30年日本史00066【神代】神産みとイザナミの死
さて、イザナギとイザナミは次に大八島に住む神々を産んでいきます。
・住居に関する神 7柱
・水に関する神 3柱
・大地に関する神 4柱
・穀物に関する神 3柱
・河に関する神 8柱
・山野に関する神 8柱
古事記ではこれらの神々の名前が記されているのですが、ひどく退屈なところですから省略します。
次にイザナミは火の神であるヒノカグツチ(火之迦具土)を産むのですが、その際ホト(陰)に火傷を負ってしまいます。ホトとは女性器のことで、古事記ではこの後も女性がホトを突かれて死ぬといった記述がたびたび出てきます。神を産んでばかりで話が進まないので、ここらでストーリーを大きく展開させようとしたのかもしれません。
病床で苦しむイザナミは、まだまだ神を産み続けます。嘔吐物から鉱山の神が産まれ、大便からは土の神、尿からは水の神が産まれました。
さて、イザナギの必死の看病の甲斐もなく、イザナミは世を去りました。イザナギの流した涙から、泉の女神が産まれました。何とも忙しいですね。病に苦しんだり妻の死を悲しみながらも次々と神々を産んでいくとは。
イザナギは、イザナミの亡骸を比婆山(ひばさん)に葬りました。現在の島根県安来市にある山です。
妻を葬った後も、イザナギはずっと悲しみに暮れていました。そして遂に怒りに駆られ、妻の命を奪ったヒノカグツチの首を斬ってしまいます。このとき飛び散った血の中から、また様々な神々が産まれました。
このとき産まれた神の名前が次々紹介されますが、面倒なので全部は書きません。
ここで産まれた神のうち、重要なのはタケミカヅチ(建御雷)だけです。この後、「国譲り」の章で非常に重要な役割を演じることになる剣の神です。
神産みで次々と新しい神が登場しましたね。そのほとんどは1度だけ、名前だけの登場であり、ストーリー上活躍することはありません。しかし驚くべきは、その1度しか登場しない神を祀る神社が全国のどこかにあるということです。例えば、イザナギの涙から生まれたという泉の女神は「ナキサワメ(泣沢女)」というのですが、奈良県橿原(かしはら)市には泣沢神社があり、ナキサワメを祀っています。
皆さんも神社に行かれた際には、その祭神が誰で、古事記・日本書紀のどこに登場する神なのかを調べてみると、もっと旅が楽しめるかもしれません。
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