見出し画像

30年日本史00100【人代前期】人代前期概観

 神の時代が終わり、今日から人の時代に入ります。「人代」は「じんだい」と読んだり「ひとよ」と読んだりします。神武天皇以降は神ではなく人とされているのです。
 人代で解説する天皇は以下のとおりです。日本書紀に沿った在位年を記しておきます。ご存じかとは思いますが、「B.C.」は紀元前、「A.D.」は紀元後を表します。
・初代神武(じんむ): 在位B.C.660~B.C.585
・第2代綏靖(すいぜい): 在位B.C.581~B.C.549
・第3代安寧(あんねい): 在位B.C.549~B.C.511
・第4代懿徳(いとく): 在位B.C.510~B.C.477
・第5代孝昭(こうしょう): 在位B.C.475~B.C.393
・第6代孝安(こうあん): 在位B.C.392~B.C.291
・第7代孝霊(こうれい): 在位B.C.290~B.C.215
・第8代孝元(こうげん): 在位B.C.214~B.C.158
・第9代開化(かいか): 在位B.C.158~B.C.98
・第10代崇神(すじん): 在位B.C.97~B.C.30
・第11代垂仁(すいにん): 在位B.C.29~A.D.70
・第12代景行(けいこう): 在位A.D.71~A.D.130
・第13代成務(せいむ): 在位A.D.131~A.D.190
・第14代仲哀(ちゅうあい): 在位A.D.192~A.D.200
・神功(じんぐう)皇后: 在位A.D.201~A.D.269
 神武天皇の即位は紀元前660年というあり得ない時代設定になっていますね。なぜ紀元前660年なのでしょう。
 実は、古代中国の陰陽説では「21回ごとの辛酉(しんゆう)の年に大変革が起こる」とされているのです。辛酉の年は60年ごとにやって来ますから、「21回ごとの辛酉の年」は1260年に1回やって来ることになります。聖徳太子による政治改革が西暦601年で、ちょうど辛酉の年でした。「そこから1260年前に当たる紀元前660年に大きな変革が起こっているといいな」という思いから、神武天皇の即位年を紀元前660年に設定したものと考えられます。
 実際よりも昔の時代に初代天皇を即位させるためには、歴代天皇の数を増やす必要があります。そのために架空の天皇を次々と登場させる必要があります。しかしながら歴代天皇の数がまだ足りなかったため、一人一人があり得ないほどの長命になってしまったようです。
 「人代」で取り上げる時代は、日本書紀の年代をそのまま信じればB.C.667年~A.D.270年となりますが、実際には3~4世紀くらいだろうと思っていただければと思います。

この記事が参加している募集

日本史がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?