントラクトによる自律分散的な活動と個々の構成員の自律性の両方を指します。

上記は相反するものではなく、むしろダブルサイドのアプローチをすることで分散型自律組織のパワーが最大限に発揮され、課題の解決に向けた重要な原動力となるのです。


DAOAsiaの取る具体的なアクション

DAOATHON/DAOCubator
プロデレゲーター制度の活用
プロダクトビルド

の3点を行います。

DAOATHON/DAOCubatorについて

コミュニティDAOについては、各種DAOツールなどの技術やしくみを用いて制限時間内にDAOをハッカソン的に生み出す「DAOATHON」、そして既存のDAOで成長の余地があるDAOに対するコンサルティングと投資をはじめとする成長支援を行う「DAOCubator」で実装可能です。

今年4月に開催されたDAOATHONは、アジアで初めてDAOのみにフォーカスをしたハッカソン+アイデアソンとして7つのDAOを産みました。
10社以上のスポンサーのもと、コードを書かずともDAOを組成できるUnyteやCharmVerseなどのツールを活用し、80名を超えるプロジェクトを立ち上げたいファウンダーらがDAOを1週間で立ち上げローンチを行なっています。

DAOATHONのような取り組みを定期的に行うことで、エコシステムの活性化とエンジニアx非エンジニアとの交流を促進を行います。

そしてビジネスや慈善事業・芸能活動など、何らかのプロジェクトを始めたい者にとって「起業」のみならず「DAO業」がメジャーとなる土壌を作っていきます。



一方でプロトコルDAOに対しては、プロデレゲーターとプロダクト開発の2点を行います。


組織としてのプロデレゲーター参画事業

スケール後のDAOにおいて、多くのプロジェクトがガバナンスの課題に直面しています。例えば、MakerやUniswapなどの既存のDAOでは、大口投資家がガバナンスを支配し、コミュニティの民意が削がれているという現実があります。これを踏まえ、DAOAsiaは実践家として研究を重ね、より民主的で包括的なガバナンスの形を実現します。


プロデレゲーター制度とは
プロデレゲーター制度とは、特定のDAOから予算と投票権を割り振られ、多数のステークホルダーの代わりにDAOの意思決定に参画する、政治における間接民主制のような制度です。現在、MakerDAOなど一部のDAOがこの制度を導入しています。
組織としてプロデレゲーターとして活動している企業にはStableLabなどがあり、DAOのガバナンス研究においては半ば主流の方法となりつつあります。
DAOAsiaとして他のDAOにデリゲートし、投票を行うことで収益を得ると同時に、DAOのガバナンス・運営に関する知識とノウハウを蓄積。DAOCubator・DAOATHONおよびDAOプロダクト開発に活かしシナジーを産むことで、DAOのかつてない成長とガバナンス・エコシステムの持続性と成長性を両立させていきます。


プロデレゲーター制度の目的
DAOAsiaのプロデレゲーター制度は、以下の目的を持っています。

  1. 民主的な意思決定の促進:プロデレゲーター制度を通じて、多様なステークホルダーが意思決定に参画できるようにし、民意を反映したガバナンスを推進します。

  2. ガバナンスの分散化:大口投資家の支配を回避し、より分散化されたガバナンスの実現を目指します。

  3. プロダクト開発の向上:収益を得ながら他のDAOのガバナンスに参画することで、DAOAsiaのプロダクト開発に必要なナレッジとノウハウを蓄積し、より優れたプロダクトの開発を進めます。


プロデレゲーター制度の活用
DAOAsiaは、プロデレゲーター制度を次のように活用します。

  1. 他のDAOへのデリゲート:DAOAsiaは他のDAOにデリゲートし、彼らのガバナンスに投票を行うことで、より幅広いDAOの意思決定に参画しています。

  2. 収益の獲得:プロデレゲーター制度を活用することで、DAOAsiaは収益を得ながら活動を継続することができます。

  3. ナレッジとノウハウの蓄積:プロデレゲーター制度によって得られたガバナンス・運営に関する知識とノウハウは、DAOCubatorや他のプロダクト開発に活かされます。

