『そもそもアパレルの販売スタッフって長く続けられる仕事ですか?』 =販売は終わりではなく始まり=
新型コロナパンデミック宣言後、店側はモノの売り方が大きく変わってきています。
まず、プロパー時期にもかかわらず割引販売が目立つようになりました。
これは、苦しい時期だからこそ少しでもお客様の負担が軽減されればという思いからの動きであります。
お得な買い物をすることでストレス発散のお手伝いになればという思いや、新しい服に袖を通した時の幸福感を一人でも多くの方に味わっていただきたいという思いなどが込められています。
そして、そこにはお店の売り上げ低下を防ぐという意味合いも含まれています。
服は試着しないとサイズ感や色合いがわかりにくいという部分があるので、お店に足を運んでいただいてお買い上げいただくのがベストではありますが、不要不急の外出は控えるように各自治体から要請が出ていることから、来店者は減ってきています。
そこで、ピンチをチャンスに変えるべく、企業側は「通販でも安心してお買い物をしていただく」ために、試着しなくてもサイズ感や色合いが伝わるようなLIVE配信を各社取り入れるようになりました。
LIVEを見ている方はその場で質問ができるようになっているので、接客を受けているときのように安心して買い物ができる環境になっているのが特徴です。
スタッフの強みである販売力と商品知識が最大限に活かされた配信となっているので、販売スタッフの仕事の幅が広がったカタチとなっています。
このように新しい仕事が求められるようになってきているので、販売スタッフはLIVE配信向けのプレゼン力も必要になってきていると言えるでしょう。
仕事の幅が広がるというのは、求められる能力も高くなるので、販売スタッフのステイタス向上にもつながり、とてもいい動きと言えます。
一方で、販売店員はAIに代替えされやすい職種として考えられています。
では、アパレルの販売スタッフは長く続けられる仕事なのかどうか?紐解いていきましょう。
<アパレルの販売スタッフってどんな仕事するの?>
まず、販売スタッフってどんな仕事をしているのでしょうか?についてです。
未経験の方からするとラクそう、楽しそう、接客が大変そうと様々な印象があるのではないでしょうか。
仕事の内容は、主に店頭での接客販売、そして付帯業務として品出しや納品返品などがあります。
わかりやすく言うと、
―わざわざ足を運んでくれたお客様のお買い物をお手伝いする接客
―ストック整理や商品発注等の在庫管理
―シフト制による生産的な行動と責任
―信頼を目的とし、ブランドを通じてあなたのファンになってもらう
となります。
実際は精神的にも体力的にも結構ハードなのですが、それらが吹き飛んでしまうくらいやり甲斐のある楽しい仕事と言えます。
一日中立ち仕事で納品の度に重いダンボールを処理しなければならず体力的に結構ハードであるのは確かですが、それでも最後に「いいお買い物ができた。ありがとう」とお客様からお礼の言葉を貰えた時は最高の仕事と思えます。
では、どうやったら販売スタッフになれるのでしょうか?
面接の時はどんなことに注意したらいいのでしょうか?
販売スタッフはどんなヒトが向いていますか?
といった疑問があると思うので、それについて説明していきたいと思います。
*販売スタッフになるのに資格は必要なの?
販売スタッフになるのに資格は特に必要ではありません。
それよりも、洋服が大好きという情熱が必要です。
ファッション販売能力検定やファッションビジネス能力検定など資格が色々ありますが、資格を持っていないとなれないということはないので、資格なしでも販売スタッフになることは可能です。
もちろん資格を持っていれば勉強熱心で習得能力があるといったことの証明になるので、面接時のアピールポイントにはなります。
しかし、先に資格を取るよりも販売スタッフをやっている中で必要と感じたものを学んでいく方が効率的と言えます。
1年間販売スタッフとして経験を積んだヒトと、資格のために1年間勉強をしたヒトがいたとしたら、採用の際は販売スタッフとして経験を積んだヒトが即戦力として有利に働きます。
資格資格と頭でっかちにならず、まずは販売スタッフの世界に飛び込んでみることをオススメします。
資格は飛び込んだ後からでも全然遅くありません。
*面接時の注意点は?
