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ミュージカル『この世界の片隅に』は”予習”が必要?

「原作や映画版を見てから観劇すべき」という声がポツポツ挙がっている

時系列通りではなく、「過去」と「現在」が頻繁に行ったり来たりするので、説明がなされているとはいえ、まったくの初見の場合、少々混乱することがあるかもれない(そのため、原作を履修してからの観劇の方がより没入できると思う)。ただ、主人公のすず目線で物語が語られていることにブレはなく、2幕は時系列でストーリーが進むので安心してほしい。

SPICE  劇評より引用

実は「予習をした方がいい」と言っている方々のほとんどが「事前に原作や映画版、TVドラマ版でストーリーを知っている人たち」という事実があります。
かくいう私も原作、映画版、TVドラマ版をもともと全部読了&視聴していたので、舞台初見の際に「あれ?ここから始まるのか?」と思って混乱したのでした苦笑

原作を知っているからこそ舞台版が原作と違う始まり方に混乱することがままある

一方で「予習しないでまっさらで観劇した」という方々の中にも、時系列が1幕は行ったり来たりするので予習しておけばよかったなという方ももちろんいらっしゃいますが、「(予習無で)作品に没入出来た!観終わってから原作を知りたくなった、観劇後に原作や映画を見てまた舞台を思い出して浸っています」という方々のSNSへの投稿も多々見かけました。
実際に私の知り合いも”原作予習無”の数人に話を聴いたところ、「原作を知らないから混乱したということは全く無い、舞台そのものをとても楽しめた」と大満足の感想を言っていました。

「ここから始まるはず」と思い込んで観劇する方が、自身の知識と違うスタートの仕方をしたときに混乱する

”こうあるべき、こうのはずだ”の思い込みの怖さです。人はどうしても「分からない、理解できない」ことに不安を感じます。一方で「分からないからこそ面白い」という考えの方もいらっしゃいます。好奇心が旺盛な方々です。

OECDの有名な調査ですが「日本の20代の知的好奇心は、スウェーデンの65歳とほぼ同じ。」→つまり日本人は若いうちに知的好奇心のレベルが既にグッと狭まっている=既知に頼る という結果が出ています。
こんな日本人の特徴も「予習した方が安心して(既知になるため)舞台観劇をすることが出来る→舞台観劇は物語を正確に理解することである」というパラダイムが生じる要因になっているのかもしれません。

舞台観劇の楽しみ方は人それぞれ。観劇マナーを守っていればその他に、正しい観劇の仕方など無い

「予習すべき」「予習の必要無し」両方の声があります。しかしながらどちらかというと「予習すべき」の声の方が日本では大きかったりします。冒頭で紹介したように劇評などにそう書いてあれば「予習しないと楽しめないのではないか?」と不安になる方もいるでしょう。
劇中にアンジェラ・アキさんの楽曲で「自由の色」という素晴らしい歌曲があるのですが、その中の歌詞に
自由になれ 自由に決め
という言葉があります。観劇の仕方はこの歌詞のとおりです。
他人の観方に振り回されずに、自身の観方で”めいっぱい楽しむ”ことが一番だと私は考えます。

浦野すず
(Wキャスト)
#昆夏美#大原櫻子

北條周作
(Wキャスト)
#海宝直人#村井良大

白木リン
(Wキャスト)
#平野綾#桜井玲香

水原 哲
(Wキャスト)
#小野塚勇人#小林唯

浦野すみ
#小向なる

黒村径子
#音月桂

白木美貴子・・・すずの祖母
川口竜也・・・すずの父
加藤潤一・・・すずの兄
飯野めぐみ 家塚敦子 伽藍 琳 小林遼介 小林諒音 鈴木結加里
高瀬雄史 丹宗立峰 中山 昇 般若愛実 東 倫太朗 
舩山智香子 古川隼大 麦嶋真帆

すずの幼少期(トリプルキャスト)
桑原広佳 澤田杏菜 嶋瀬 晴

黒村晴美(トリプルキャスト)
大村つばき 鞆 琉那 増田梨沙

#アンジェラアキ
#上田一豪
#ミュージカル
#この世界の片隅に
#日生劇場

【ここから有料記事】ミュージカル『この世界の片隅に』のストーリー進行は…

作品の中で明確に登場人物がこの場面は〇年の〇月のことである、と必ずセリフを言ってから場面が始まるので本当はちゃんとセリフを聴いていれば時系列で混乱することは無いのですが、ここからの有料記事では舞台作品の進み方の時系列を記述しておきます。

※公演プログラムから抜粋※

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