DAOAsiaは、プロデレゲーター制度を通じてより包括的で民主的なガバナンスの実現を目指します。今後は、他のDAOと連携しながらさらなる研究と改善を行い、より持続的で透明性の高いDAOの運営に貢献していくことを目指しています。プロデレゲーター制度を通じて、DAOAsiaは未来の分権的な組織に向けた新たなガバナンスの道を切り拓いていくでしょう。

プロダクト開発

プロトコルDAOの開発や周辺のプロダクト開発には、技術的な課題やセキュリティの懸念、実装上の困難さなどが存在します。しかし、この側面の発展を進めることは、分散型自律組織の発展に不可欠です。これを実現するため、DAOAsiaはプロダクト開発をギルドとして推進し、スマートコントラクトによる真の自律性を実現するためのヒントを蓄積していきます。

プロダクト開発の目的
DAOAsiaのプロダクト開発には、以下の目的があります。

  1. 自律分散性の向上:DAOツールの自律分散性に対するモデルケースを蓄積することで、プロトコルDAOの自律分散性を向上させます。

  2. 真の自律性の実現:スマートコントラクトによる真の自律性を実現するための技術的な手法を模索し、実践していきます。

  3. 分散型自律組織の推進:分散型自律組織の発展を支援し、より効率的で透明性の高い運営を実現するためのプロダクトを開発します。


プロダクト開発の手法
DAOAsiaのプロダクト開発は、個々のメンバーが自律的なチームを組成し、世界中のハッカソンに参加・入賞を続け、実世界でローンチ・グロースさせることで進められます。これによって、以下の手法が実践されます。

  1. 多様なアイデアの収集:個々のメンバーがハッカソンなどに参加することで、多様なアイデアが収集されます。

  2. プロダクトのローンチと成長:収集されたアイデアや顧客のフィードバックから優れたプロダクトが開発され、常にデータを元に修正され続けます。

  3. 自律分散性の評価:開発されたプロダクトの自律分散性が評価され、成功事例が蓄積されます。


ナレッジの活用
プロダクト開発を進める過程で得られたナレッジは、DAOAsiaの活動に活用されます。

  1. スマートコントラクトの改善:スマートコントラクトによる自律性を向上させるためのヒントや技術的な知見を蓄積します。

  2. プロダクト開発のノウハウ:プロダクト開発に関するノウハウや成功事例が蓄積され、今後のプロジェクトに生かされます。

  3. DAOの進化:得られたナレッジがDAOAsiaの活動に寄与し、より効果的な活動が行われるようになります。

  4. より効率的なプロデレゲーティングとガバナンスの実現:プロダクト開発によって得た知見をDAOAsiaの各デレゲーターがプロトコルDAOに対し意思決定に反映させることで、より民主的なガバナンスの実例を出していきます。

DAOAsiaは、プロダクト開発を主要な活動軸のひとつとして位置付け、スマートコントラクトの真の自律性を実現するために奮闘します。個々のメンバーが自律的なチームとして活動し、多様なアイデアが集結することで、分散型自律組織の持続的な発展に貢献していきます。得られたナレッジとノウハウを他のプロダクト開発やDAOの進化に活かしてゆくことで、DAOエコシステムの成長のみならず、未来の分散型社会の実現を一歩ずつ着実に近づけていきます。


まとめ

まずは個々の構成員の自律性を増す取り組みを推進し、ガバナンスを整えることが重要です。個々のメンバーが能動的に参画し、意思決定に参加できる環境を整えることで、分散型組織の理念を浸透させてゆきます。

それと同時並行という形で、スマートコントラクトによる自律分散の実現に向けた取り組みを進めていくことが重要です。成功や失敗を通じて学び、事例を増やすことで、スマートコントラクトの導入による透明性と効率性を高めてゆきます。

DAOAsiaは、辞書引きではなく実践家であり続ける必要があります。このような実践の方法として、DAOATHON・DAOCubator、プロデレゲーターやプロダクトビルドといった取り組みを行なっていきます。
これらのプログラムを通じて、現実の課題に向き合いながら、分権的な組織の普及と発展に向けた努力を続けてゆきます。


