体験デザインチームのリモートワークでの働き方
この記事では、三菱UFJフィナンシャル・グループの戦略子会社であるJapan Digital Design(JDD)において、体験デザインを担うExperience Design Team(デザインチーム)が試行錯誤してきたリモートワークでの働き方について共有します。
現在、デザインチームは11名のメンバーがおり、3〜4人のチーム体制でそれぞれが複数の案件を担当しています。今回はデザインチームがどのように作業時間を確保し、情報共有やチームビルディングを行っているのかを、一週間の時間の使い方を切り口にご紹介したいと思います。
会議で作業が進まない
デザインチームでは多様な案件の体験デザインをしている中で、リモートワークの働き方を試行錯誤してきましたが、実際のところ一番大きい問題は会議が多すぎることでした。
ちょうどその頃は抱えている案件も多く、メンバーによっては一日が会議で終わってしまうこともありました。もちろん仕事をすすめる上で会議は重要ですが、デザインチームとしては成果物を作るためにより時間を使いたいと考えています。
忙しいときには、一週間の業務時間のうち50%以上が会議というメンバーもいましたが、一週間の時間の使い方を整理したことで会議時間をおよそ30%程度に抑えています。また、時間の使い方を整理したことで突発的な会議の発生も抑えることができ、より作業に集中しやすくなりました。
デザインチームの一週間
デザインチームが働きやすい環境を作っていくために「作業に集中する時間」「コミュニケーションする時間」「チームビルディングする時間」を一週間の中に設定しています。
特に連携なくスケジュールをたてた場合、メンバーによっては会議が一日の大半を占めたり、散発的だったりしてしまい作業に集中しにくい状況がありました。まとまった「作業に集中する時間」を確保できるように、現在デザインチームでは以下のように一週間を定義しています。
作業に集中する時間
木曜日を集中する日として定義し、基本的に会議は木曜日を避けて調整するようにしています。加えて、稼働状況によっては難しい時もありますが、火曜日も同様に基本的に会議を設定しないように調整しています。
ステークホルダーや社内の他のチームと連携する案件では、会議を設定せざるを得ない場合もありますが、それでも可能な範囲で2〜3時間は集中時間を確保できるよう調整依頼をしています。
コミュニケーションをする時間
「作業に集中する時間」を確保することはデザインチームのアウトプットに重要ですが、同時に「コミュニケーションする時間」も大事にしています。
迷う時間を少なくすることは「作業に集中する時間」をより生産的にする一つの条件です。「後は作業を進めるだけ」という状態にできるように、認識を合わせる「コミュニケーションする時間」を設定しています。
また、「作業に集中する時間」を火・木に設定することで、「コミュニケーションする時間」が月・水・金に集約され、1週間の時間の流れにリズムが生まることで作業予定を立てやすくなるメリットもあります。
曜日ごとの時間の使い方
案件ごとに状況は異なりますが、以下のような時間の使い方を基本的な形として定義しています。
ふとした時のコミュニケーション
もちろんコミュニケーションを特定の曜日だけに限定するわけではなく、ふとした時に気兼ねなくコミュニケーションを取れることも重要だと考えています。
特にリモートワークでは、相手の状況がわからずコミュニケーションを躊躇してしまうことがあります。会議をするほどでもない事はSlackを使って手の空いた時にやり取りできるようにしています。議論しながらの作業ではTeamsを繋げてFigmaで共同作業するなど、状況に合わせて使い分けています。
チームビルディングする時間
様々な案件で成果を出すためには、「集中する時間」と「コミュニケーションする時間」をバランス良く効果的に取ることが重要ですが、大前提としてお互いの信頼関係のもと気持ちよく働ける状態が必要と考えています。
その大前提を作るために、一週間の時間の使い方の中に「チームビルディングする時間」を設定しています。チームビルディングでは4つの異なるMeetingを設定しています。
1つ目のWeeklyは、毎週金曜日に行うデザインチームの進捗確認と全社情報を共有する場です。デザインチームでは常に様々な案件が複数走っており、進捗については案件ごとに管理をしています。リモートワークでは担当していない案件の把握が難しくなりますので、Weekly Meetingでは単純な進捗共有ではなく、より広い視野を持てるようにデザインチームや会社全体の状況の共有と各案件の位置づけに関しても随時情報共有をしています。
2つ目のDailyでは、毎週月・火・水のお昼休みの後、13時から作業予定と気になる記事の共有をしています。リモートワークでは案件以外のデザインチームメンバーとのやりとりが希薄になりがちで、人によっては一日中誰とも話さない日もでてきます。当日のタスク確認だけでなく、記事の共有することでちょっとした会話が生まれ、デザインチームの緩やかなつながりを作ることを目的としています。
3つ目はCasualです。毎週金曜日のWeekly Meetingの後にカジュアルなコミュニケーションをする場として実施しています。Lightening Talkや、勉強会やちょっとしたイベントなど、お互いをより知る機会や、知識の共有、そして単に同じ時間を一緒に楽しく過ごす時間としてチームビルディングの重要なコミュニケーションの一つとして実施しています。
最後に4つ目の1on1では、毎週木曜日の夕方にデザインチームのメンバーとリーダーの間で認識のすり合わせをする場です。金曜日は全社の会議などが多いため、木曜日に一週間の振り返りとして実施しています。案件についてだけでなく、キャリアやプライベートも含め、日々仕事をすすめる中でのモヤモヤとした違和感や懸念などについて話すことで、改善案や新たな気付きを得るためのコミュニケーションとして位置づけています。
Weekly Planner テンプレート
みなさんは一週間をどのように使っていますでしょうか?
それぞれ働く環境は異なるため、今回ご紹介したデザインチームの一週間の使い方はそのまま流用することは難しいかもしれませんが、作業時間の確保の仕方や一週間のリズムの作り方について参考になれば幸いです。
今回、一週間の時間の使い方を決めるに当たり、メンバーからの意見をもとにしながら決めていきました。議論をする際に活用できるFigmaテンプレートを以下のページに公開しましたので、ご活用いただけますと幸いです。
オープンデザインの取組み
また、JDDでは企業カルチャーとして「オープンである」ことを大事にしており、デザインチームでは「UXデザインのテンプレート」と「バンキングアプリのデザインアセット」のFigmaファイルを公開しています。
詳しくは以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。
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Lead Experience Designer
Kensuke Kajita(梶田 健介)