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【恐怖】痛風へのマッサージ

皆様あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします!!

今年の年末年始は三重県に住んでいる姉の家にお邪魔してきました。
そこで普段は島根県の隠岐ノ島という離島に住んでいる両親とも夏ぶりに再会したのですが、その際に父親が痛風発作を起こして歩くのがやっとの状態になったという話を聞きました。

父は以前からもたびたび痛風発作を起こすので、特に驚くことはなかったのですが、とても興味深かったのが母に『マッサージをして流したら楽になるんじゃない!?』と言われマッサージをしてもらった直後から急激にひどくなったということです。

今回は少し長くなりますが、なぜマッサージをすることで痛風発作が悪化したのかを含めた痛風の説明を以下の順に説明していこうと思います。

【痛風について】

  • 1.尿酸

  • 2.高尿酸血症

  • 3.痛風

  • 4.痛風の恐ろしさ

  • 5.痛風の原因

  • 6.なぜ痛風にマッサージがNGなのか


【1.尿酸とは?】


尿酸はプリン体という物質が体内で分解される際にできる燃えカスです。
プリン体とは臓器を動かしたり、運動するためのエネルギーで、常に体内で作られています。
また,私たちの細胞には遺伝情報を伝える役割を持つ核酸という物質がありますが,核酸の構成成分もプリン体ですので古くなった細胞を分解する新陳代謝の過程でこの核酸からプリン体が出てきます。
プリン体は細胞の中にあるものですから、動物・植物いずれの食品からも体内に入ります。
これらのプリン体はほとんどが肝臓で分解されて尿酸となり、体内に溜め込まれた後,尿や便として排泄されます。

【2.高尿酸血症とは?】


1日で産生される尿酸はおよそ700mgです。
尿や便によって排泄される量も700mgなので体内の尿酸は常に一定の量に保たれます。
これを「尿酸プール」と呼びます。
プール内の尿酸は約1,200mgで保たれます。

このプールの水が約1,200mgを超えて溢れ出すと、溢れ出した尿酸が血液へ流れ込み1デシリットル当たりの血液中の尿酸値が限界の7.0mgを超えます。
これが痛風の原因である高尿酸血症です。

【3.痛風とは?】


過剰な尿酸は溢れ出るだけではなくて、結晶化して関節に溜まります。
運動などをきっかけに結晶になった尿酸の一部が関節液中に剝がれ落ちると,それを敵と見なして白血球が集まってきます。
白血球が攻撃を始めた時、炎症を起こす物質が出て痛みが発症します。
これを痛風(発作)と言います。
痛風発作がひいても、関節に結晶がある限り再発する恐れがあります。

数日間歩けないほどの強烈な痛みに見舞われますがその場で命の危機に陥ることは稀だと言われています。

【4.痛風の恐ろしさ】


痛風を何度も繰り返していると、炎症を起こしていた部分にコブのようなものが残ってしまうことがあります。
これを痛風結節と言い、炎症を起こしていた骨が破壊されてしまうこともあります。
これだけでも恐ろしいですが、痛風の怖さは合併症にあります。
代表的な合併症として高血圧、糖尿病、腎不全(痛風腎)などがあります。
これらは心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化を引き起こしやすくなってしまうため、要注意が必要です。

尿酸値が高い状態が続くと、尿酸が関節だけではなくて全身の細胞に溜まってしまい、活性酸素という体を老化させる物質を生み出してしまうため、全身にガタがきてしまいます。
何度も痛風発作を繰り返している方は、かなり体が弱っていると思って下さい。

【5.痛風の原因】

痛風の原因として喫煙や運動不足もありますが、今回は飲み物や食べ物に焦点を当てて話します。
先述のように尿酸を下げるためにはプリン体の摂取を控えることが好ましいです。
プリン体というとビールを思い浮かべる方も多いと思いますが、実はビールだけではなくてお酒そのものに尿酸が生成されるスピードを早めたり、腎臓から尿酸を排出しにくくする作用があります。
なのでビールだけではなくて全てのアルコール摂取を控える、もしくは減らす必要があります。

食べ物でいうと、内臓物(レバー、ホルモン)、いくら、ウニ、白子、干し魚です。
プリン体は細胞の中に含まれる遺伝子の構成成分なので上記のように細胞のかたまりのような食べ物は痛風の原因となります。

【6.なぜ痛風にマッサージがNGなのか】

おさらいですが痛風は血液中から溢れ出た尿酸の結晶を、白血球が敵とみなして攻撃することによって起こります。
マッサージをする事によって血流が良くなり次から次へと白血球が炎症部分に流れ込み尿酸の結晶を攻撃し続けることになります。
例えるなら、1人の万引き犯に対して何百人もの警察官を呼び、犯人に対して全員で説教し続けるようなもので、無駄に規模を大きくしてしまいます。
(※例え話は苦手なので勘弁して下さい。)
なので痛風発作が起きた時にはマッサージはしてはいけません。

痛風発作が起きた状態では自分で炎症を鎮めることは難しいので必ず病院に行き、医師の指示を受けて下さい。
自分で出来る応急処置としては炎症が起きている状態ですので、足を心臓よりも高い位置におきアイシングすることが理想です。

一般的には薬で対処するのですが、薬を飲むタイミングを間違えるとさらに悪化するケースもあるなど、服薬については説明するとかなり長くなってしまうため、需要があればまた記事にしてお伝えします。



最後までお読みいただきありがとうございました!!


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