若きリーダーの大切にする価値観と仕事への責任
製造部 機器組立グループのリーダーとして、機器組立業務を指揮する吉本さん。「社会を支える製品」をつくる責任感と、管理者として大切にしている価値観を語ります。
(取材・編集:社長室)
――:
機器組立グループの仕事内容を教えてください。
吉本:
主に製品の組み立て作業を行っています。組み立てといっても、はんだ付け作業、圧着加工作業、コーキング作業などいろいろあります。
製品が完成する最後の工程なので、慎重に丁寧に作業することが求められますね。組み立てというと技術がそんなに必要ではないように思われますが、コーキング作業*一つとってもけっこう技術が必要です。
機械で自動的にやるわけではなく、手作業で行うので、目と手の感覚が重要になってきます。
――:
吉本さんは機器組立グループのリーダーですよね。リーダーならではの仕事を教えてください。
吉本:
人によって、作業ごとに得意・不得意があるんです。若くて経験が少なくても得意な作業、逆にベテランでも苦手な作業というのがあります。
その得意・不得意を見極めて、最適の人員配置をすることで、効率よく製品をつくっていく。ということが大きな仕事ですね。
――:
人を動かす立場として気をつけていることはありますか?
吉本:
「伝え方」ですかね。もちろん、上から目線で人に指示しないこと。そして理由を添えて伝えるということです。単に「この作業をしてください」と言うのではなく「こういう理由でこの作業をしてほしい」と。
人それぞれ受け取り方が違いますので、その人に合った伝え方も大事ですね。
――:
ということは、「人」を知っていないとダメですね。
吉本:
そうですね。ただ自分のやり方が100%正しいとは思っていなくて。
わたしはグループの「人」を知っているからこそ、そういうやり方でやっています。人を知らなくても、圧倒的なリーダーシップでどんどん周りを引っ張って動かすやり方もありますよね。
でも自分は「みんなと対話して最適な方法を探る」という方が性に合っています。
――:
リーダーとして「育成」はどう考えていますか?
吉本:
「人の得意・不得意を見極めて人員配置している」と言いましたが、その中でも少し工夫していることがあります。ベースとして最適な人員配置をしつつも、その一部ではこれまでやったことのない作業をしてもらい、スキルアップできるようにしています。
得意な作業ばかりをやっていても成長しないので、「生産効率」と「スキルアップ」のバランスをとりながら工程管理することに注力しています。
――:
どんなときにやりがいを感じますか?
吉本:
自分たちがつくった製品はいろんな場所で何気なく目にしますが、ふつうに生活している人にとっては「誰がつくったか知らないもの」かもしれません。でも確実に社会の役に立っている。そう思ったときにやりがいを感じます。
実際に使用されている現場を見に行くと、より実感がわきますね。同時に「社会を支えているんだ」という責任も感じます。
製品一つひとつに思い出もあります。苦労してつくったものほど、その製品を見るたびに「この扉の調整作業は難しかったな」とか、当時のことを思い出します。
――:
「社会の役に立っている」という実感を持てるのはいいですね。
吉本:
はい。やっぱり何に役立っているかわからないものをつくり続けるよりも、「役立っていると実感できるもの」をつくる方がモチベーションも上がりますよね。
――:
グループリーダーは定期的に「管理者研修」を受けていますよね。研修ではどんなことを学んでいますか?
吉本:
管理者としての心構えですかね。「管理者の機能は?」「組織とは何か?」というところから、いろいろな判断をする上で必要な考え方を学んでいます。
特に「いろんな視点でものを考える」ということを一番学びました。ベネックスでは一貫生産をしているので、機械加工、溶接、塗装など工程もさまざまで、それぞれ違う作業をしています。
自分もつい「機器組立グループ」という視点だけで物事を考えがちでしたが、工程それぞれの担当者の視点を持つことで、スムーズに全体最適を見つけられるようになりました。
――:
最後に、吉本さんにとっての「いい仕事」とは?
吉本:
「いい仕事したな」と思ったときに、実際どういう仕事の仕方をしていたかというと、本当にベネックス・ベーシックの通りなんですよね(笑)。
何かトラブルがあったとき、同じことを繰り返さないように、みんなで考え抜いて改善を重ねる。その改善が実ることで、時を逃すことなく、高品質なものを生産できます。
中でも「考え抜く」ということは一番大事にしていますね。一度起きたミスをミスで終わらせず、考え抜いて改善策を練ることで、次につながりますから。
(お読みいただきありがとうございました!)
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