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ビジネスチャットが効率UPにならない理由

どうも、脱サラして、はや半年以上が過ぎてしまったヤンです。

さて、皆さんリモートワークが推進されて、一部の職種を除いて家からお仕事する機会も増えたという方も多いのではないでしょうか。私もその一人でして、今や会議は全部オンラインですし(出勤してた日々は何だったんだと思うほど)、メールとチャットでやりとりをすることが増えました。今日はそのリモートワークにおける効率化の一つとして浸透しつつあるビジネスチャットについて考えたいと思います。

「お世話になっております。」が要らない世界

なんか、メールってやっぱりビジネスだと「メールの書き方」を、社会人になる第一歩的なルールとして会得する必要があるかと思います。失礼にならないように、なんだかお手紙を書く延長のテンションで色々と気を付けなくてはいけない。

「OO様 お世話になっております。」「お忙しいところ恐れ入りますが、」「何卒よろしくお願いいたします。」そして署名。

でも本来は無駄な言葉の羅列で、気を使ってます、社会人のルールわかってます、ということを知らしめて相手を安心させる作業が多く、それが意外とメールを書いている時間の多くに充てられてしまっている現実もあります。もちろん定型文を自動入力にすれば、始まりと結びの言葉くらいは省けるでしょうが、内容についても、誤解の無いように、送った後の作業が増えないように、相手を怒らせないようにしつつ自分がお願いしたいことを実行してもらえるように、という気遣いを端々に入れる必要があります。さらにはそのメールを相手が読んだか、特に急ぎの案件だと不安になって「先ほどのメールの件なのですが…」と結局メールに書いた同じ内容をわざわざ電話で伝えるというダブルワークもざらではありません。

本当はもっとスピーディにリアルタイムでシンプルにやりとりしたい。。。という思いに応えるべく様々なチャットシステムがビジネスでも使われるようになったと思います。Slack、Teams、Skype、LINEなどなど。出てきたころはこれは画期的だなーと思った次第です。でも本当にこれらのチャットは効率化につながったのでしょうか。

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既読スルーや書き込み中の表示で集中力低下

私もかなりチャットを使用して仕事をしています。それは電話よりもメールよりも気軽に「この間の**の件、どうなってます?」とか「この**ってOOですよね?」みたいな、今すぐ聞きたいことをすぐに聞けるので、自分の仕事のペースに合わせて思いついたときすぐ答えを得たいときには便利です。

ただ、最近それが本当に効率化なのかな?と考えてしまっています。確かにフォーマット的な挨拶もなしで、しかも自分のタイミングで確認作業やコミュニケーションができるし、画面共有しながら説明したり認識やアイデアを共有できたり、確認できたりするのでとても便利です。

しかし裏を返せばフォーマット的な挨拶無しで、自分の都合やタイミングだけでいきなり聞きたいことを自由に聞いてこられる相手の立場になると、結構迷惑な場合もあるかなと感じます。「あ、これってメールじゃなくてチャットで来てる質問だから、すぐに返さないと」と思ってすぐに返そうと努力をすることによって「今はこれに集中しよう」と思っていた仕事の手を止めてその返信をする場面が増えます。

更には「必要なデータは**とOOということでよいでしょうか?」と聞き返したときに質問してきた相手のチャットボックスには「入力中・・・」の画面が続き、なかなか返事が来ない、でも「入力中」だし、多分急ぎの案件だろうし、もうすぐ返事が来るかな???と、答えをずーっと待っているのに途中で「入力中・・・」という表示さえ消えて「退席中」になったりします。

ええ?!返事待ってたのに!!なに??!!

急ぎじゃなかったのかな、、、と思って別の仕事に戻って集中しようとしたときに「ピコン♪」と返事が来た通知が来たりします。すぐにチャットに戻って読んでみると「ちょっと今すぐは分からないので確認してから連絡します。」というメッセージだったりして、あ、緊急じゃなかったんだな。ていうか、それ確認してから連絡してよ!と思うと同時にまた元の仕事に戻るための集中力を戻す必要が出てきます。

これ書いていてお伝えしたいのは、私がチャットの被害者ですということではありません。思い返して私も加害者ですし(多分これからも.…)、思い当たることがたくさんあります。特に忙しければ忙しいほど優先順位なんて秒で変わりますし、緊急だった案件Aが、そのあと現れるもっと緊急な案件Bによって後回しになってしまうこともあります。

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悲報:過去に共有されたデータ、どこにあるかわからなくなる

「そのデータでしたら先日すでに共有してます」と言われて「ええと、どのアプリ経由でしょう…?」「Slackですよ。」「送信日時とかわかります?」「ええと、、、あ、Google Driveだったかな。いやまてよTeamsで会議していた時に、たしか、あ、違うDropBoxで共有しましたかね。」「見当たらないですねぇ。。。もう一度送っていただけますか。大変申し訳ございません。」「あ!そういえばメールに添付して送ってました!」「送信日時とかわかります?」みたいな繰り返しが、とても多くなっていることを、分かっていただける方もいらっしゃるかと思います。

「サラリーマンの勤務時間の150時間は探し物に充てられている」というデータもあるくらい(“年間150時間”も、ビジネスパーソンは●●●に費やしていた…―)、私たちの効率化というのは探し物をいかに減らすか、が肝だなと思っています。

それなのにプラットフォームが一本化されない過渡期の現在においては、「データをいつどこで共有したか」ということが分からなくなってしまう場面が多々あるのです。せっかく効率化を求めて導入している様々なアプリなのに、これでは本末転倒、というか、現場の混乱は明確です。

みんなが自分のタイミングややり方で仕事をする弊害

2月後半からずっとリモートで2か月が過ぎたのですが、チャットシステムは優れたコミュニケーションツールであるとともにちょっとルールというか、共通認識がないと、効率化にならない場合もあるな、と感じています。先ほどの、自分のタイミングで返信したり送信したりする、ということが自分にとっては都合が良いのですが、相手にとってはどうか、という視点だととたんに曖昧になります。

本来仕事はチームワークで相手をおもんばかりつつも自分の都合もある程度は守りつつ、、、というバランスで成り立っているものかなと思っています。チャットの導入によって現れた弊害は、自分の都合と相手の都合が異なる、自分の認識と相手の認識が異なる、ということにきちんと向き合わない限りは、効率化のために気持ちよく使いこなすことはなかなか難しいという点かなあと思う今日この頃です。

ただし、チャットの導入によって今は忙しいよ、とか今は結構余裕あるよ、ちょっとコンビニ行ってくる、みたいなステイタスを表示できるのはいいなあと思いますし、メールじゃなくてすぐ聞きたいけど電話がつながらない、または電話ではない方が都合がいいという場合に使うシンプルなツールとしてはとんでもなく便利です。

もう少しツールが淘汰されて共通の認識やルールができてくるともっと効率化につながるのではないかなーと思った次第です。もし現時点で上記のような弊害は一切なく、めちゃくちゃ使いこなしてるマスターがいらっしゃれば是非そういったTipsもお伺いしたいと思います。

それではみなさま緊急事態宣言が明けたその先にある明るい未来でまた会いましょう!

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