1,000人以上面接を実施してきた面接官目線のチェックポイントで言うと、一番はやはり笑顔です。
そして、もう一つが先にも述べましたが(服やそこのブランドが)好きという情熱とやる気です。
もし全く同じスペックの店で、笑顔のスタッフがいる店と無表情のスタッフの店があったとしたらあなたはどちらに入りますか?と言えばわかりやすいかもしれません。
実は、面接で笑顔を作れないヒトは多いです。
緊張していても笑顔を作ろうとしていることは伝わります。
そうではなくて、全く笑顔が作れないヒトがいます。
笑顔が作れないヒトに対しては「笑顔が良いヒトであれば接客業では大きな強みになるので、アパレル未経験であったとしてもそういう方は積極的に採用します」というわかりやすいパスを出しますが、それでも笑顔を作ることが出来ないヒトは残念ながらお見送りとなります。
笑顔が作れないだけでなく、(面接官が投げてくれた)パスを受け取れないということはお客様が投げてくれたボールをキャッチすることができないだろうと見做されます。
少なくとも面接ではそう判断されてしまいます。
接客業はコミュニケーション能力が求められる仕事なので、面接官の話を聞き、必要に応じて質問を投げかけながら「聴く」力が重要になってきます。
*どんなヒトが向いているの?
とにかく服が大好き、という方です。
服好きにはたまらない仕事です。
そして、笑顔でヒトとコミュニケーションを取るのが好きな方は向いていると言えます。
ポジティブなスタッフのところに、自然とお客様は集まってきます。
服には、ヒトを元気にさせる力があります。
ポジティブな方が大活躍する職種と言えます。
<販売スタッフのお仕事を徹底解剖>
販売スタッフはどのような仕事をしているのでしょうか?
接客がメインの仕事となるのは周知の通りですが、商品知識の勉強や在庫管理といった付帯業務も多くあります。
1日の流れを見てみましょう。
*オープン前の事前準備
―清掃誰がどこを清掃するかが決められているので、ログに従って各自任された箇所の清掃を行なっていきます。
―備品補充清掃以外のスタッフは、売り場の商品補充と備品チェックを行なっていきます。ストックの数量が残り少なくなってきた備品については、発注や購入を行います。
―ストック整理整頓分類商品の補充を行いながら、本日の返品商品の確認と納品分のスペース確保を行なっていきます。
―レジ開局レジ担当者は、釣り銭準備金の入力と両替を行います。
―入金前日分の売り上げ入金を行います。
―全体朝礼
=ヒト=
本日のフォーメーションの指示、休憩回しを説明。引き継ぎや連携の確認を行います。
=ハコ=
前日休みだったスタッフもいるので、改めて前日の商況の振り返りと入出荷情報の共有が行われます。
それをもとに、本日の売り上げ予算と、MTD(月初来)、YTD(年初来)の進捗を発表。
前日よかったこと、それを更によくしていくために今日どうしていくか?
前日悪かったこと、それを良くしていくために今日どうしていくか?
を発表。
=モノ=
本日の返品商品の確認と入荷予定の情報共有。
納品と返品の数量から作業時間を指示。
次に強化アイテムの進捗確認とVMD修正依頼。
強化アイテムのオススメ文言と商品知識の理解度をスタッフに確認し理解度をチェック。
本日入荷商品の展開場所の確認とVMD担当者へのセット依頼。
店長から一方的に話すのではなく、スタッフに意見を求めたり担当者から発表をしてもらったりして、全員が参加している朝礼にすることが望ましいです。
*営業中はどんな仕事をしているの?
品出しと接客と顧客連絡がメインとなります。
品出し部隊は、返品作業と納品の品出し作業、そしてストックの整理整頓分類。
午前中に作業が終わるように進めていきます。
VMD担当者は、納品商品のセット、そしてマネキンやトルソーの変更等を行います。
売り場のスタッフは、持ち場のレイアウトをキレイにしながら、お客様対応を行なっていきます。
接客で大事なことは、「こんにちは、ようこそ」のグリーティングの次の第二発声(ご来店の感謝の言葉)がどれだけ早く言えるかがポイントとなります。
ここが遅くなればなるほど声掛けのタイミングを失い、お客様との距離が縮めにくくなります。
ちなみに、グリーティングの後に「よかったら試着できますので」といった類の言葉がよく聞かれますが、全く来店を感謝している言葉ではないのでそれは第二発声ではありません。
そして、それでは当然お客様との距離も縮まることはありません。
どういう言葉がお客様にとって「歓迎」していると感じられるか?
