”しているADL”と”できるADL”
臨床で働いていると、
『リハ室ではできているのに、病棟に戻るとしていない・・・』
と、”できるADL”と”しているADL”の違いについて悩んだりしませんか?
この違いは何から生まれるのでしょう?
そしてそれはどう解決していけばいいのでしょう?
本日はそれを整理していきましょう。
1 できるADL
できるADLとはどういう状態でしょう?
それは、自分で『これをやる』と決めて”意識的に行う動作”です。
例えば、意識的に行う起き上がりは
・頭を前になるように起こして
・なるべく手すりを持たないで
と考えながら実施しているADLとなります。
このように常に考えながら実施しないといけない動作をリラックスしている生活の場面で利用するでしょうか?
2 しているADL
次にしているADLはどんな動作なのか?を考えていきましょう。
これは上記で解説したできるADLとは逆に”無意識”でできる動作です。
例えば、無意識でできる起き上がりは
・他者と話ながらできる
・生活の中で動きが毎日同じ
と考えないでも同じ動作が実践できている状態です。
ここのきて、ようやく生活に定着、つまり習慣化となっている状態になります。
3 差を埋めるには?
”しているADL”と”できるADL”の違いは意識の違いとなります。
では、リハビリの中でどう無意識にできるまでに落とし込むのでしょうか?
ポイントは2つあります
1つは”反復練習”です
これは、意識的に何度も繰り返すことで少しづつその動作の定着を目指していきます。代償動作を抑える方法をお伝えしつつ、療法士が反復練習するのをお手伝いしていきます。
2つ目は”2重課題”です。
反復練習で意識づけができた段階から次に行くためには、練習している動作から注意を外しつつその動作を実施していただきます。
例えば、起き上がり訓練をしている最中にその方の好きな話題を出して療法士との会話に注意を向けてもらう、などをし療法士は動作をチェックしていく。
と実施すると簡単な2重課題となります。
4 まとめ
どうだったでしょうか?
”できるADL”と”しているADL”の違いは意識です。
まずはその方がどの段階にいて、意識的に動いてもらうべき段階なのか?無意識に落とし込んでいる段階なのか?を考えてて声かけのやり方を変えてみましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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