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烏口突起の触診

前回までに脊柱の触診を整理していきました。
今回からはいよいよ新章です。

今後は上肢帯の触診について整理していきましょう。
今回は、意外にイメージが付きにくい烏口突起の触診です。
しっかりと整理していきましょう。

1 烏口突起が触れらると?

臨床上、烏口突起が触診ができることでどのように活きて来るのでしょうか?
まずは烏口突起の周辺に何があるのか?を整理していきましょう。

・筋
烏口突起は小胸筋の起始になっています。
小胸筋は肩甲骨の安定性にも関与しており、不全を起こすと肩甲骨を胸郭に引きつけ滑走性を低下させてしまいます。
つまり、烏口突起に触れられることで小胸筋へのアプローチが可能となります。

・神経
烏口突起の真下には腕神経叢が走行しています。
上記に紹介した小胸筋が不全を起こしてしまうと、その腕神経叢を圧迫してしまい、神経症状が生じる場合があります。いわゆる小胸筋症候群です。
やはり小胸筋に触れられることでアプローチが可能となります。

スクリーンショット 2021-02-22 7.01.12

(引用:プロメテウス 解剖学アトラス)

2 烏口突起のイメージ

では、その烏口突起を触れるためにどのようなイメージが重要でしょうか?
それはやはり3Dのイメージです。

烏口突起は肩甲骨の一部のため背部にあると間違えが生じやすいです。
しかし実際の烏口突起は前方に突出しており、前面から確認ができます。
そのため、烏口突起の突出しているイメージをしっかりと持ちましょう。

スクリーンショット 2021-02-22 7.06.04

3 実際の触診方法

触診方法としては、前面にあるイメージを持つことで簡単に可能となります。

① 鎖骨の下端を少し圧をかけて触れます
② 下端を圧をかけたままたどり、烏口突起を見つけます
③ 触診できた骨を触れながら肩甲骨を動かし確認します
となります。やり方は非常にシンプルですが、イメージができていることでより簡単になります。

スクリーンショット 2021-02-22 7.11.57

4 まとめ

いかがだったでしょう?
臨床上、触診を練習する時には
・触れる目的
・触れる箇所のイメージ
をしっかりつけて取り組んでいきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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