#3 桜の木の下、ハダシの先輩がいた。
時はまだ4月。桜が咲いている頃。
新歓コンパは、桜が咲く、広い公園で行われていた。女神(1話参照)と、映像をつくるサークルの新歓に参加していた。
コンパといっても新入生はまだお酒を飲めないので、ジュースとお菓子を用意してもらった。
サークルという環境がどのようなものなのか、まだ掴めず、緊張していた。
そこに、ほろよいを持った先輩がやってきた。
「わぁー1年生!若ーい!キラキラしてる!」
話し方はよっぽど先輩の方が若いよ!って思っただけで言ってはない。
その先輩は気さくな方で、サークル内事情を沢山教えてくれた。新歓用に作ったメンバー紹介のパンフレットをもらい、中を見た。
メンバー紹介
1人目:留学と病気により浪人 同級生より4つ年上だよ
えっやばっ 1人目からインパクトに残りまくる人が紹介されていた。大丈夫かな...
2人目:3年次、単位0
3人目:ベビースモーカー、酒豪、何役でも出来る
4人目:高校の時好きだった子と同じ大学に入りたくて猛勉強。無事合格。
おお〜このサークルには個性が強めの人が多くいるらしい。すごいサークルに来てしまった。
ちなみに、今話してくれてる先輩の紹介文は、"フッカル"。以上。確かにどこにでも行けそうな人だなと思った。
ふと、横から人が入ってきた。
「人形焼、食べる?毎年買ってるんだけど美味しいんだ」
この人は好きな人を追いかけて大学に入った人だ。優しそうな見た目で、人形焼を2つくれた。あったかくてふわふわで美味しかった。
もぐもぐ食べていると今度は反対側で人が歩いていた。砂利の上を裸足で。
この人は何役にもなれるって紹介されていた人。
何かの役になりきってるのかなーなんて思った。
すると、フッカルの先輩が、
「あの裸足の人が代表だよ!いつもはもっと落ち着いてる人なんだよー。あんなに酔ってるの初めて見た!多分疲れがたまってたのかなー!」
って。裸足で歩いている人が代表か...。
不安をたくさん抱えた新歓になった。
次の日、私と女神はこのサークルの入サー届を書いた。(なんでやねん)
p.s.
友達のことを女神ってずっと呼ぶのもなんなので那覇って呼ぶことにします。(この間沖縄に行ってたから。)
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