を考えて実践してみると見えてきます。
日々の言動の積み重ねで言葉に重みがでてきます。
心のない言葉はお客様に見抜かれてしまいます。
個人売りトラブルはお客様とのスタッフの距離から生まれることがあるので、第二発声でお客様との距離を縮めることはとても重要と言えます。
接客が上手なスタッフを見て学んでいくようにしましょう。
顧客様には、新商品入荷のご案内の電話営業を行っていきます。
客注商品入荷のご連絡も同時に行なっていきます。
客注トラブルは店の信用問題になるので、毎日欠かさずチェックをしていく必要があります。
時間を決めて、フロアのモップ掛け清掃も行います。店の進捗を見て、商品のフォロー要請を本部に依頼します。
*閉店後の後片付け
閉店1時間前から、売り場の修正が行われ、明日そのままオープンできる状態まで綺麗にしていきます。
その日の売上報告書の作成。
商況、それから売れ筋と死に筋、お客様やスタッフの声などを吸い上げ、本部に報告します。
明日の引き継ぎを連絡ノートに記載。
伝達は、伝える側の責任です。
つまり、バトンを渡す側が責任を持って渡す、となります。
言った、言わないといったことや、正しく伝わっていないといったことのないように、口頭だけでなく連絡ノートによる共有も必要です。
閉店後、もしくはオープン前に棚卸しやセール準備等を行うことがあります。
日々の閉店作業自体はそんなに時間のかかるものではないので、作業終了後は速やかに退店するようにしましょう。
<販売スタッフの仕事の魅力って?>
ヒトとヒトとの触れ合いには「価値」がある、というところです。
毎日多くのお客様と出会いますが、そこからその出会いを発展させていくことが販売スタッフの皆さんは求められます。
とても難しいですが、そこで関係性が構築できた時の喜びは何ものにも代え難く、同時に接客業の素晴らしさに気づくことができるでしょう。
販売は終わりではなく始まり、ということです。
魅力①共通の趣味を持ったヒトを笑顔にする
お店にご来店されたお客様は、その店の服に興味を持っている方です。
ですので、お客様としてご来店された時点ですでにあなたとの共通項があるということになります。
そのお客様に、もっと好きになっていただくために精一杯のおもてなしをする、それが販売スタッフの仕事です。
そのお客様がさらにファンになってくれたら、これ以上の喜びはありません。
お気に入りの服を着て過ごす未来の素敵な時間を作るお手伝いをする、つまりショップスタッフとはヒトを幸せにする仕事と言えるのです。
魅力②好きなモノに囲まれて仕事ができる
ショップスタッフの皆さんは、ファッションが大好きな方たちだと思います。
マネジメントになってくるとビジネスとして割り切って好きなブランドかどうかは関係なく仕事をしている方もいらっしゃいますが、ショップスタッフのみなさんは好きとか興味のあるブランドや企業に応募して働かれていると思います。
好きなモノに囲まれて仕事が出来るという環境はとても恵まれています。
好きなモノに囲まれた環境だからこそパフォーマンスをフルに発揮してください。
お客様を楽します事、喜ばす事、ワクワクさせる事、です。
それが、仕事です。
洋服を売る事はその手段です。
魅力③洗練されていく
毎日商品に触れることで、段々と目が利くようになってきます。
量が質を生む、です。
毎日多くの商品を見て、その中でどういうモノが売れてどういうモノが売れないのか、また、感度の高いヒトはどういうモノを選んでいるのか、といった情報が日々蓄積されていきます。
その情報量が芽となって、自身のセンスに磨きがかかっていきます。
そうして、段々と身に付けるモノが変わっていき、洗練されていくのです。
洗練とは、量を積み重ねることで作られるものであって、簡単に作られるものではありません。
ショップスタッフの間に量をこなしてセンスを磨き上げることで、その後身だしなみだけではなく仕事の進め方も洗練されていくと言えるでしょう。
<販売スタッフって色々あるけど・・・?>
販売スタッフになるには、好きなブランドに直接応募して働くカタチと、様々なブランドと提携している人材派遣に登録して働くカタチがあります。
また、レギュラーストアとアウトレットストアってどう違うのか?
自分で好きな方を選択することができるのか?といった疑問を持っている方も多いと思います。
自分自身が数年後どうなっていたいかによっても進むべき道は変わってきますが、まずはそれぞれのメリットとデメリットについて説明していきたいと思います。
*派遣の方が時給良さそうに感じるけど実際はどうなの?