DAOAsiaの構成要因

明確なゴール

成長:DAOの拡大を通じてボトムアップ型の組織を広めるというミッションを達成するために、明確なゴールを設定します。

1、5年以内に100万個のDAOを生み育てる
2、DAOAsiaのアクティブコントリビューター数が
  全コミュニティメンバーの35%以上
3、TVLがMakerDAOの70%以上

プロダクト:DAOAsiaにはプロダクトが必要です。
DAOの啓蒙と拡大を促す上で、プロダクトによるグロースは必要不可欠です。
Web3ネイティブの組織においてプロダクトは避けては通れないのみならず、完全な人力によるDAOの運営は悪影響を与えると言っても過言ではありません。DAOAsiaこそがエンジニア+非エンジニアが手を取り合い、共に同じ目標に向け駆動する場です。

実行:
理念は実行によってのみ達成されます。
かつてかの有名な二宮尊徳が

道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。

二宮尊徳

と説いたように、いかに大言壮語を並べ立てても実世界において価値を生みだしていなければただの夢物語のままです。
すべての成功したWeb3プロダクトは総じて明確なユーザーがおり、また世の中に対する経済的な価値を生み出しています。
世に価値を生み出すのは各プロジェクトのローンチ、修正、実行のみであり、DAOAsiaには机上の空論は不要なのです。

パートナーシップ(敬称略・一部抜粋)

DAOAsiaは国内外複数のプロダクト・メディアと協業実績があります。
・CharmVerse
・DAOLens
・Wonderverse
・IVS Crypto
・博報堂キースリー
・Bankless DAO/Bankless Japan
・Unyte
・CryptoBar P2P
・AKINDO
・本郷Web3バレー
・和組DAO

これらのパートナーシップは現在もなお増加中であり、DAOAsiaのエコシステムの中核を担っています。

ネクストアクション

次の30日でDAOAsiaは以下の事柄を達成します。

・DAOの主要ガバナンス設計を目的としたコミュニティコールの実施と次期DAOATHON計画策定を含むシーズン1の開始
・協業先と連携したDAOイベントの定期・不定期開催
・DAOインフラの立ち上げ(Unyteその他)DAOランディングページの公開、Discordの整備
・プロデレゲーター事業立ち上げに向けたロードマップと必要要件の策定


総括

DAOという言葉が生まれて10年近く経つものの、未だベストプラクティスを確立できていません。さらにWeb3市場の課題点として、机上の空論に走りがちであり、世に対する経済的価値の提供、ならびに実践的な課題解決を行なっているケースはごくわずかであるのが現状です。
さらに悪いことに、世界にはありとあらゆる課題があるにもかかわらず、現状ほとんどの場合Web3の顧客がWeb3である実情があります。
つまり現在、実世界において存在する課題への解決策をWeb3はほぼ提示できていません。

DAOの成功例の確立ならびにボトムアップ型の組織という選択肢を一般化させるためには、実世界に対する確かな価値提供をしなくてはなりません。これによりWeb3の顧客がWeb2となり、ひいては100万のDAOを産み育てることにつながるのです。

現在世界を覆っているトップダウン型の組織体系、ならびにそこから生じる問題を解決するためには、DAOという形態であらゆるプロジェクトが立ち上がる状態を提案し、メジャーにしてゆく必要があります。最終的には会社、学校、ひいては国家までもがDAOで運営される未来も夢ではありません。

一人一人が争うのではなく、手を取り合うことで差別・偏見・不条理がなくなる世界を生み出すために、世界のボトムアップ化、つまり世界の民主化が必要なのです。

その道のりの道中には、理想論だと笑う批判家もいるかもしれません。しかし、実践と価値提供を通じて誰かの役に立ち、実世界に実例を多数生み出すことで理想は一歩ずつ確実に実現へと近づいてゆくのです。

さあ、DAOを100万個産み育てる「DAOAsia」で、まだ世の中にない世界を共に作っていきませんか。皆さんの参加が、これからの未来に大きな意味を持ってゆくのです。

Discord参加はこちらから:https://discord.gg/QtHbcKsHsX

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