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【寄り道その3】ミュージカル『この世界の片隅に』Belter音月桂さん

なかなか寄り道が終わらない笑

CHIBIさんの活き活きとした記事が面白くてついつい引用させていただいてます。なかなか寄り道が終わらない苦笑

「ベルター桂」の誕生?

また新しい言葉を覚える。

M-22「自由の色」で黒村径子役の音月桂さんの歌声に涙した人は多いと思います。宝塚の男役トップスターだった桂ちゃんは、稽古の一番最初の段階では、一番高い音、B♭4(高いシ♭の音)の部分をファルセット寄りのミックスボイスで歌っていました。ですが、その部分は強い意志を持って力強く歌って欲しいシーン。そこでアンジーとも相談してベルティングボイスで歌ってもらうことにしたんです。

ベルティングってのは地声のような力強い響きを持ったパワフルな発声法なんですが、ベルティングっていわゆる「チェストボイス」「地声」を引き上げるのとは違う筋肉の使い方をするんですね。これを誤解してただ声を張り上げるのをベルティングだと思って喉を痛めちゃう人も多いんですが、桂ちゃんの目の前でアンジーにも実際歌ってもらって、どういう声の出し方をするのかレクチャーさせてもらいました。

さすが勘の良い桂ちゃんは、2回ぐらいの歌稽古でベルティングをマスター!ベルティングで歌えるシンガーのことを「Belter=ベルター」って呼ぶんですが、まさに「ベルター桂」の誕生でした。ベルター桂は55回の全公演声を嗄らさずに、あのクライマックスの音をベルティングして観客の心を鷲掴みし、素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれました。見事です。

ちなみにあの曲ってめちゃくちゃ音域が広いんですよ!特に低音がエグいです。一番下の音はD♭3(ピアノの真ん中のドから約1オクターブ下のレ♭)で、その音が何回も出てきます。ちなみに通常アルト(女性の低音)の下限がE3なので、それよりも1音半も低いんです。

ミュージカル「この世界の片隅に」~歌唱指導の視点から~(8)より引用

書かれていること、全て分かります。だって音月桂さんは「1000人に1人の奇跡の声帯」の持ち主とBWの製作チームに称賛された人ですから。”男声”を出せる強みをここでも活かしていました。
「♪自由になれー」のクライマックス、毎回”全くぶれずにまっすぐにラストの音まで伸ばし切るのが凄いなさすが桂さん!”と感動したのがそのベルティングボイスだったのですね。

まさに音月桂さんだからこそ出来た黒村径子さんの『自由の色』の誕生でした。

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