アルバイトよりも派遣の時間給の方が高い場合が多いです。
それは、企業が求めている即戦力レベルのヒトをすぐに派遣することができるからです。
アルバイト採用となると、即戦力レベル採用にはどうしても時間がかかってしまいます。
企業が抱えている問題を即座に解決することができるので、その分高めの金額設定になっているのです。
販売スタッフを経験している方であれば、派遣に登録することでアルバイトの時よりも高い時間給で働くことは可能となります。
ただ、全く予備知識の無いブランドに入らなければならないことも出てくるので、あまり店舗やブランドがコロコロと変わるのが好きではないヒトには向いていないかもしれません。
派遣の販売スタッフが求められることはズバリ「接客」です。
トレーニングを必要としない接客の即戦力です。
そして、一定期間が過ぎると他のブランドに行かなければならないので、環境適応能力と柔軟性も必要となります。
派遣でも福利厚生はしっかりしているので、接客販売に専念したい方にはオススメの働き方となります。
デメリットは、ずっと同じ環境で働き続けることができないことです。
そのため、自分の頑張りが評価に反映されにくい一面があると言えます。
販売のプロでありながらも販売は始まりという部分が体現しにくい部分が最大のデメリットと言えます。
販売のスキルを高めつつ、いろんな業務にも携わっていきたいと考えている方は派遣よりもアルバイトからのスタートをオススメします。
*直営店とアウトレットってどう違うの?
リテール(小売)ではレギュラーストア(直営店)とアウトレットストアで分かれています。
レギュラーストアは、オンシーズンのものをプロパー価格(定価)で販売し、シーズンが終わって売れ残ったものがアウトレットで値下げして販売される、となります。アウトレットでは1シーズンから2シーズン前のモノを割引価格で販売となるので、オンシーズン商品のプロパーのものが良い方はレギュラーストアを希望されると良いでしょう。
一方、アウトレットストアでは、売れ残った商材を素早く「消化」することが求められつつも「利益」の確保も同時に求められます。
消化を目的としながら、需要と供給のバランスを考慮しつつ、その中で最大限の利益を生ませることがアウトレットビジネスの面白いところなので、数字を学びたい方はアウトレットをオススメします。数字はマネージャー業に大いに役立ちます。
<年代別の販売スタッフのいろいろ>
接客はスキルなので、販売スタッフは長く仕事を続けることが出来る仕事と言えます。
販売スタッフは立ち仕事のため、デスクワークの方よりも健康な方が多いです。そのため、70代でも元気に販売を楽しんでいる方もいらっしゃいます。
お客様と楽しい会話を楽しみつつオススメの服を着る未来の幸せな時間を作るお手伝いをする仕事の年代別のそれぞれを見ていきましょう。
*20代の過ごし方
販売スタッフとしてお店のあらゆることを学ぶことが求められます。
販売スタッフとして経験を積み、最終的には「VMD」もしくは「店長」を目指して業務に臨みましょう。
そのためには、日々の取り組みの精度を高めていくことが求められます。
ちなみに、支社長まで出世するヒトの共通点が「入社して最初の上司が優秀」という野村証券の調査結果があるので、キャリアのスタートは「一番売れている店」を希望してみるのもいいかもしれません。
一番売れている店の店長は優秀なので、自身の成長にも大いに役立ちます。
*30代の過ごし方
30代はマネジメントの立場からお店を管理する、を目標としてください。
店長→エリアマネージャーといったマネジメント業です。
マネジメント業にたどり着けなかったとしても、そこを目指して取り組んだことが成長となるので、上は目指してください。
それから、30代は嫌でもカラダに変化が出てくるので、カラダ作りも始めてください。
責任の範疇が広がり、仕事漬けの毎日となって生活が不規則になるからこそ、カラダ作りが大事となります。
健康なカラダでないと、能力を最大限に発揮することができません。
カラダ作りを始めると、自己効力感が高まり、ビジネス面にも良い影響をもたらします。
積極的にチャレンジするようになり、どうすればできるかを考えるようになります。
すぐやるヒトが全てを手に入れるのは、そのためです。
*40代以上の過ごし方
マネジメント業を続けて更に上のポジションを目指していく方と、現場でスペシャリストを目指す方、つまり一周回ってまた販売に戻る方がいらっしゃいます。
マネジメント業や販売以外の業務を経験することで、改めて販売の楽しさや素晴らしさに気づいたという方々が現場に戻られます。
店長職を極めている「スーパー店長」もこの域です。
現場主義、です。
店長職や現場を極めた方がそのまま独立して経営者になられるパターンもあるので、現場を知っているというのは強みと言えます。
逆にマネジメントで失敗する方は、現場を把握できていないパターンが大半です。
40代以降は現場かバックオフィスかを見極め、あとは覚悟を決めて進んでいく、となります。
女性の方は70代80代になっても新しい洋服を定期的に購入されます。
そのため、70代でも販売スタッフのニーズはあります。
<販売スタッフに多いトラブルと対処法>
販売スタッフは、会社からお金をもらって仕事をしている言わばプロの集団です。
プライベートでは、自分の家族や友人のミスはフォローし、支えあって欲しいし、何度繰り返してもそのミスは許されます。
でも仕事は違います。
間違いを犯す事は誰にでもありますが、損得やコミュニケーションミスからトラブルが発生することは避けなければなりません。
そんな、多いトラブルと対処法について見ていきましょう。
*個人売りトラブル
接客したお客様が購入した際、誰の接客によって売上につながったのかという個人のパフォーマンスを見るものとして個人売上というものがあります。
個人売りトラブルは、一人のお客様に対して複数のスタッフが接客したことで起こるトラブルとなります。
最初に接客したスタッフにイニシアティブがありますが、他の顧客様がご来店されたりお店の混雑状況によって最後までアテンドできなかったりするパターンがあるので、どうしても起こり得る問題となっています。
こう言った場合は、接客によって販売に結びついた商品で売り上げを分配するのが良いでしょう。
Aさんが最初の2点、残りの3点はBさんの売り上げ、といった分け方です。
それとは別に、話しや接客に割り込んでくるスタッフがいます。
悪気がある場合と無い場合がありますが、どちらの場合も「イニシアティブは最初に接客しているスタッフにあり、接客途中で担当者が変わることは良くない」ということをルールとして決めておきましょう。
*客注ミス
客注とは、お店に在庫が無くて、お客様の要望により他店舗もしくは本部から取り寄せの注文を受けた商品のことを指します。
しかし、実際に注文した商品と違う商品が届いた、キズモノだった、注文自体が滞っていてお客様にお伝えした日時に取り寄せることができなかった、といったトラブルが起こることがあります。
客注シートを準備し、出荷確認者・キズ確認者・受け取り確認者と全ての担当者にサイン欄を設けて、責任の所在を明確にすることが良いでしょう。
客注漏れ防止策として、対応したスタッフがその場で客注を行う運用がベストです。
客注ミスはお客様の楽しみを奪ってしまう行為のため、もう2度と戻ってきてくれなくなります。
売り上げに直結するので、客注ミスはあってはならないミスとなります。
*採寸ミス
右足と左足の長さを変えて欲しいということやウエストの位置の未確認、お店が用意したサンダルで採寸したことなどでミスが起こります。
外注しているところでは、お直し伝票の見間違い(13センチと1.3センチ)によるミスなどもあります。
最近はボトムスの丈の長さが短くなってきていて左右の長さを変える必要がないので、左右の長さは統一の運用にしてしまうのがベストです。
足のサイズも左右で違いますが、左右でサイズの違う靴を買われる方は多くないです。
ウエストの位置をお客様に確認をする、合わせる靴はお客様の靴とする、といった運用にすると良いでしょう。
お直し伝票の見間違いを防ぐために、丈つめの長さだけでなく丈つめ後の総丈も書くことで、13センチと1.3センチの見間違いは防止できるようになります。
運用オペレーションの統一がミス防止となります。
*色落ち・キズモノのクレーム
色落ちが発生したら、すぐに本部にバックオフィスに連絡し共有してもらうようにしましょう。
まずは情報の共有、そしてすぐにバックオフィスに注意書きを準備してもらいましょう。
キズものについては、販売をオススメしません。
当然、割引対応もオススメしません。
割引対応をすると、前回は対応してくれたのにといった二次被害を引き起こす可能性があるためです。
割引対応はその場を対応したスタッフの自己満足でしかなく、その事実を知った顧客様に嫌な思いをさせてしまうことにもなり、結果的には誰も得をしません。
割引対応には厳格なルールが必要です。
これからも来ていただきたいお客様かどうかを考えると、どう対応するべきかが見えてきます。
<販売スタッフって長く続けられる仕事なの?のまとめ>
販売スタッフにとって大切なことは、相手の立場に立って考える、です。
相手の考えを知るために話を聴き質問をします。
そうすることによって相手の立場を理解することができます。
そこから、関係性の構築が始まります。
関係性の構築ができれば、どこでも通用します。
そして、その顧客様はあなたの信者となってくれるので、何十年とあなたを助けてくれるようになります。
ですので、販売スタッフは長く続けることができる仕事と言えます。
販売スタッフは、とても奥の深い仕事です。
一緒に販売スタッフのステイタスを向上させませんか?
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